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スタートアップ営業責任者1年目の振り返り〜営業責任者としてGTMを進めるうえで大事にしていたこと〜

こんにちは。「調達のスタンダードを刷新し続ける」をミッションに掲げるリーナーテクノロジーズで営業責任者をやっている高橋です。
来月で事業開発担当→営業責任者になってちょうど1年が経ちます。
スタートアップでのマネジメント経験はありませんでしたが、様々な書籍を参照したり、先輩たちに教えを乞い、代表との未来会議、COOとの1on1でフィードバックをいただきながら、なんとか1年やってくることができました。
この1年間でMRRは飛躍的に伸長し、T2D3を大きく超えるペースで事業を成長させることができています。

あくまで目先の個人目標は、「ゼロから世の中を良くするプロダクトや事業を生み出して、35歳までにARR100億円まで成長させる。」ですし、何より「調達のスタンダードを刷新し続ける」というミッションの達成に向けてはARR100億円がスタート地点だと思っているので、さらなるグロースは今後に期待頂ければと思うのですが、
今回はB2BSaaSスタートアップで初めてのGTM、グロースの牽引を経験して学んだこと(前回のnoteでは失敗を中心に書いたので、今回はやってよかったことにも触れながら)を、もう一度営業責任者としてサービスのグロースをする時の未来の自分に向けてメッセージを書いてみたいと思います。
※未来の自分に向けて書くので少し汚い言葉になったりしますがご容赦ください 🙇🏾

以下のような方に読んでいただけると嬉しいです。

  • もう一度新規事業のグロースを行う時の私(30歳の自分からのメッセージを読んで頑張っていただきたい。各章太字「」内がメッセージです

  • スタートアップで事業開発をしている方

  • スタートアップで0→1の立ち上げに成功し、1→3→10を目指す方(29歳の時の私)

この記事は BtoB事業開発アドカレ 14日目の記事です。前回は 株式会社LayerXのYu Ushirokawa│LayerXによる「事業開発人材」ってどんな人?同じような経歴でも活躍する人・しない人がいるのはなぜだろう?を脳レベルで分解してみた でした。ぜひハッシュタグ「#BtoB事業開発アドカレ」をつけてシェアをお願いします!

前回好評だったバーニングニーズ特定~MVP開発~PMF編はこちら↓

↑の第一弾が想定以上に好評で、各所から第二弾を待ち望む声もあったので、営業責任者・GTM編を書きました。
前回は反省ばっかり書いたので、今回はやってよかったと思っていることを書きます。自分で自分を褒めるスタイルでやっていきます。
未来の自分に書いたメッセージなので、参考になることは少ないと思いますが、今日も頑張ろう!ってなると思うので、是非最後までお読みいただけると嬉しいです!!!!!!!
投稿前日の夜に書き始めたら止まらなくなってしまったので、さらっと読みたい方は太字だけでも読んでみてください。

経験は何とかなる。強烈にカルチャーフィットを感じた方を採用せよ!

1年前、Leaner見積セールスチームは営業2名(私、山下という会社が5人の時からやっている古参2名)とインサイドセールス3名(立野・原・伊藤)でした。
小さなチームで確実にプロダクトマーケットフィットまでたどり着き、なんとか初期のトラクションを積み上げることができました。
結果として、「PMFをするとこんなに忙しいのか!なぜ全社員で毎晩のようにポーカーができていたのか?マジで謎だ!」ってくらい忙しくなりました。
また、事業をグロースさせるために仲間集めをしていくことになりました。
(よくあの人数でトラクションをしっかり積み上げたと思う。気合い入ってた。みんな偉い。)

リーナーテクノロジーズは非常にカルチャーマッチを重視する企業です。カルトです。スタートアップの中でも異質と言われるくらいカルトです。例えば、会社のバリューに「矜持」「不撓」「青春」を掲げてしまうくらいカルトです。脳内少年漫画状態です。少年ジャンプです。
(バリューには結構真面目な想いがこもっているので、興味ある方はご連絡ください。決してジャンプではないです。笑)
故に、カルチャーにマッチする方、マッチしない方は明確に分かれます。
また、私自身も超コトに向いちゃってる人材なので、自分にベクトルが向いている人(コスパ良く働きたいとか、稼ぎたいとか、ポジションが、とか)が率直にいうと好きではありません。”仕事は世の中・お客さまのためにするもん”というポリシーだからです。
そして後述しますが「Leaner見積」の営業は難易度が高いです。これまでの営業経験が使えないくらい新しいことやっているので、新しくチャレンジして生まれ変わりたいって言っている方がフィットします。そんで営業イケてる人。そんな人いるんか?ってなりました。

ものすごく狭き門なのでアンマッチの方との面接が続きました。(これは何とかしないといけないのですがw)
私はどんなにアンマッチな面接が続いても、ビビッと来るまで待ち続けました。待っていないですね。どんどんリファラル・知り合いに声をかけ続けました。
(面接に来られる皆さん優秀なのですが、どうしてもカルチャーフィットだけは譲れません。)
先輩SaaSの事業成長(ゼロ→ARR100億越え)を支えた諸先輩方から言われていた「高橋君、カルチャーだけは譲ってはいけないよ。採用だけは譲ってはいけないよ。」という教えを守り抜きました。
皆のリファラルやHRの頑張りの結果、ビビッときて「この方だ!」と心から思える方に数名お会いして採用することができました。
その中から入社してくれた皆が大活躍してくれています。素直でグリットがあって顧客志向で。本当に一緒に働いていて気持ちがいいです。皆でどんどん世の中変えていけることがとても楽しみなメンバーです。
あの時妥協しなくて本当によかった。

「どんなにうまくいかない日が続いても、CEOやHRに面接で落とした理由を聞かれてプレッシャーをかけられ続けても(笑)、よく強烈なカルチャーフィットを感じるメンバーに会うまで耐え抜いた!ナイスだ!次採用するときも、命をかけてやれよな!候補者も人生かけてるんだ!お前も人生かけろよな!そしてお前は事業を本気で伸ばしたいんだよな?目の前の方は辛い時でも一緒に困難を乗り越えていきたいと思える候補者かい?そうではなけば妥協せずに未来をともに闘う仲間を見つけるまで粘り強く採用活動を続けていくのだ。」

現セールスチーム:5期4Q中締め会

Sales Playbookを整備せよ!

たとえ営業のプロフェッショナルで強烈にカルチャーフィットした方を採用できたとしても、立ち上がらなくてはお客さまに価値を返すことができません。入社してくる方は営業としてプロフェッショナルですが、マーケット開拓型のスタートアップセールス×SaaS×調達は未経験です。(これが本当に難しい。Leaner見積の営業は、日本で1番おもろい営業だと思う。マジで。)

マーケット開拓型のサービスである「Leaner見積」は買い手から見た時に概念として新しいサービスを営業が売っていくことになります。概念として新しいので、買い手は今までの購買プロセスでは合理的に社内合意形成を進めて購買する難易度が非常に高くなります。もちろん導入のために予算が準備されていることはありません。
しかも「Leaner見積」が対象としているのは、日本を支えてきた超大手企業×製造業です。その意思決定プロセスは超複雑です。
「ソーシング(見積業務)DXクラウドの導入」と言われると、「調達部が使うシステムなので調達部長が決裁してくれれば導入できそう」ですよね。
はい。そんなに甘くないです。設計・開発・生産管理・情報システム・法務etc. 複数部門の合意形成を行わなくてはいけません。

これはあまりにも有名な画像ですが、まさにこんな感じですよね。白い巨塔です。
参照:Gartner Says the Marketing-to-Sales Handoff Should No Longer Exist

このプロセスをゼロから体験して、成功パターンを試行錯誤してきたのが私です。
この体験、新しく採用した各営業担当がまたゼロから体験していたら1年経ってしまいます。それはお客さまの調達DXが1年遅れることを意味します。罪深いです。

そのため、これまでの2年間で導入いただいたお客さまへのインタビュー、意思決定の経緯・プロセスを言語化してSales PlayBookに落とし込みを実施しました。
落とし込みにあたっては、営業として2023年1月に入社した井田さんに協力いただき、私に対して営業プロセスのインタビューを実施するという形式を取りました。時間がない中でひとりで書くのはしんどいので、聞いてもらって言語化するスタイルにしたという背景です。
また、実際に自分が営業をすることを想定したときに気になる観点について質問をしてもらいながら、インタビューと同時にLeaner見積の営業についての解像度をあげてもらいました。
こうしてSales PlayBookを作成した結果、今年入社した営業の梅田さんは大手企業×製造業×マーケット開拓型サービスという非常に難易度の高い営業にも関わらず、入社から39日で受注をすることができました。サンキュー!(たぶんまだ最速だと思う)
他の営業も入社4か月でMRR100万円越えの受注を取ってくるなど、早期に立ち上がって大活躍してくれています。

「営業担当のパフォーマンス支援!育成!とか言う前に、まずは売れる(買ってもらう)プロセス・顧客がどう判断して意思決定しているかを言語化してSales PlayBookに落とし込んだのは超イケてる!ナイス!バンバンイケてる!次もターゲットを広げたり、新しい価値が増えたり、プロダクトを立ち上げたときは、自分がやってきたことを言語化してSales PlayBookに落としていこうな。売れる仕組みづくりや!バイヤーイネーブルメントや!」

自分を計画に入れるな!お前が売れることはもうどうでもいい、仲間を信じて任せていけ!

先日、大谷翔平がARR100億に到達したことが話題になりました。しかもT2D3を上回る圧倒的なスピードです。さすがにやりすぎだと思いましたが、冷静にT2D3もやばい速度と成長率です。
まっじで売れなかった、刺さらなかったプロダクトを一生懸命PMFさせて、やっとこさトラクションを積み上げてきて。これまで死ぬ気で積み上げてきたMRRを次の年は3倍(私が掲げたOKRは4.5倍)にしようと。アグレッシブで最高の目標ですよね。こんな恐ろしく高い目標を目の当たりにすると、どうしても自分をスタメンに入れたくなるものです。営業に自信があればあるほど。
ただ、私は自分をスタメンから外す意思決定をしました。苦渋の決断でした。

実際に次期の計画をCOOに提出したときも、「健太も案件持ったほうがいいのでは?」というフィードバックをもらいました。
もちろん考え抜いた戦略・戦術で、3倍~5倍成長をさせるイメージはあったのですが、たしかに不安なことがありました。
「新しく入ってくる方全員売れなかったらどうしよう。」
何度か過りました。いや、何度も過りました。
おれも何件か保険かけて案件持っておこうかな。と。あとは純粋に自分が営業するのが大好きですし、自分で案件をもって営業をやりたい自分もいました。リアルには。(笑)

ただ、目的はお客さまに対して価値を提供して、ミッションである”調達のスタンダードを刷新し続ける”ことです。冷静に考えて1億円×1名=1億円、3,000万円×6名=1.8億円、そういうことです。
そのためには、自分が採用したメンバーを信じることです。”このメンバーだったら最悪失敗しても許せる!”そう思って採用したのであれば任せろ!と心の中のリトルケンタが言ったのです。

「COOに”健太も自分で案件持っておいたほうがいいのでは?”という問いに対してメンバーを信じて任せたところはカッコイイで!イケてる!お前が実現したいことはお客さまの成功・事業を伸ばすこと。お前が売れるとか売れないとかどうでもいい。常に自分を計画に入れずに達成できるようにしていこうな。スタメン俺!とか言っているうちは世の中なんて変えられないぜ!」

経営とメンバーを繋げ!セールスチームの役割を定義し、発信し続けろ!

入社したばかりのメンバーはやる気と営業の経験はありますが、事業に対する理解・お客さまに対する理解・組織に対する理解が浅い状態です。
また、これらに加えてスタートアップが初めてのメンバーにとっては”自社がどのステージにいて、今のステージで何をクリアにしなければならないのか、そのために何に取り組みをしなければいけないのか”がわからない状態です。
もう少し具体的にいうと、当時のリーナーテクノロジーズはシリーズAの調達が終わったばかりのタイミングでした。
「シリーズAの調達が終わったタイミングで、今回のラウンドでは○○を目指して、○○に取り組んでいきます」と言われても、スタートアップが初めてのメンバーにとっては「しりーずえー?」という感覚だと思います。

そもそもスタートアップのステージの概要がわからない。また、そのうえで”シリーズAのマイルストーンとして自社がどんな課題を解いていこうとしているのか”いきなり理解することは非常に難易度が高いことだと思います。
一方で、比較的アーリーなフェーズでチャレンジしてきてくれたメンバーの皆には、せっかくなので当事者意識をもって自分が事業を前に進めていることを実感してもらいたいと思っていました。
そして、自分が行っている業務が会社として取り組んでいるどの課題に直結しているのかがクリアになっていることで、悩むことなく目の前の仕事に、お客さまに向き合えると確信していました。

そんな想いから、COOと相談のうえ、2点の取り組みを実施しました。
1点目は、シリーズAのマイルストーンをMiroで可視化すること、その可視化したマイルストーンを週1回のセールス定例で共有し続けました。
セールスチームの会議体全体を見直し、セールス定例は共有に振り切ったMTGにしました。あのinternalが嫌いで共有のMTGは全部なくなれって言っていた私がです。(笑)
2点目は、社内ラジオ【エイチムーン】を企画しました。
毎月1回、COOに時間をいただき、事業のあれこれをラジオ感覚で聴けるようにしました。私がバナナムーンが好きだったので月曜日開催です。そのうちゴールドにして金曜日にします。

「マジで”シリーズAのマイルストーン”をチーム内に浸透し、なぜやるのか、何をやるのかの意味づけを行ったのは超クールな取り組みだったぜ!スタートアップの営業はイノベーションの伝道師!売るだけが仕事ではなく、事業のマイルストーンの達成を推進する事業開発担当!役割は多岐にわたるんだ!目まぐるしく状態が変わるスタートアップにおいて、皆に”今何を解いているのか”を伝えて意味づけしていくことは超重要!引き続き頼んだぜ!」

メンバーに前提を共有するうえでは、リーナーテクノロジーズに出資いただいているグロービス・キャピタル・パートナーズのエムレさんの記事も活用させていただきました。

お前が1番達成を信じろ!自分で掲げたOKRに対して最も執着しろ!1番気合いを入れろ!

リーナーテクノロジーズに入社してからずっと走り続けてくる中で、初めて目標にコミットメント出来ていないような感覚になることがありました。夏くらいです。
(一生懸命やっているつもりなのになぜかコミットメントしている感覚にならない不思議な感覚でした)
常に複数のアジェンダを掛け持ち(Leaner見積のグロース、Leaner購買の立ち上げ、採用、組織etc.)することで、ひとつひとつのアジェンダに没頭しにくくなっていたのかもしれません。
同じタイミングで、Leaner見積のグロースに少し陰りを感じ始めることになります。グロースを開始した最初のQは順調にMRRが伸びていましたが、次のQで落ち込む気配を感じたのです。
具体的にはメンバーの行動量が落ち始めたのです。毎日見ているダッシュボードの行動量が明確に落ちはじめたので、きっとメンバーもなんとなく停滞感を感じていたんだと思います。

その時私は直感的に「このままだとまずい」と思い、直感を信じて大胆に組織体制、戦略、戦術を変えました。
経営陣に了解を得て、自身のリソースをLeaner見積のグロースに全集中し、また、メンバーの適正に合わせてユニット体制(Enterpriseユニット、MMBユニットと企業規模で分けたり)も変更しました。
結果として、行動量は改善どころか引きあがり、活気を取り戻すとともに、MRRの成長率もどんどん上がっていきました。
まあなんか真面目にいうと、よく考えていろいろやったのですが、たぶん大事だったのは自分が1番目標達成に集中できるようにすること、目標達成に向けた解像度が誰よりも高くなること、結果として会社で1番達成を信じていること、そして何より会社で1番気合いを入れていること。このあたりです。営業責任者が1番達成を信じて、1番気合いが入っていないといけない人間ですからね。

「B2Bのスタートアップにおいて、営業責任者が1番気合い入ってなくてどうするよ。お前が掲げたOKRは死ぬ気で達成にコミットしろよ。そうだろ?顧客へのコミュニケーション、行動のスピード、ヨミに対するコミットメント、絶対にお前が1番であり続けような。無理に気合い入れてるなと思ったり、自分より気合い入っているやつ・自分より事業を成長させたいと思っているやつが現れたらそいつに譲れよな。」

前職のカルチャー、経験に感謝せよ!ヨミの精度を磨き続け、フォーキャストを死守せよ!

私は前職のおかげで幸いにも”営業が強い会社のスタンダード”が身についています。
例えば、新卒の時から以下のようなコミュニケーションが頻発し、ヨミの重要性、達成に向けた計画策定、足りなさそうな場合のリカバリー案検討など、基礎的な営業行動が叩き込まれるので、自然とヨミの精度も上がります。2年目になるとブラザーとして1年目の案件相談もできるようになる。これが前職のカルチャーでした。

  • 営業:「申込書回収できなさそうです」

  • マネージャー:「なんで?事実と意見分けて報告して」

  • 営業:「〇〇で、〇〇で、〇〇で…」

  • マネージャー:「結論は?」

  • 営業:「〇〇です!」

  • マネージャー:「わかった。それでリカバリーは?」

  • 営業:「〇〇のスケジュールを〇〇で少し前倒しできそうなので、そこでなんとかリカバリます」

  • マネージャー:「OK」

一方で、Leaner見積の営業は経験が浅かったり、前職の営業スタイルが異なったり、(5年スパンとか)様々な理由で営業の基礎的なチカラが不足している状態でした。
スタンダード・理想的な状態と比較すると正直精度が低かったです。
いいプロダクトがあっても営業が強くないと世の中は変えられないので、お客さまの検討をリードし、早くお客さまが改革を進められるようにプロジェクトをマネジメントできるようにならなくてはなりません。

そこで私が取り組んでいることは大きく2点です。
まず1点目は、ヨミを外してはいけない、フォーキャストは死守する、外れそうならリカバリー案件を何とか作り出すという文化を作ることです。これは啓蒙しかないので、毎日何回も言い続けています。
2点目は、ヨミ会によって基礎的な営業を体に染み込ませることです。具体的には、ヨミ表のフォーマットを規定して、スケジュール・ネクストステップを解像度高く書くこと(書くことで整理される)、そのうえで、全員でFBをしながらヨミ会で精度を上げていくこと。
これをやり続けています。
まだまだ私が考えるスタンダードには程遠いですが、少しずつ、営業も理解・腹落ちして取り組み始めている気がしています。文化醸成からスタンダードレベルに持ってくるまで来年以降も継続していこうと思っています。

2023年11月の締め週の発信。楽しくやってます。
※エキサイト団=締め会のコンテンツ班(前職の名残ですw)

未来のパイプラインを確保し続けるためのSAM拡張に投資せよ!

Leaner見積は、見積業務をデジタル化していくSaaSです。企業であればどんな会社でも行っている「買い物」のうち、「どこから、何を、いくらで買うのか」を決める工程をデジタル化するSaaSですので、ホリゾンタルSaaSです。
しかし、同じ「買い物」でも、買うモノ(材・サービス)が変わると、買い方が変わります。買い方が変わると業務プロセスが変わります。業務プロセスが変わるとペインが変わります。
わたしはPMFに辿り着く過程で、ペインが最も深い=バーニングニーズを抱えたセグメント(大手製造業のとあるセグメントのとあるペイン)を見つけて、そこに対してリソースを投下してきました。
かっこよくいうと、マルチバーティカルってやつです。カミナシさんがよく発信しているように思えます。

特定のセグメントでPMFをしていても、Leaner見積で”世の中すべての見積業務をデジタル化すること”ができません。また自社の視点では、今期の目標達成はできるが、翌年以降の継続的なグロースはできません。
そのため、SAMを拡張し続けなくてはならないのです。これもシリーズAのマイルストーンのひとつです。

そこで実際に取り組みしたことは大きく3点です。
1点目は、有効商談の定義をさらに明確にすることです。これまでも有効商談の定義はありましたが、さらに5つの項目(ちょっと言えないのですが)を定義して、合致する商談を有効商談として再定義しました。
2点目は、現在のターゲット以外から上記で再設定した有効商談を取ること=ターゲット探索の取り組みです。これまで積極的にアプローチしてこなかったが、Leaner見積を使ってくれているユーザー様のペインを言語化しながら、ターゲットを探索しました。
3点目は、無効商談に対して売れるようにすること、即ち、プロダクトの進化です。私たちの失注理由は中身を聞いた方が驚くくらい細かく明確に分けられています。(これも言えないですが、毎Q失注理由振り返り会を実施して磨きこんでいます。)
その中で見えてきた失注理由をもとに、新しいプロダクト・機能を2つ規定しました。もう、明確にこれだ!と決められるのはこれまで数多くお客さまに会い、しっかりと失注理由を蓄積してきたからです。(取り組む優先度はロードマップ会で決定しています。)
こうしてわたしはまた何度目かの”バーニングニーズを特定する”というプロジェクトをやっていくことになります。

「少し遅かったけど、翌年のことを考えてSAM拡張に自分のリソースを投資したことはいい判断だったと思うぜ!少し遅かったけどな!(笑) マルチバーティカルにマーケットにアプローチをしているんだから今後も延々と続いていくからな。常に未来の売上・未来のお客さまの成功を考え続けるんだぞ。プロダクトの価値を高めていくことが最も重要!思い出せよな、スタートアップに飛び込んだ頃の気持ちを!”営業のチカラを使って世の中変えるプロダクトを創る”って言ってたよな?プロダクトだぞ!プロダクト!」

毎週金曜日にTimes Kentaに投稿されるリマインダーです。
HubSpotから煽ってもらっています。

お客さまに刺さるプロダクトを売れる喜びを噛み締めて、毎日を楽しめ!

私はバーニングニーズを特定し、MVPを作り、1社目のお客さまを受注するところからグロースまですべてを最前線で担ってきました。
特に、PMFを迎えるまでは、がむしゃらに”お客さまのためになるプロダクトを創る!”その一心で頑張り続けていました。
振り返ればとても充実した日々で本当にかけがえのない2年間だったのですが、もう一度やりたいかと言われるとすぐに首を縦にふれません。笑

そんな時代を乗り越えてきたからこそ、誰よりも今のプロダクトがお客さまに刺さること、お客さまに価値を返せることに喜びを感じることができます。これはゼロから立ち上げた人の特権だと思うのです。

「マジで1ミリも刺さらなかったあの頃を思い出せよ!そうだろ?今のプロダクトはお客さまに刺さるじゃねええか。そしてお客さまが喜んで使って、さらに期待してくれているじゃねえか。お客さまから”Leanerが生きる意味になりました”って言わせるくらい、いい仕事してきたと思うぜ?誰よりもマーケットとお客さまにボコボコにされてきたのがお前だろ?誰よりも今を楽しもうぜ!働くを楽しもうぜ!」

最後に: 一緒に世の中変える事業を創っていきましょう!

私はまだ世の中を変えていないけど、少しばかりスタートアップをやってきて感じていることがあります。
それは、”せっかく生きるのだから、世のため人のために生きたい。少しでも世の中に貢献したい。シンプルにありがとうって感謝されることが1番心が豊かになる瞬間では?”ということです。

私はこれからも、このLeaner見積で世の中を大きく変えていくことにチャレンジしていきます。
記事を読んでいただいて少しでも興味を持っていただけた方はご連絡いただけますと嬉しいです。

最後まで読んでいただきありがとうございました!
そして少し早いですが、2023年も大変お世話になりました!
お客さま、チームメンバー、家族、いろんな方に支えられて1年間やってくることができました。
2024年もさらに飛躍できるよう、尽力してまいります!
よいお年をお迎えください。

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