育成年代のトレーニングvol.3-プライオメトリクス-
C-I Baseballの佐藤康です。
前回の記事では、
スプリント能力を上げるために求める
「ジャンプ動作と腱の機能」に着目し、
お伝えさせていただきました。
ジャンプ動作は筋力やパワーの向上が期待できる反面、強い運動強度により障害を招くリスクも生じます。そのためには、運動時の適した姿勢や機能、頻度などの負荷設定に注意しなくてはいけません。
ジャンプ動作を行うにあたっては、賛否両論ありますが、今回の記事では、前回の内容に加え、ジャンプトレーニングを行う目的から実践まで動画も交えながら、野球現場で導入する方法をまとめていきます。
■なぜプライオメトリクスに着目したのか?
育成年代に必要か?
はじめに、私がなぜプライオメトリクスに着目したのかに触れていきます。
➊野球の競技特性
➋成長期の基礎運動能力・神経系の発達過程
野球の競技特性より、競技中の攻守場面において、ワンプレーは数秒から十数秒で行われます。また、プレーの場面場面において、瞬間的に爆発的な力の発揮が求められ、それが繰り返される競技といえます。
すなわち、1試合を通してパフォーマンスを発揮し続けるためには、プライオメトリクスの概念が重要な位置を占めると捉えています。
瞬発的な動作が常に要求される運動では、特に筋・腱の瞬間的に引き伸ばされて縮むときに大きな力が発揮される「Stretch-shortening cycle(SSC)
」により、瞬発的な力発揮能力(素早い切り返しや爆発的なパワーの発揮など)の強化が見込めます。
すなわち、SSCを効果的に使うための
トレーニングが「プライオメトリクス」です。
プライオメトリクスに代表されるジャンプトレーニングでは、直接的なジャンプ能力に限らず、さまざまな体力要素を向上させられるとのエビデンスが示されています。
その他、「ジャンプトレーニングにより、下肢の筋力やパワーを向上させる手段としても有効」とされており、「スプリント能力をはじめ、方向転換能力やアジリティにも良い影響を与える」と、さまざまな文献でも多く報告されています。
▶育成年代に導入するメリット
そのような専門的な動きは
「カラダの形態的な成長が落ち着いてきてからではないか?」と問われることもありますが、大人に求める効果とはやや相違があり、成長期の時期から求める重要な要素をまとめていきます。
➊身体形態的側面
➋神経系の発達
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