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【注目企業紹介】ユニコーンとしても有名!AIベンチャー企業Preferred Networksを解説

皆さんは、"自分が身を置く環境"についてどのようにお考えですか?

私は環境こそが人格形成に直結する、と思っています。今回のタイトルにもあるPreferred Networksという会社もまさにコンピューターサイエンスにおける最高峰の環境、なんて言われています。

この会社名、新聞やネット記事などで目にしたことがある方もいらっしゃるかもしれません。

今日はそんなPreferred Networksがどんな会社なのかを本記事では解説していきます。

"現実世界を計算可能にする"AIベンチャー、PFN

株式会社Preferred Networks(PFN)は、

"現実世界を計算可能にする"

という ビジョンでAI開発を手がけるベンチャー企業です。主にディープラーニングやロボティクスの活用で、ライフサイエンスなどあらゆる分野にイノベーションを起こすことを目指しています。

死ぬ気で学ぶ集団 Learn or Die

コンサル業界でよく聞く"Up or Go out"のような共通言語がPFNにもあるそうで、その言葉は

Learn or Die

技術的に最先端であり続けるためには、メンバー一人ひとりが学び続けて成長し、お互いの専門分野を学び合い、新たな知識を習得していくことが欠かせません。その思想において、本気で学ぶ、というのが彼らの技術が最先端である所以なのかもしれません。

他にもPFN Valueとして、

<Motivation-Driven>
熱意を元に

<Proud, but Humble>
誇りを持って、しかし謙虚に

<Boldly do what no one has done before>
誰もしたことがないことを大胆に為せ

の3つが挙げられています。

日本に7社しかないユニコーン企業の中で最大規模

現在、PFNは大きな注目を集めているAIベンチャー企業で2020年11月現在、日本にユニコーン企業は7社しかない中でその内の1社となっています。

ユニコーン企業:

市場価値10億ドル以上で、起業してから10年以内未上場の企業を指す言葉です。創業から日が浅いにもかかわらず市場から高い評価を得ているスタートアップ企業を、伝説上の生き物"ユニコーン"になぞらえて呼んでいます。

高い成長が見込まれる、いわゆる「ユニコーン企業」ですが、
2020年10月時点で、PFNの推定時価総額は3,572億円とされており、数少ない日本のユニコーン企業の中でも1位の時価総額を誇っており、大きな注目を集めています。

そもそも日本で7社しかない理由は、日本では一度の失敗がブランドイメージや取引先、顧客との信頼関係に大きなダメージを与えます。ひいては"世間体"というものですね。

つまり、"失敗コスト"が非常に高い、と言えます、。また、結果にたどり着くためのプロセスを重視する傾向があります。

一方、アメリカや中国にはこのユニコーン企業がそれぞれ200社以上存在します。中国やアメリカでは成果主義の色が濃く、過程において失敗を繰り返しても、結果的に成果を出せれば評価されます。それが、試行錯誤しやすい環境をつくり出しているのです。何かに挑戦して成功すれば評価されるのは両国とも同じですが挑戦して失敗した場合、そして何もしなかった場合の評価については両国で差があります。

日本では何かに挑戦し、失敗した場合、マイナス評価を受けます。一方、中国やアメリカでは挑戦していればたとえ失敗したとしてもある程度評価されます

すなわち、現在ユニコーンとして日本で名を馳せている企業は大きな失敗をせずにここまで着実に伸びてきている、ということになりますね。

最高峰人材が集まる環境

IBM基礎研究所所長や統計数理研究所教授など、日本と世界を代表する研究所で多くの技術者を見てきたPFNフェローの丸山宏氏は下記のように断言しているそうです。

コンピューターサイエンスの分野において、PFNほど、優秀な人の密度の高い企業は日本で他にない

代表の西川氏を始め、各メンバーの一覧と簡単な経歴を並べただけでも凄まじい経歴を保たれている方が多いんです。

各種受賞や転職元企業、さらには国籍なども問わず集まっており、優秀な人材が集まる環境でイノベーションを起こしているということになります。

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"ここにいれば最新の技術の刺激が受けられる"という環境に身を置きたいという理系メンバーがこぞって集まる環境、というわけですね。

アスリートでもそうですが、自らが身を置く場所をより高いレベルへ置き、自らを成長させる。PFNはコンピューターサイエンスにおいて世界最高峰と言える環境に、自らの身を置きたいという猛者がある意味勝手に集まってきている、とも言えるでしょう。

環境が人を育てる、という言葉はよく聞きますが、ある意味人は環境選択のみに集中すれば成長し続けられるのかもしれませんね。

各事業領域で実力を発揮

それではPFNの事業領域を簡単にご紹介していきます。

●物流事業

PFNは物流ソリューション事業を開始し、その第一弾としてデパレタイジング(荷下ろし)ロボット用のコントローラーを開発しています。デパレタイジングシステムの開発ならびに複数現場へのソリューションの導入を進めています。

PFNではデパレタイジングロボット用コントローラーを開発し、対象商品の天面部から3次元画像認識で商品位置や寸法を特定し、最適な軌道計算を行った後に搬送先へ商品をデパレタイズしていく作業を自動化します。

実はPFNの物流領域における活動はこれが初めてではなく、数年前から進めています。2016年に参加した、米アマゾン・ドットコム主催の物流向けロボットの精度を競うアマゾン・ピッキング・チャレンジにおいて、PFNは、棚からアイテムを取り出すタスクで世界第2位、格納するタスクで世界第4位の実績を出されています。

深層学習やロボティクスの物流領域での実用化に向けた研究開発していた結果、今回実用化に踏み切れたものと思われます。

デパレタイズについては過去記事でまとめたものがあるので、下記を参照していただけたらと思います。

●食品事業

PFNは日清食品株式会社 が研究を進めている最新の分子栄養学に基づいた「完全栄養食」のさらなる進化を目指し、「食と健康状態の解析モデル」の本格的な共同研究を進めています。

この完全栄養食、9月末に放送されたカンブリア宮殿でも取り上げられていましたがすごいんです。

見た目やおいしさはそのままで、カロリーや塩分、糖質、脂質、たんぱく質などが、コントロールされ、日本人が必要とする食事摂取基準で設定された必要な33種類の栄養素をバランスよく全て摂取できる食事です。

今後もPFNと日清食品は共同で「食と健康状態の解析モデル」の開発と精度向上に取り組むとともに、その技術を「完全栄養食」のレシピ開発に応用し、一人一人の健康状態に合わせた食のパーソナライズを進めていく予定とのこと。

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つまり、この完全栄養食が消費者の食卓に当たり前になった時には栄養面における最適化が図れる為、多くの肥満者を救うことが出来ます。

社会的課題に数字で挑戦する、素晴らしいプロジェクトですね。

●エンタメ事業

東映アニメーション株式会社とPFNはAI技術を活用してアニメ制作を効率化すべく、PFNの深層学習による画像変換技術、セグメンテーション技術などを映像制作に活用する実験的な取り組みを共同で行っています。

PFNでは機械学習・深層学習などの最先端技術の実用化を目指しており、キャラクター生成、イラスト自動着色、高精度3Dスキャンなど、制作手法の革新、新しい表現を可能にするための技術開発を行っています。

その中で、東映のCG・xR・AI等の最新のデジタル技術を用いて、現地で実際に撮影された風景写真からScenifyでアニメ調の背景素材に自動変換することで、美術クリエイターが画像の前処理工程に要する時間を従来の約1/6に大幅短縮を実現したそうです。

映画やアニメなどで見られる映像にもPFNが関わっているとなると、ある意味数字にさえ置き換えられるのであれば本当に多くの領域で展開できそうですね。

今後も多くの事業領域で活躍が期待

先の実績でもありましたように、「数値」がある世界であればPFNの活躍場所であると言えます。

彼らの技術発展を願いつつ、より近未来化した世界が来ることにワクワクして今を過ごしましょう。



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