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丸ノ内サディスティック (椎名林檎) その1

ドラム日記 第43回

前回の日記で書いたように、なぜか丸サを練習し始めました。お師匠さまには言ってなくて、コソ練です。

この説明不要な名曲は、Just The Two of Us進行の代名詞として丸サ進行なんて言われたりすることでも有名ですが、ドラムについてはあんまり語られない気がします。

なので、テンポゆっくりだし、基本シェイクパターンだし、ハネてるけど、案外イケるんじゃない?と初心者のボクは思っちゃいまして。

前回も書きましたけど、この本では★★★★(5つが最も難しい)となっていて、この曲の持つ絶妙な感じを表現するのに細かいニュアンスまでこだわって練習しよう!と書かれています。
うーん。じゃあ細かいニュアンスまで拘らなければ、手足順覚えて叩くだけならまあまあイケんじゃない…!?

…という幻想は脆くも崩れ去った、というお話です (T ^ T)。

ちなみに、初めてこの曲聴いてからたぶん25年くらい経ちますけど、この年齢になってこの曲を叩く練習するなんて、あの頃のボクは少しも思ってもなかっただろうなぁ。

◇◇◇

丸サのドラムは、実は余談と似ていて、シェイクビートというやつが基本になっています。お師匠さまも、余談のスコアを初めて見たとき、丸サじゃん!って言ってたっけ。
シェイクビートというのは、こんな感じで、8ビートのバックビート以外にも左手スネアが16分でちょこちょこ入るやつの総称です。スネアはしっかり叩くのと、ゴーストっぽく軽く入れるのと、両方あるみたいです。
そして実はスネアよりバスが特徴で、バス入れる位置で、けっこうノリが大きく変わってきます。
そんなわけで16分がかなり感じられるので、いわゆる16ビートってやつなんだと思います。

シェイクビート(シェイクパターン)って、4拍目繰り返しパターンのようなフィルのような両方の効果を持っていて、連続パターンを叩いているようで小節毎にちゃんと表情を変えたりアクセント入れたりできるのが便利なので、こういうボクの大好きなジャンルの曲でよく使われるのかなって思ってます。

これが前にも書いた余談のシェイク。

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イントロからAメロ、間奏、アウトロと、曲の全体がシェイクで出来てて、16分ウラバスがたまに入ったり、ハットが開いたり、4拍目フィルが変わったりして、メロディに合わせて少しずつ表情を変えます。

そしてこれが丸サのイントロ。

丸サ-1

ね、余談とそっくりでしょ。
余談と一番違うのは、ハネてるところ。シャッフルシェイク。それも6連符というより、絶妙に溜めたハネです。左手のスネアの音が、わずかに溜めて聴こえます。スネアはかなりしっかり叩いてますね。
そして(イントロは)16分ウラは少な目で、テンポも100とゆっくりなので、スネア16分がアクセントとしてとても目立ちます。なので、左手の入るタイミングが違うと、この曲の持つあのザ・丸サなノリにならないのです。

ちなみにパラレルスペックのBメロでも、シェイクパターンが出てきました。

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パラレルスペックはテンポも138と早目で、Aメロまでのハイハットチキチキ16分連打から展開して、16分フィールはそのままに、サビに向けていっかい掻き回す感じが強いシェイクかなって思います。Bメロはメロディも不穏な感じで、このシェイクの細かい掻き回し感が絶妙にハマります。
ちなみにパラレルスペックはサビもシェイクですが、右手がハットじゃなくてライドで、左手シェイクがスネアじゃなくてハットオープンです。オッシャレ〜。それがあのサビのパッと華やかになる感じをさらに押し出してますねぇ。すごーい。

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そして、前回の日記で書いた染まるよも、サビはシェイクです。そして染まるよもハネてるので、丸サにすごく似てますが、バスの入る位置が、より後ろ寄りで、どっしり落ち着きつつも、シンコペーション効果によって次の小節に向けて畳み掛ける感があります。

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煙草の匂いのする相方さんに対して一方的にいろんなことをアレコレと悩む主人公の止めどない想いが、この後ろ寄りなバスで伝わってくる気がします。
これもまたすごいですね〜。

とまあ、振り返ってみれば、知らず知らずのうちにシェイク曲ばっかり練習してたわけですが、まあたぶん単純に好きなんでしょうね、ボク。

そして、こんないろんなタイプのシェイク曲をなんとかやってこれたのも、お師匠さま直伝の(?)スーパー基本パターン練習をずっと毎日欠かさず大事にやってきたおかげな気がしています。
このドラム日記でも何回か登場してるやつです。これの下半分のパート。

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シェイクって要するにずっと左右をオルタネイトにタカタカタカタカと叩き続ける16分連打から、左手を抜いたり入れたりしているワケなので、それってつまりこの基本パターンの組み合わせなワケです。
さすがお師匠さまだぜ、、、。

◇◇◇

シェイクのことばかり書きましたが、イントロからAメロ(♪報酬は入社後……)になると、これまたヤバいのが出てきます。

丸サ-2

頭からバスの16分ダブル、のハネてるバージョン(緑)。テンポ100のハネだからまあなんとか間に合うけど、そもそもバスダブルってちゃんと練習してないしなぁ、、。
そしてイントロには無かった、苦手なバスの16分ウラ、のハネてるバージョン(青)、も挟み込みつつ…。
うーん、なにこれ、テンポ100なのに忙しーーー!!

お師匠さまの言うことだけにはかなり律儀なボクは、手足パラディドル練習を毎日、ハネパターンも含めてやってたので、ぜんぜん馴染みがないわけではないですけど、いつもはテンポ130の8分3連で練習してたから、このテンポ100の16分はなかなかにツラい、、、(テンポ200の8分3連相当ですからねぇ)。
ぜんぜんタイミング狙って踏めてる感が無いです。むーん。

さらに、Bメロ(♪リッケン620を……)は、またシェイクパターンに戻りつつも、Aメロのパーツが途中入ってきて、16分ウラもいっぱい登場しつつの、

丸サ-3

そして最後サビに向けたあの印象的なキメフレーズ、、、(♪御茶ノ水…)。

丸サ-4

これ、やや左手タメ気味にしたり、休符もカラ打ちしたりと意識してますけど、なかなかあの原曲の感じにならんですねぇ、、、。
頭で考えるよりノリや!!と、身体のおもむくままに叩いても、あのノリは出ないんです。やっぱ基本あってです。とほほ。

この後、サビ(♪マーシャルの匂いで……)も、間奏も、アウトロも、だいたい似たような感じが続いていくんですが、まずはここまでが身につかないと、うーん!?感が変わらないと思うので、いったんここまでを練習してます。

というわけで、タイトルに「その1」を付けてみましたが、果たして満足いくように叩けて「その2」日記を書ける日は来るのでしょうか!?

◇◇◇

この本のスコアは、練習用にシンプルにしてある気がするので、実際はもっと変なこといっぱいしてるのかも。完コピはムリゲー……?

この憎たらしいドラム叩いてんのはカースケさんなんですよね?
相変わらずいろんなとこでお見かけするカースケさんですが、最近の(?)優しそうな落ち着いた感じのカースケさんばかり観てたので、この控えめなのに攻撃的な、溜め溜めなのにノリノリな、真似のできないこの音をカースケさんが叩いてるのがなんだか怖いです、、。
やっぱすげえ人たちは、ほんとにすげえんだなぁ、、、と小学生みたいな感想しか出てこないボクなんかが、まだ手を出してはいけない曲でしたとさ。

いや、負けねぇけど!!!

◇◇◇

そういえば、事変でも丸サけっこうやってるらしいから、サウスポーの畑さんはどないしてんだ?と思って調べたけど、けっこうアレンジ変えてるんですねぇ。

原曲に忠実Ver.だと、畑さん、この左手のタメ具合どうやって叩くのかなぁ。観てみたいなぁ…。DVD漁れば出てくるのかなぁ???
でも事変はそんな前と同じのなんてやんないだろうしなぁ。

詳しい方、教えてくださいませ。


次回も間空けずに書きたいけど、まったくネタ無し!
乞うご期待!!






さいごにおまけ。

ちくしょう、、、そう、それなんだよ・・・。(T ^ T)

……天才なんてキライだ。


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