「UXは儲かるの?」という疑問に対して「儲かるよ!」という話
猫も杓子もUXという時代になって久しく、個別に見ると玉石混交も様々ありますが、さすがに企業がUXに投資することについて一定の理解というか定着が進んできたと思います。
ただそれでも「UXにお金を掛けても儲かるの?」という疑問の声はまだよく出てくるのではないかと思います。
UXという概念というかキーワードは定着したものの、まだトレンドとして言葉だけが先行していて、UXに注目はするけれど、その効果には疑心暗鬼という人も一定数はいるのではないかと思われます。
結論から書きます。
UXは儲かります!
なぜUXは儲かるのか?
これも先に結論を書きます。
UXとは相手を幸せにすることだから。
UXとはユーザ体験であり、ポジティブなユーザ体験とは言い換えれば幸せな体験と言えます。
・何かの製品を使っていて便利だな!と感じたとき
・お店で自分の要望にピッタリの商品を見つけたとき
・痒いところに手が届くサービスを見つけたとき
・レストランですごくおいしい料理に出会えたとき
・遊園地で楽しい体験ができたとき
・感動的なおもてなしを受けたとき etc.
これはすごく幸せな瞬間であり、体験であるはずです。
そして、そんな商品やサービスを提供を提供してくれた相手(企業など)に好意的な感情を抱くはずです。
次の機会でもその企業の商品やサービスを選んでみようかな、と思うはずです。なぜなら、またポジティブな体験をしたいから、幸せになりたいから。
商品もサービスも選択肢が少なかった時代は、良い体験の有無以前の話として、その商品やサービスを選ぶしかありませんでした。
しかし今の時代は、大抵の商品やサービスには選択肢が存在します。
代替手段があるということです。
そんな中で、競合商品やサービスの中から、自社を選んでもらうとしたら、それはUXであるはずです。もちろん、圧倒的な性能や他の追随を許さないサービスなら、話はまた別です。でもそういう商品やサービスもいずれは代替手段が生まれ、コモディティ化していきます。それが進化というものです。
コモディティ化の中で、明確な選択理由となるものがUX
人を幸せにすること。人を幸せにできる企業であること。
これ以上の競合優位性はないのではないでしょうか。
但し、だからこそ、そのUXは本当に人を幸せにするのか?
ということが重要です。
UXは決して装飾性を指すものではありません。
否、その装飾性が人を幸せにするなら、それもUXです。
ただ、装飾性や表層的なものだけがUXの範疇ではありません。
有形であれ無形であれ、その商品やサービスを選ぶかどうか吟味しているとき、有形なら触れたとき、そして実際に使ったとき、そして使い終わったとき、それぞれの段階において「幸せ」を感じられるのかどうか。
もっと言えば、その商品やサービス単体だけではなく、その周辺にある広告などを含むメッセージや企業姿勢、クチコミなどの周辺情報に触れたときにどのような感情を抱くのか。魅力的でワクワクさせたり、期待させたり、信頼感を抱いたりさせられるのか、そういったものすべてがUXの範疇です。
人は感情の生き物であり、商品やサービスの良さを判断する際には、意識する・しないに関わらず、非常に多くの情報を受け止めて、処理して、その結果として幸せを感じたり、逆に残念に感じたり、もしくは何も感じなかったりします。
その感情のすべてをコントロールすることはできないにしても、そういう感情の結果としての選択が行われている以上、「よい商品やサービスを作る」ということは、その商品やサービスの開発工程の中にUXという要素を介在させることは必然と言えます。(そもそもUXという言葉が生まれるずっと以前から、本当に優れた商品やサービスにはUX起点でのデザインが行われていました)
「コントロール」と書きましたが、UXは優れていない商品を優れているかのように偽装する後付け的なものではなく、そもそもの商品やサービスの開発工程の時点から、UX起点での発想があり、試行錯誤があり、その結果、結実したものがUXデザインされた商品やサービスとなります。
まとめ
結論はすでに書きましたが、
UXは儲かるのか?
という疑問については、多くの人を幸せにできる企業は多くの人から支持されることになり、結果として儲けることができる、ということは間違いなく言えます。
機能や性能が充実していることは本質ではなく、実際に使うユーザにとって幸せを実感できる機能や性能を備えているかどうか。
食べ物がおいしい、という話も「おいしい」には個人差があるので、実際に食べて欲しいユーザがおいしいと感じられることが重要です。
それを見定めて、そのユーザにとって優れた商品やサービスをデザインする。こう書いてしまうと当たり前なことですが、ちょっと気を抜くと「ユーザにとって」が「自分(自社)にとって」に置き換わってしまうのが世の常です。今も昔も本質的なUXに取り組む企業だけが成長を続けることができるはずです。
そして、本当に届けたいユーザにその商品やサービスが実際に届くようにする手法がマーケティングですね。(欲しくもない商品やサービスを押し付けるのはマーケティングの失敗)
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