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Figurout起業ストーリー~なぜ「資本主義のアップデート」を目指して「IRのDX」を行うのか~(前編)

こんにちは、Figurout 代表の中村です。
私は表題の通り「資本主義のアップデート」をパーパスに、「上場企業向けIRのDX Saas」を展開しています。

2021年10月に会社を立ち上げ、あっという間に2年が経ちました。
7月からサービス有料版もローンチし、拡大フェーズを目指すこのタイミングで、「なぜ、ファイナンスやIRのプロでもない私が、このような事業を立ち上げようと思ったのか」、創業理由をお伝えしてみたいと思います。

知人からは「お前の投稿はカロリー高い」との指摘を受けたりするので、今回はライトに書こうと思いつつ、結局いつも通りカロリー高めでお届けしますw

長くなるので、
前編:なぜ私が「資本主義のアップデート」をパーパスに起業しようと思ったのか
後編:なぜ「IRのDX」で資本主義のアップデートが実現できるのか
という形でお届けします!


なぜ私が「資本主義のアップデート」をパーパスに起業しようと思ったのか

まずは自己紹介

Figuorout CEO中村 自己紹介スライド

キャリアとしては見ての通り、基本ずっとマーケティングに携わってきており、IRやファイナンスといった「企業と投資家」にかかわる部分の経験は、Figurout を立ち上げるまでほとんど経験してきてはいません。

新卒で入社したCBホールディングスでの経営企画としての経験や、前職プリンシプルでのM&A(出資側)や資本業務提携(調達側)に携わった経験、また大学時代からちょっとした株式投資をやっていたことなどの "点" がつながり、このFigurout の事業は立ち上がったのかな、と思っています。
スティーブ・ジョブスの "Connecting the dots" は私の好きな言葉の1つです。

根っこは本質知りたがり

大学受験の際は理学部か哲学やるかを悩むような、「本質追及型」タイプ。
理系の大学教員だった父親から、「なぜ世界はそのようにあるのかを問う姿勢」と「自分が社会に対して何をもたらすのか」ということを問われて育てられてきたことが、今の自分に大きな影響を与えているように思います。

一方、どちらかというと考えすぎて行動ができないタイプで、「割り切って成果のために行動」といった仕事へのスタンスは、キャリアの中で後天的に身につけたスキルです。

理学部での研究への道、人材業界、マーケティング、ファイナンスと全然異なることをやっているようですが、

  • 理学部(なぜ自然法則はこうなのか)

  • 人材業界(人はなぜそう働くのか)

  • マーケティング(人はなぜそのように消費行動を行うのか)

  • 資本主義のアップデート(なぜ今の社会はこのような構造なのか)

と、「なぜ今世界はこのような仕組みで動いているのか?」という問いと、「こうすればもっと最適化できるはず!」という自身の気づきが、はたらくことに対する内発的動機なんだと感じます。

資本主義との対峙と疑問

これまで、資本主義に対して考えることになった契機はいくつかあります。

  1. 生物学としてのゲーム理論と進化論(競争原理と互助原理の生存への有効性)
    →人も「動物」であるということが前提。適者生存という自然社会のルールの中にいる。群れの中の競争優位を得ることのメリットと、競争によってお互い消耗するのは共倒れ、という構造が、個人間、群れの中、種間、地球全体で入れ子構造で起こっている中で、資本主義はその最たるもの。

  2. 大学時代からの投資経験
    →友人が「株で儲けている」という話を聞いて株を始めてみた(根はギャンブル好きw)。色々失敗も経験。。

  3. 新卒で入った会社での上場準備
    →上場準備(規定やSOなど)を整えているフェーズの会社の管理部門側で(結局上場せず)、発行体側の上場に対する思惑とその大変さ(稟議・ルール面倒、リーマン等の外部要因に振り回される、etc..)と上司らが向き合っているのを遠くから眺める

  4. マーケターとしての経験
    →人は理屈で色々考えるけど、最後は感情で決める。人の「考え」ではなく「行動」というファクトを観察し、その裏にある情動に答えがある。
    理想論ではなく、欲・本能に動かされながら、それでも賢く考えてその行動を制御していくべき。(正論で社会は動かない)

  5. プリンシプルでの経営陣としての経験
    →経営陣として株も少し持ち、予算策定や資本戦略(M&Aや資本業務提携)にかかわる中で、株式会社のKPIが「投資家の利回り」を出発点としていることへの気づき

  6. エンジェル投資家としての経験
    →業務の中でM&Aに携わることになったタイミングでの知人からの話を契機に「出資する側のパラダイムを経験してみよう」という動機で8社ほど出資。この「株主として会社にかかわる」という経験と、「上場株を売買する」ということのギャップを通じて、「株主の在り方」を考えるきっかけに。

  7. 仏教的思想
    →昔から仏陀の原始仏教的な思想に惹かれるところがあり、「結局"人がどう感じるのか"の中に世界があり、欲望に振り回されるのではなく、本質的な幸せに向き合いやすい社会の状態、制度」を目指すことがよりよい社会制度の在り方では、という思い。

以上のような経験と思いがつながり、2021年10月に株式会社 Figurout を設立いたしました。

資本主義の課題とアップデートのイメージ

Figuroutは、「人の人生の目的は、"幸せな人生を送ること"であり、社会が目指すべきは"人の幸せの総量を増やすこと"だ」という思想をベースに考えています。
それを起点として考えた際の現状の資本主義の課題は以下のようなものだと考えています。

資本主義の課題

  1. 「経済価値」が最適化されるシステムであり、その経済価値を享受する「人の幸せ」を最適化する構造が取り込まれていないこと

    • 資本家に富が集まり、基本的に格差の広がりが助長されていく力学構造になっている

    • お金が人にもたらす価値は収穫逓減。年収300万円の人と年収1億円の人とで、「100万円」というお金がもたらすことができる感情価値(幸せ)は大きく異なる

    • AI、DXなどにより労働の価値が相対的に下がる中、労働分配率が下がっている。(むしろ労働分配率が低い≒利益率が高い ところに資本が集まる)

  2. 企業が「投資家への金銭リターン追求組織」になりやすい

    • 本来社会の公器(機能性コミュニティ)である企業が、「経営者を株主が決め、株主は投資への金銭リターンを求める」という構造により、企業にとって本来は単なる結果指標であるはずの利益が「目的」となってしまいやすい。(「社会の公器性」に対するガバナンスではなく「株主利益のガバナンス」になりやすい)

    • 企業が大型化することにより、経営者に対する評価、動機付け機能が社会コミュニティではなく、組織コミュニティの比重が高くなるため、株主の意向が反映されやすい。

  3. 経済思想のはずが、社会思想にまで影響を及ぼしている。(経済の目的化)

    • 日本のように強い宗教のない国では、法律と道徳の影響の及ばない「価値観」が経済思想の配下になりやすい。(お金のある人、稼ぐ力がある人が偉い)
      (逆にそういう国が経済発展しやすい??)

    • 労働の大半が資本主義の中に組み込まれることにより、社会人として学ぶパラダイムが過剰に経済最適化されている。

ではどのようにアップデートすればよい?

正論を元に社会を変えるのは難しく、人の欲求の力は強いです。
共産主義が潰え、資本主義がこれだけ栄華を誇るのもその「人の欲求の力」に乗っかっているから。であれば、その「人の欲求の力」を正しい力で活用して、投資家の「お金持ちになりたい」ではなく「幸せになりたい」に応える資本主義に変えることができれば、社会は自然に今より良い方向にいくのではないでしょうか。

寄付も、「金銭リターンゼロの投資」と言える

お金持ちになった人は、それ以上お金が増えても幸福度はさして変わらないので、多くの人は何らかの社会貢献に興味が移る。(承認欲求のこともあれば自己実現欲求の場合もある)
「投資を通じた社会貢献」や、「投資先を育て、応援する楽しさ」を"実感"できるようになれば、「金銭最適化」の社会から「幸せ最適化」の社会に、資本主義のパワフルな最適化機能そのままに移行できるのではないのかな、と。

現に、Z世代以降はすでに「お金」に対する関心を失い、「共感」や「社会貢献」をその行動理由にするようになっています。同世代の中で幸せに生きられるパラダイムは、お金ではないのだから。

SNSやクラウドファンディングをはじめとした、「応援経済」ともいうべき、お金ではない価値観を取り込んだ経済圏も少しずつ広まってきています。この「応援経済」と「資本主義」が混ざり合った社会が、「新しい資本主義」ではないでしょうか。

今の若者世代が社会の中心を担うようになったとき、社会の価値観がかわっていることは間違いなく、それはこの先20年以内に起こるはずです。

40歳を目前にした私は、この先のビジネスパーソンとしての残りの20年間を、この「資本主義のアップデート」という大きな社会変革の実現に捧げることを決意し、株式会社Figurout を立ち上げました!

不安もありましたが、背中を押してくれたのは高杉晋作と吉田松陰のことばです。

おもしろき こともなき世を おもしろく    高杉晋作

成功するせぬは、もとより問うところではない。それによって世から謗されようと褒められようと、自分に関することではない。自分は志を持つ。志士の尊ぶところは何であろう。心を高く清らかにそびえさせて、自ら成すことではないか。  吉田松陰


まだまだ先は長いですが、志をもって、おもしろく生きられるよう、引き続き頑張ります。

Figurout CEO 中村研太


後編はこちら


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