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育成年代のトレーニングvol.2‐ジャンプ動作と腱機能の強化‐

C-I Baseballの佐藤康です。
7月は中学生・高校生は総体や全国予選があり、最上級生は引退をかけた学生野球の集大成となる大会が連日開催されています。

先日、私も帯同するチームの試合を見てきました。
試合の勝敗を分けたのは進塁やカットプレーにおける細かな差が表れました。ここで感じたのは盗塁などの結果として出るものではなく、結果に見えない打球のチャージや一つ先の塁に進める走塁などの「走る能力」の差でした。

「走れる」チーム・選手の集団は強い!傾向は少なからずあると思います。
やや短絡的な表現になりましたが、学生野球のさまざまなカテゴリーをみさせていただく中で、Warm-upや練習時の走動作は欠かさずチェックしております。その中で走動作につながる基本動作やメニュー(スキップやバウンディングなど)が適切にできていない選手を多く見かけます。

前回の記事では、育成年代に関わるチームのトレーニングの組み立てについて配信させていただきました。今回はその続編として、まとめていきたいと思います。


■走る能力を向上するためには

前回の記事のおさらいにもなりますが、育成年代のトレーニングの関わりとして、神経系発達の著しい時期には特に様々な運動要素の経験が必要であることをお伝えさせていただきました。

↓↓前回の記事はコチラ↓↓

今回のテーマでもある「走る」ことにおいては、この成長期の時期に”走り込み”をすることが適しているとは言えません。そのため、走動作の要素を分解し、その要素を統合したメニューを実践していくことになります。

スプリント能力をあげるにはさまざまな要素が挙げられますが、スタート・加速時における瞬間的な力の発揮については特に重要であると捉えています。

そこで重要な運動の一つに「ジャンプ動作」を挙げています。

ちなみに”ジャンプ力のアップ”となると、筋力の発達や野球の場面での動作の特性からジャンプ力が求められる競技というわけではないため、ジャンプ力を求めることに偏るのはやや間違いがあるかもしれません。

そのため、ジャンプ動作で強化される力の大きさというよりも力の発揮の仕方(地面からの反発に対して強い力を発揮する)を成長期の時期から養うという意でお伝えしています。

■ジャンプ動作

走動作に加え、ジャンプや投動作は神経系の発達の観点からも重要視されており、成長期の子供にとって、1-5秒程度の爆発的・高速の運動が理想的とされています。

成長期では神経筋系に関与するプライオメトリクスと高速の運動によって、運動能力の向上が促進されることが明らかになっています。

アスレティック・ムーブメント・スキル:NAP limited

▶Stretch Shortening Cycle

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