見出し画像

君を待つ (Aimer)

ドラム日記 第18回

ミニシリーズ、弟子である8の理由。の5回目。
今回は「待つ」。

画像1

ボクは音数少ない音楽が好きです。たぶん。
ドラムも、手数少ない方が好きかもです。
ずっと同じ音で16分音符を途切れず叩き続ける・踏み続けるだけじゃつまんない。ノレない。揺さぶられない。
音を抜くからこそビートが生まれる

ボクの大好きなスカとかレゲエみたいな裏拍ビートだって、表に音が鳴っていない訳じゃないですが、音色の違う音が補い合いつつ、ある音色だけ追えば音は抜けているわけで、それであんなノリが生まれるわけですもんね。
ダンスビートだって裏拍ですし。
裏拍ビートだって一種のポリリズムなわけですが、アフリカンないわゆるポリリズムだって、音を抜くから生まれる不思議なビートなわけです。

要するにドラムって休符を演奏する楽器なわけです。休符を演奏するってことは、正しく待つことがとても大事になってきます。

正しく待つって、ものすごく難しい。なかなか待てません。

◇◇◇

基礎パタン練習ならできても、曲になったり、複合で組み合わさったりすると、すぐタイミングがルーズになります。

待った後は強く叩きがちです。待っている時間分、ストローク幅が増えちゃうので。強く叩こうとするとだいたい、急いて走ったり、逆に力んでモタったりします。
待った後は、正しい位置に置きに行く感覚が良いように思います。狙って叩きにいくというより、スティックを落とす?ハメる?くっつける?そんな感触。でもあんまり置きにいくと、音の大きさ、粒が揃わない。

あと、フィルイン自体も気が焦ったり気持ちが盛り上がって走りがちになりますし、その後の小節の頭も引き摺られて突っ込みがちです。

同様にシンコペーションも、気が焦って、身体が焦って、待ちきれずに詰まります。

手が待てても足が待てないこともよくあります。足は対空時間作るのが難しいので、付点とかなかなかガマンしきれません。
それに、手足がちゃんと分離できていないと、すぐ手に足が吸収されてしまいます。
ボクはまだ8分から16分に変わるときにタイミングがルーズになりがちで、特に足がそうです。

それから、基本的にタメ気味な演奏なのにある部分だけジャストだったりとか、逆に突っ込みがちなノリノリ演奏なのにある部分だけタメちゃったりとか、そんなこともあります。

クリック練習で、休符のクリック音をしっかり感じるのよ!とよく言われますが、ホントにしっかり聴いてから次の音を叩く動作に入ってたらめっちゃ遅れます。休符音を「感じ」ながら、並行で次の動作を行う必要があるわけです。
三連休符をしっかり感じて待つのはとても難義です。スウィングなんかしたらさらに複雑です。
ゆっくりテンポもこれまた難しい。

◇◇◇

などと…。
待つことの難しさ、挙げたらキリがないですね。
思えば、お師匠さまレッスンでも、ほんとに最初のころから、休符の練習ばっかりやってきた気がします。

以前の記事で、うまいドラマーの肘がぐにゃぐにゃ動いてるってことを書きました。身体全体で休符をしっかり感じてるんでしょうね。

けっきょく、正しく待つってのも、粒揃えとか、縦揃えとかと、同じことを言ってるのかもしれませんが、意識の仕方が変わるだけで、音にもモロに現れるわけで、どの意識も大事なんだなぁって思います。

ワタシ待つわ。正しく待つわ。
次の音さん、キミがその一番輝くタイミングに出会えるように、キミを待つわ。

◇◇◇

Aimerの「君を待つ」は、2015年の曲。スペシャルドラマの主題歌にもなりました。

Aimer。
エメと読みますね。フランス語でlove/likeですね。アイラビューの仏語「ジュテーム」は Je t'aime と書きますが、このaimeがaimerのrが取れたやつですね。

なんか危うい感じの声。出だしの声と、伸ばす声が、かなり異なって聴こえます。二つの声がユニゾンしてるみたい。危ういのに、とってもとっても心地良い声。
初めて聴いたとき、何この人!?って他の曲も聴きたくなって、そして聴けば聴くほど、すげー!!が募り、気づけば虜になってるという、即効性も依存性もある歌声。
特徴的な低い声も、ぐっとくる高い声も、どちらもすごく胸に響きます。

Aimerのことを放っておけない人たちはもちろんたくさんいて、ガンダムUC、残響のテロル、甲鉄城のカバネリ、ヴィンランド・サガ、Fate、恋は雨上がりのように、とアニメ作品にたくさん使われました。

Aimerはあべまと仲良しです。あべまのカバーもしてます。カバーというか for ロンリー をあべまと一緒に歌ってます。

他にも、ワンオクのTaka、時雨のTK、RADの野田くん、EGOISTのchelly、andropの内澤くん、Cocco、といったたくさんのアーティストたちがAimerの曲に参加しています。
残響のテロルの主題歌になった「誰か、海を。」は、市子ちゃん作詞、菅野よう子さん作曲というヤバい作品。

AimerのMVには、俳優さん、モデルさんもたくさん登場します。
その中でも、美波ちゃん3部作なんてのがありまして…。これやべえっす。ほんとやべえっす。

そして、2018年の曲 Ref:rain は、アニメ「恋は雨上がりのように」いわゆる恋雨の曲ですが、MVが山戸結希監督なんですねぇ。
もう、ズルいとしか言いようのないすばらしいMVになっております…。Aimerの声にハマりまくりですよね…。

そして。この秋から始まった、炎炎ノ消防隊のアニメ第2期の最初のオープニング曲は、なんとAimerの SPARK-AGAIN でした。

鬼かっこよくないですか!?こういうバチバチ当ててくる曲もAimerはうまいんですねぇ。
オープニングで使われてるのを知らずに炎炎の第2期を観始めて、思わず「どわぁーー!!!」って声出してしまいました。Aimerの声がアドラバーストとリンクして燃えたぎっているみたいだ!!!紅大隊長より強いんじゃないかー?!きゃーーーー!!!
炎炎見てない/読んでない方にはわかんないですね。すみません。

こうなってくると、Aimerの声で、他の人のいろんな曲聴いてみたい欲が湧いてきますが、こんなカバーアルバムがあります。もちろん、すっっっっごい良いです……。(配信はないのです)

画像2

もちろん全曲良いのですが、中でも、1曲目のユーミンのリフレインが叫んでるは、百田留衣さんの編曲で、すごい好きです。百田留衣さんって、どういう方か実はよく存じ上げないのですが、中島美嘉ちゃんもYUKIも大好きなボクにはとても良く目にする方で、特にYUKIのチャイム初めて聴いた時に衝撃受けて調べたら百田さん編曲で、デターー!!!ナニモノーー!!!って思ったものです。Aimerの曲にもけっこう関わってます。事務所同じなんですね。へぇぇ。

そんなわけで、Aimerさん大好きです。この声がどうかずっと壊れませんように…。神様お願い。

◇◇◇

次回は、弟子である8の理由。の6つ目、「背中で叩く」です。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?