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ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。

「ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。」幡野広志

幡野さんのブログを初めて読んだのは、ほぼ日きっかけだったと思う。
そして「ぼくが子どものころ、ほしかった親になる。」を読んでみたくなった。
その時はすぐに欲しくて電子版を買った。
そんなに読みたかったのはなぜか。
今考えると、自分自身が両親の事を殺したいほど憎んでいたからだと思う。

最初は自分自身が子どもの立場で読んでいた。
幡野さんが息子さんに伝えたい事を読み進めるうちに、
自分の両親が私にしてくれなかった事があまりに多かった事がわかって辛かった。
父は私を暴力でコントロールしようとした。
母は、母が理想とする子供でいなければヒステリーを起こして私の人格を全否定した。
私は自分自身の心を殺さないと生きのびてこれなかった。
そんな自分がかわいそうで死にたかったし、できるなら誰かに助けて欲しくなっていた。

でも読み進めるうちに私の立場が変化していった。
今、私には小さな娘がいる。優しい夫もいる。
その娘の母親として何ができるのか、どういう家族でありたいのかという気持ちに切り替わった。
それほど長くもない自分の人生より、娘の人生の方がずーっと長く価値があると思った。
私が両親から受けた影響が大きいように、娘も私たち夫婦から受ける影響は大きいはず。

他の幡野さんの本も読み終えて、
最終的にたどりついた私の答えは私が幸せになるということ。
私が幸せなら娘も幸せになれる可能性が高くなるということ。
娘の幸せを願うなら自分がたくさんの幸せを手にすること。

生まれて初めて自分が幸せになっても許される事を知って嬉しかった。
こんな私でも幸せになってもいいのだと。
今までたくさん自分の心を殺して生きてきた。
でもまだ間に合うらしい。
幸せに生きている私の姿を娘にたくさんみせてあげたいと思えるようになった。

早速カウンセリングをしてくれる人を探した。
自分に合うカウンセリングの人に出会うことができ、徐々に楽になっている。
カウンセリングを受けて本来の自分自身を取り戻すのはけっこう大変。
でも、たくさんの悲しい記憶を抱えている私は、
1つ1つの悲しみを手放すようになった。
意外と地味な作業。
気が遠くなる作業だけど悲しい記憶の数が多いだけに最近は手放すのも上手になってきたみたい。
カウンセラーに褒められるので、もっと調子にのって頑張ってしまう。
単純だなと我ながら感じる。

この本に出合えてよかった。
自分の過去に向き合う覚悟ができた。
私たち家族が幸せになるきっかけを与えてくれた。

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