30代前半Android利用者が選ぶスマートフォントップ3と、消費者の価値観を分析
インターネット調査をもとに、消費者の“イマ”を読み解くためのリアルタイムデータを提供する「Knowns Biz」。このプラットフォームを使って今回は、30~34歳男女が選ぶスマートフォンを分析しました。この年代はゆとり世代に当てはまり、多くの人が学生時代からスマートフォンを使いこなしています。
人気トップ3は「Xperia」「Galaxy」「OPPO」。4位にiPhoneがランクインしているのでAndroid利用者には2台持ちも多そうです。各ブランドに対するメージや、消費者の価値観から、この世代がどのような観点でスマートフォンを選んでいるのか分析しました。
全世代に支持されるソニーの「Xperia」
全世代(30~34歳も含む)と、30~34歳の現在購買しているスマートフォンランキングを比較。どちらも1位「Xperia」、2位「Galaxy」となり、3位以下も近しい順位になっています。
異なる点と言えば、シャープ AQUOS PHONE(アクオスフォン)が全世代では3位・15.2%であるのに対し、30代前半では5位・10.9%。長年テレビ販売台数トップを走り続けてきたシャープのスマートフォンが全世代から選ばれています。
また、Googleピクセルが全世代では7位・7.5%に対し、30代前半では6位・10.8%。動画投稿サービスYouTubeを提供するGoogleのスマートフォンが30代前半から人気を集めています。
後発企業OPPOは他社との差別化が図れている
30~34歳男女が現在購買しているスマートフォントップ3のブランドに対する消費者イメージを、スマートフォン全体平均と比較しました。
3つのブランドイメージに共通しているのは、「先進的」の項目が高く、「家庭的・安堵感」の項目が低いことです。多くの人が、スマートフォンに新しい機能や性能を求めていることが分かります。
XperiaとGalaxyに対するイメージは共通点が多く、「利便・合理性」「ステイタス・優越感」の項目が共に高くなっています。Xperiaは特に「先進的」「カッコいい・イケてる」「知的・クール」のイメージが高く、Galaxyは「ステイタス・優越感」が高い結果となりました。ちなみに2022年4月の世界スマートフォン市場調査では、Galaxyを販売するサムスンが首位となっています。
OPPOに対するイメージは「コスパ・経済性」「個性的・他にない」が項目が高くなっています。中国企業であるOPPOのスマートフォンの特長は、高品質でありながら低価格であることです。2018年1月に日本進出し、後発のブランドでありながら、他ブランドと差別化を図りシェアを伸ばしています。
Xperiaの購入者は、忙しい生活を送る人
トップ3のブランド別に、どういう性格を持っている人が多い(少ない)傾向があるかという“個人価値観”を分析しました。
Xperiaは「自由と時間がない生活」の項目が高くなっています。あまりにも忙しすぎて、自分のことなど何もできないどころか考える余裕すらないと感じている人が多いことを表しています。
Galaxyは「自己愛強め」「物欲旺盛」「健康より欲求優先」の項目が高く、「合理主義」の項目が低いです。元々自己肯定意識が強く、容姿や服装を褒められることで幸福を感じる人や、持ち物や料理にまでアイデンティティを拡張し、承認欲求を獲得していくことに悦びを見出す人、欲しいものが多く、衝動買いしがちな人が多いことを表しています。
OPPOは他2つと大きく異なり、「ジェンダーレス志向」「貯蓄家」「物欲少なめ」「こだわりがある意識高い系」「合理主義」が高いことが見てとれます。立場や慣習にとらわれることなく、自分の基準で物事を考えることができる人、計画性が高く、お金もそれ以外も先を見越した行動ができる人、モノより大切なものがあったり、モノを大切にする人が多いことを表しています。
Galaxyの購入者は、他人の評価を軸にする人
トップ3のブランド別に、消費活動を行う際にどんなことを重視している傾向があるかという“消費価値観”を分析しました。
XperiaもGalaxyも、「ステータス消費」「トレンドや限定重視消費」が高くなっています。地位を誇示したり、その地位への憧れがモチベーションとなっている消費行動や流行りのものや限定のものを買う消費行動を持つ人が多くいます。
Xperiaは、「ノスタルジー消費」も高く、原体験からくる懐かしいものを好む消費行動を持つ人が多いことを表しています。
Galaxyは、「検討消費」も高く、売れ行きが良いや口コミで評判が良いことを判断軸にする消費行動、つまり失敗はしたくないと思っている人が多いことを表しています。
OPPOは、「お得新品消費」「イノベーター消費」「コスパ消費」が高くみられます。コストパフォーマンスを意識し、労力をかけてもお得に賢く買い物をしたい消費行動を持ちながら、新しいものは自分で一度試したい消費行動を持つ人が多いことを表しています。
OPPOの購入者は、家族よりも仕事や趣味を優先したい人
トップ3のブランド別に、仕事・プライベートの考え方でどういう価値を持っている人が多い(少ない)傾向があるかという“社会価値観”を分析。
XperiaとGalaxyはグラフが似た形になっており、「友人重視」「仕事優先」「家族と親密」が高いことがわかります。仕事への熱意が高く、意欲的。身近な友人や家族、周囲の気が合う人間とのつながりを大切にし、家族でよい関係が築けているという価値観を持つ人が多いことを表しています。しかし、Xperiaの方がより「結婚願望」が高く、自分のことを幸せにしてくれる誰かを必要とする傾向があり、Galaxyは「仕事優先」が高く、仕事でさらに成長の機会をもちたいと考えている傾向が見られます。
一方OPPOは、「人情派」「家族にストレス」「社会や仕事への貢献大事」「独身でいたい」「子供中心・母父性強め」が高いようです。生活の多くを共にする家族がストレスの原因になっており、心の支えを家族以外に持つ。困ったら相談し支え合う相手がいるが、基本は自立心がある。他人への思いやりに溢れており、社会や人のためになりたい思いが強く、仕事や趣味に集中したいという価値観を持つ人が多いことを表しています。
30代前半スマートフォン選定の基準は、先進的・他人の評価・コスパ
全世代が「先進的」なスマートフォンを好み、特にそのイメージが形成されているXperiaが、全世代・30代前半ともに1番選ばれています。30代前半の人は、Galaxyに「ステイタス・優越感」というイメージを持ち、購入者は周りの評価を基準にする消費行動を持つ傾向にあり、OPPOには「コスパ・経済性」「個性的・他にない」というイメージを持ち、コストパフォーマンスを意識する消費行動を持つ人が購入する傾向にありました。
30代前半がスマートフォンを選定する際は、先進的であるか、多くの人が評価しているか、コストパフォーマンスが高いか、という3つの観点が特に重視されていることが分かりました。
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