スタートアップ企業のバックオフィスの現実
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スタートアップ企業のバックオフィスの現実

こんにちは、ナレッジラボの国見です。

スタートアップ企業にとって立ち上げ初期から最優先課題はもちろん事業の成長ですね。
顧客や市場のニーズを的確に把握するためにプロダクトやビジネスモデルの試行錯誤を繰り返し、プロダクトマーケットフィットが見えてきたらマーケティング、セールス、カスタマーサクセスなど事業成長のための人材採用を強化してチームビルディングに取り組んでいきます。

スタートアップ企業は事業立ち上げから成長フェーズまではここに全力を尽くすケースがほとんどだと思います。
そのために調達した資金は、人材の採用やマーケティング費用、またはオフィスの移転などから使われて、バックオフィス領域への投資は事業も組織もある程度成長した後に回しがちです。

こういうケースってよくあると思いますし、早く事業を立ち上げるため、少しでも売上を増やしていくためにはこのような優先順位になるのは仕方ないと思っています。

ただ、バックオフィスを後回しにした時には事業の成長にとってもよくないことが起こってしまうリスクが高くなるので、最低限の投資はしていかないと結構ヤバくなると話をしたいと思います。

バックオフィスが不安定なまま成長すると

事業が成長するまでバックオフィス強化の投資しないとこんなよくないことが起こります。

よくないこと① 請求すべきものが請求できずに完全なロスになる

例えば、請求書発行の業務フローを確立せずに、担当者同士でその都度メールやslackで連絡する、というような不安定な運用をしていると、セールスで販売したりカスタマーサクセスでアップセルしたサービスがあっても正しく請求書発行担当者に伝わらずに、本来は請求すべきものが請求できていなかったという悲惨なことが起こりえます

これって結構厄介な話で、売上が計上されるとたとえ入金がなくても回収未了の売掛金として認識できますが、そもそも請求漏れは売上に現れないので、いつまで経っても気づかない可能性があります。

よくないこと② 支払いもれなどが多発して信頼を失う

支払サイドについても、取引先から入手した請求書を支払うという業務フローが決まっていないと、結構やばいことになります。

例えば、取引先からの請求書は各担当者に送られ、そこからそれぞれ経理担当者にメールやslackで送付し、経理担当者がその都度支払う、というような不安定な形になっていると、

・各担当者が忙しくて経理担当者に請求書を送付し忘れる
・経理担当者は送られてきた請求書が払っていいものかどうかわからない
・なんだかんだで支払が放置されてしまう

こんなことが発生することで期日までに支払われずに遅延してしまいます。支払遅延は信用失墜への第一歩なので事業の成長のためにあってはならないミスなのですが、このような不安定な形を続ける以上、なかなか減らすことができないミスとなってしまいます。

よくないこと③ あると思っていたキャッシュが実はなかった

バックオフィスが弱いと、どうしても会計帳簿の作成が後回しになり、正確性と適時性に問題が出てきます。
ここで怖いのが、会計帳簿は1つの仕訳でも入っていなかったりミスが発生した場合、ものによっては数百万円の損益がずれてくることがあります。

毎月のキャッシュ残高と会計帳簿をチェックせずに、不完全な帳簿をベースに作られた試算表やBS、PLには、当然ですが不完全な情報となっています。売上が過大に計上されていたり、費用が過少計上されていればPLに記載されている売上や利益、BSに記載されているキャッシュが実はそんなになかったということもありえます。

一方で、経営者としては、試算表やBS、PLは正しいものだろうという前提で人材採用や広告投資などをしていくので、実は会計が間違っていましたということが命取りになることすらあります。

バックオフィスが弱い会社はアクセルを踏むと壊れる

バックオフィスに問題があると、経営で一番重要な人と資金に問題をきたします。

「せっかく販売したものが請求できていない」、「大事な取引先への支払いができずに怒られた」ということから始まり、給与計算のミスや給与の支払いもれなどがあった時には、お客様や取引先の信頼が無くなっていきますし、一番大事な社内メンバーの信頼を失うことにもなります。

また、あると思っていた資金をベースにお金を使った結果、キャッシュ残高が一気に少なくなり資金繰りが一気に悪化し事業が詰んだ、ということだって十分にありえます。

このようにバックオフィスが弱いと事業成長のアクセルを踏めば踏むだけいろいろなところに歪みが生じて、最悪の場合、会社が崩壊してしまいます

バックオフィスへの投資が1年後の事業価値を向上させる

事業の成長フェーズに入ろうとしている会社は、当然売上を伸ばすための投資に資金を投入すべきですが、予算の一部をぜひバックオフィスの構築に回してください。そうすることによって、来月の売上にはつながらないですが、1年先の売上には必ずつながります(経験上、断言できます)

バックオフィスへの投資は事業価値の向上につながらないと思われがちですが、実はそんなことはありません。
バックオフィスへの投資によって1年単位で見ると売上の向上、ひいては事業価値の向上に大きく寄与しますし、逆にバックオフィスが弱いことで信頼を失い、事業価値を大きく毀損することさえあります

売上が大きくなったりメンバーが増えて組織が拡大した後にバックオフィスを強化しようとしても、そう簡単にはいきません。
複雑に絡み合った業務や例外に例外を重ねたフロー、ブラックボックス化して解明が不可能になってしまっている情報などを整理していくのに膨大な労力を要することになります。
たとえ解明できたとしてもいろいろなエラーが見つかって復旧活動にすごい時間がかかってしまいます。

なので、バックオフィスの強化は成長が見えそうなタイミングで手をつけることがすごく重要な分岐点となります。

スタートアップのバックオフィス強化について、よくわからないことや不安なことがありましたら、ご紹介できる仕組みやノウハウがあると思いますので、お気軽にメッセージください。

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株式会社ナレッジラボCEO/創業者/マネーフォワードグループでSaaS型経営管理Manageboardを提供/Deloitte(監査/DTFA/TAX)→ナレッジラボ創業(事業再生/Railsエンジニア)→M&Aでマネーフォワード/会計・経営管理・エンジニアリング好き/公認会計士