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ロボットが自ら考えて行動する!?AI技術によって実現した【ティーチレス】

よくみておくんだね。君が昼寝をしている間にも時間は流れ続けてる。一秒も待ってくれない。そして流れ去った時間は、二度と帰ってこないんだ。(ドラえもん)

皆さんはロボットが自ら考えて行動する、そんな未来を信じますか? 

ドラえもんのような話ですね。笑
実はこれ、物流拠点では徐々に始まっているんです。「見えれば動ける」そんなロボットはティーチレス技術によって実現しています。

ここでは、AI技術の発展により現実となった「ティーチレス」技術を紹介していきます。

ティーチングとは、「ロボットが行う動作を事前に教えること」

ロボットが動く為には、プログラムによる「指示」が必要です。その「指示」をするプログラミングを事前に行うことをティーチングと言います。一般的なティーチングとしては下記の3種類があります。

1.オフラインティーチング
2.オンラインティーチング(ティーチング・プレイバック)
3.ダイレクトティーチング

それでは、一つ一つ見ていきましょう。

1.オフラインティーチング

別名間接教示とも言われ、ロボットに直接触れずにプログラム化を行うことを指します。プログラムを直接書き込んだりすることによってロボットへの事前教示を行います。

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2.オンラインティーチング(ティーチング・プレイバック)

オフラインティーチングとは異なり、教示者が現場でロボットの実機を動かしながら、各部の動作をリモートコントロール装置(ティーチングペンダント)を用いて記録します。記録したデータを再生(プレイバック)させ、さらに微調整することによってロボットの動作を記憶させます。

3.ダイレクトティーチング

ややオンラインティーチングに似ていますが、ロボットにティーチングを行う際、作業者が直接ロボットを手で動かすことで、動作を覚えさせる方法です。外部から加えられる力を検知するため、ロボットアームには力覚センサやトルクセンサが装着されるか、またはトルク検知可能なサーボモーターが内蔵されます。
これら機構によって、加えられた力や速度、回転の角度を自動で演算し、ロボットプログラミングとして記憶します。

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これらのティーチングにより、ロボットが指示を受けることにより自ら動作ができるようになります。

事前教示のいらないティーチレス

上記のティーチングのメリットとして、「ティーチングをされた動作を忠実に繰り返す」事があげられますが、逆にいうと想定外のことはやらない、といったデメリットがあります。つまり、再現性のあることしかティーチングロボットは出来ない、と。

一方で近年、ティーチレスと呼ばれる技術がAIを含めた技術の発展によって可能となりました。ティーチ「レス」ということもあり、事前にプログラムで「指示」することなくロボットが動くということです。これにより、ロボット自身に動作を考えさせる、ということが可能となりました。

ティーチレスのメリット①:人件費削減

ティーチングは専門のエンジニアが複雑なプログラミングを行っていたティーチングにおける開発費用が大幅にカット出来るのと同時に、開発後のメンテナンス人材育成も大変です。しかし、ティーチングレスロボットなら、ある程度の動作はAIが自動で行いますので、人の関与が大幅に減り、人件費の削減につながります。

ティーチレスのメリット②:再現性のない複雑な動作が作業可能に

さらにティーチレスでは再現性のない複雑な挙動もさせられます。従来工場では同一商品を倉庫へ運送するため、同一商品だけであれば再現性があるためティーチングのロボットで作業を自動化できていました。一方、物流倉庫のパレタイズ・デパレタイズやピッキングでは、小売や消費者からの受注ごとに出荷商品が違うため再現性のない作業となっているためティーチングロボットでは導入ができない状況でした。今回のティーチレスで複雑かつ細かい動きで対応できるため、注目が集まっています。

ティーチレスでの実用例

事例①モーションプランニング MUJIN

株式会社MUJINでは、「モーションプランニング」といった技術を使ってティーチレス化を実現しています。

ロボットをティーチングせずに現実世界で動かすには、ただ動かせば良いというわけではなく、現実世界には必ずといっていいほど存在する障害物、ロボットの関節、特異点、動力学を考慮しながら目的地に到達できて初めて役に立ちます。Mujinの技術を使用することでティーチング作業はもはや必要なくなりました。

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MUJINがすごいのは、どの会社のロボットを採用しているロボットユーザー企業でも、MUJINコントローラーがあればロボット制御ができるんです。これができることにより、再現性のない動作もロボット上部に取り付けるビジョンカメラで見えさえすれば作業可能になります。

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事例② マスタレス OSARO

OSAROも同様に、ビジョンカメラでの画像認識とモーションプランニングによるティーチレス作業です。

商品の事前マスタ登録もなく、商品を認識した上でどうロボットを動かしてどこを取るのがいいのかをロボット自ら考え動きます。

さらにはマスタ登録なしで、掴み方を学習していくAIも搭載されており、学習期間に「商品ごとにどう掴むのが最適か」を学んでいくそうです。

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自ら考え、動けるロボット時代到来

冒頭のドラえもんの言葉にある通り、時が過ぎロボットの技術が日進月歩で進み、いよいよロボットが自ら考えて作業をする時代が到来しました。

今後さらに自動化が加速するかと思います。全自動の物流拠点が来るのももう近いかもしれませんね。



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