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映画ドラえもんの観直しレビュー Part.6

Part.5 の続き。
今回は新ドラのリメイク作品ではないオリジナル作品 5 連チャン!完全初見が多いので感想もちょっといつもより長め。

のび太の宇宙英雄記スペースヒーローズ

さて、新ドラは今まで過去作のリメイク版しか見てこなかったのだけど、ここでオリジナル作品を初めて観てみた。
作画のタッチが最近のテレビアニメ版と同じ感じ。新ドラになってから暫くは手書き風のタッチが多かったが、どこかの作品からテレビアニメ版と同じタッチになってるっぽいな。
オープニングがドラえも〜ん!とのび太の叫びから始まらないだと…!?今作はそのセオリーを外してきたらしい。
序盤でジャイアン、スネ夫、しずかちゃんがヒーローものの自作映画を撮るシーンがあるが、しずかちゃんよくこの話にノッたなとちょっと思った。いかにも男の子の遊びって感じだけどな。
ドラえもんは 22 世紀のロボットなのに、この時代の子供向けヒーローアニメにガチハマりしてて笑った。のび太がそういうのにハマってたら子供っぽいよというキャラだったと思うのだが。
今作はドラえもんのひみつ道具のお陰でみんなヒーロースーツみたいなものを着ていて、本物のヒーローのような力を発揮できるようになっている。
のび太は何故かあやとりの能力で全く役に立てないのだけど、最後にラスボスをその能力で倒してしまう…のだけど、結局あの能力なんだったんだろう。さんざんあやとりの力がどんな風に役立って活躍するのか引っ張ってたけど、結局よく分からない能力で倒してしまった。しかもラスボスあっけないし…。ちょっと雑だったなーその辺。
スネ夫は途中でいつものように事態に怯えるのだけど、あまりに身勝手過ぎでは…と思う発言をしてたな。
個人的にはこの映画はしずかちゃんが一番活躍してたと思う。あとかわいい。ジャイアンは母ちゃん直伝のビンタ攻撃を駆使して戦ってて面白かった。

のび太の南極カチコチ大冒険

序盤からのび太とドラえもんがひみつ道具の氷細工ごてを使って南極の氷を自在に加工し始める。めちゃくちゃ良いじゃんこの道具!氷を加工するの凄い気持ち良さそうだった。
というか、こののび太とドラえもんが道具を使って、地球上で子供ながらの夢のある事をして映画が始まる感じ、雲の王国とかの旧ドラでよくあった流れだよなぁと思いながら観てた。この流れがやっぱり大好き。ドラえもんだなって感じなんだよ。
ちなみに今回もオープニング前のドラえも〜ん!の叫びは無かった。あれもしかして古い映画のリメイク版にしかないのかな?
物語が進んでいくと、ドラえもんは今ここにいるにも関わらず、南極の氷の中から石像姿のドラえもんが発見され、それが後のタイムトラベルものの伏線となるのが魔界大冒険に似た流れを感じるが、またちょっと違った感じだった。
途中でドラえもんの偽物が出てきて、本物は口を開けられない魔法をかけられて喋る事ができなくなるのだが、その描写が結構生々しいというか、ドラえもんかわいそうだな…と普通に思ってしまった。
ゲストキャラクターのカーラもハツラツとしてるけど故郷を救うために一生懸命な女の子で良かった。のび太と最後に力を合わせたシーンも良かったよ。
後半でみんなにピンチが訪れた時にドラえもんだけみんなとはぐれてしまい、ドラえもんはもちろん、のび太たちも結構なピンチになってしまう展開があるのだが、ドラえもんの機転を利かせたアイディアでこのピンチを乗り越える様子は良かったなぁ。旧ドラでも何作かあったけど、ドラえもんだけいなくなってしまう展開はドキドキさせられるよね。
ドラえもんとのび太の友情もとても感じられた作品で、観終わってみれば普通に面白かった!ドラえもんが 1 人で奮闘せざるを得ないシーンがいくつかあったけど、それが逆にのび太たちとの絆を強く描いていて感情を揺さぶられた。
ジャイアンとスネ夫は途中でカーラにいきなり冷たくしすぎ。

のび太と緑の巨人伝

新ドラ映画は公開 1 作目、2 作目は昔の映画のリメイク作品が続けて公開され、3 作目のこの緑の巨人伝で初めてのオリジナル作品が公開された。
映画ドラえもんではあまりネガティブな事は言いたくないのだが、この作品に関してはずーーーっと気になる事が 2 つあった。
1 つは、芸能人・子役の素人声優がとても多いこと。物語が進んで新キャラが出てくるたびに増える。プロの声優の方が少ないのではと思うほど。
正直、たくさんの素人声優の演技が気になり過ぎてストーリーが頭に入ってこない…。
2 つめは、今回のお話は原作にもある「さらばキー坊」を原案としているので、動く苗木であるキー坊が出てくるのだが、そのキー坊がずっとキー!キー!と鳴いているので、正直うるさい…。鳴かせ過ぎだと思う。
しかもそのキー坊の声も素人子役声優なので、余計に気になるのだ。途中からあーうるさいなーって思ってしまった。この 2 点が観賞中ずっと気になって残念だった。
お話に関しては、のび太のママはいつもペットを飼うのを反対しているが、今作ではペット的存在にデレデレしている珍しいシーンがあり、思わず見ながらへぇ!と言ってしまった。
序盤はキー坊との出会い、中盤は宇宙人に攫われて逃亡、後半はジブリって感じだった。
この作品、いろいろ説明不足な感は否めなかったかなぁ。
序盤でのび太とキー坊はタケコプター無しにいきなり空を飛ぶけどなんで?と思ったし、緑色のタケコプターみたいな物は何だったのかもよく分からなかったし、リーレとドラえもん達、なんで歩き続けてるんだっけ?もよく分からなかったし、キー坊がいつの間にか緑の使者とかになってるのもなんで??と思った…。
ただこの映画、背景の描写はとてもキレイだった!原作やアニメではなかなか出てこない田んぼの風景などもあって丁寧に描かれていた。のび太の住んでる街は練馬区の設定なので、そう考えれば田んぼがあっても違和感はない。
色々書いたけど、どうにも物議を醸す作品だったな…という感じ。初めてのオリジナル作品で気合い入ってたのかもだけど、纏めきれてなかったな感が拭えない。

のび太の宝島

気を取り直して!
タイトルがめっちゃシンプルすぎる。
公開時に結構話題になってた作品。確か興行収入が No.1 になった作品だったかな。メインビジュアルが良くて、そっちでも話題になってた気がする。
序盤でのび太が夢で海賊船の船長になっていたりするのだが、しずかちゃんの衣装がなかなか攻めてるなって印象だった。
同じ原作を元にしてるので、のび太が宝島の地図で宝島を一発で見つけてしまう件は、のび太の南海大冒険と一緒。
いつものメンバーで海に出る 5 人だけど、途中でしずかちゃんが海賊に攫われてしまう。そこで 4 人とは別にしずかちゃん目線でもストーリーが展開されるのだけど、そこで海賊側の事情や登場人物なども分かってくる。
尺もそれなりに取って描写してくれるし、この映画ではしずかちゃんも主人公だなと思えてくる。
セーラと一緒に楽しく過ごしたり、友情を深めていくのが良い。いつもはこういうパートはのび太が担う事が多いけど、しずかちゃんも良いなぁ。
終盤はスピード感のあるアクションシーンが多くて良かった。
宇宙開拓史でしか出てきていない懐かしいひみつ道具である救命イカダが出てきたのもオォっ!って思えたポイント。
また、ミニドラが活躍してたのも良かったなぁ。新ドラでミニドラ初めて見たけどかわいい。
フロックとセーラ達との別れは結構ジーンときたな。フロックも良かったけど、やっぱりセーラとしずかちゃんの友情が今回は良かった。
思ってたよりも未来感のある描写が多かった映画だけど、総じて面白かった。

のび太と奇跡の島〜アニマルアドベンチャー〜

タイトルがどうも安直過ぎるような…。
それは置いといて、映画では珍しくのび太のパパに焦点を当てられている作品!ママは出てくる事は結構あるけど、パパはなかなかないよなぁ。
とは言っても物語に主に登場するのは子供の頃のパパ。子供の頃だとしても、声が野沢雅子さんなのもあって今のノンビリしたパパよりももう少しやんちゃな感じな印象。どうしても声が悟空に聴こえてきてしまうのはしょうがない…。
序盤でのび太にカブトムシを買ってあげたパパがのび太と一緒に空き地にいる子供たちの所に行くシーンがあるんだけど、そこにいる子供たちの発言が凄かったな。
いつものようにのび太をバカにするような発言があるけど、のび太だけでなくパパに対しても悪口だろって感じの発言をパパ本人の前でしてて、普通に失礼だなと思った!あれはパパ、ちゃんと子供たちに怒った方が良いし、親ももう少しちゃんと子供を躾けた方が良い。ジャイアンとスネ夫、調子に乗りすぎ。
物語はゴールデンヘラクレスという珍しい虫を巡っての悪人たちと、のび太たち&子供パパとの戦いになっていく。
悪人たちの魅力がとにかく薄かった。みんな小悪党みたいな感じで、ラスボスのシャーマンもショボめ。ラスボス以外の悪人もスカイ以外特に印象がない。もう少し魅力あるキャラクターが悪人たちに欲しかった。
スネ夫が最初いつものように敵にビビって戦線離脱しようとするのだけど、結局一番の苦労人となる。
が、ここはスネ夫の見せ場だったかな。いつもビビりまくりだけど、今回は漢を見せた場面もあって良かった!そしてドラえもん達をずっと信じてた描写も良かった。怖がりながらもカッコいいスネ夫を見た。
のび太のカブ太の扱いに関してはちょっと???って感じだった。
パパと大事に育てると約束していたけど途中までは完全にドラえもんに預けて放置で、急に約束だからと大事にしだし、終盤でカブ太が頑張る場面でめちゃくちゃ応援するんだけど、もう少し愛情持って育ててる場面が前半にあっても良かったな…。ずっと約束を放ったらかしにしてたように見えてしまい、急に大事にし出すのはちょっと違和感があった。
あと情けなさ過ぎてしずかちゃんに嫌われる描写はちょっとやり過ぎだった気もする。しずかちゃんのチアダンスも必要か?って感じもした。
のび太の部屋に前年に公開した新・鉄人兵団のザンダクロスのポスターが飾ってあったのは見逃さなかったぞ。


そんなわけで新ドラオリジナル映画 5 蓮チャンだった。良かった作品もあれば、ちょっと残念な作品も入り混じっててまだまだ不安定さを感じる。
オリジナル作品、ちょっと微妙なのが多いんだよなぁ…脚本頑張れ…!面白い作品もあるので、他のオリジナル作品にも期待したい。

実は南極カチコチ大冒険は映画館に当時観に行った。と言っても 1 回しか見てないから内容は朧げにしか覚えてなかったんだけども。
大人になってから、しかも新ドラになってから初めて観に行った映画だった。2017 年の映画だから 5 年前か…。確かポスターがオシャレすぎる、カッコいいと話題になってて気になって観に行ってしまったんだよな。検索するとすぐ出てくるハズ。
大人が 1 人でドラえもん観に行くのはどうなん?と思いながらも好奇心に負けて観に行ったんだけど、意外と学生グループだったりカップルだったりいるのな!
なんか子供たちの中で 1 人オッサンが…みたいな感じだったらどうしよと思ってたから安心しちゃった。
今年の新・宇宙小戦争を観に行った時もそんな感じだったよ。ドラえもん映画は大人でも観に行ける!

Part.7

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