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「ユダヤ人の町、バラクラバ その1」と「Balaclava/St.Kilda Beach その2」と2/4〜2/10の日記

見出し画像:https://globe.asahi.com/article/14347550 より引用

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今週の文章は「ユダヤ人の町、バラクラバ その1」
今週の写真は「Balaclava/St. Kilda Beach その2」
です。

今週の文章「ユダヤ人の町、バラクラバ その1」

この前の記事でも書いた通り、これまで住んでいたサウスヤラという街からバラクラバという町へ引っ越した。

引っ越しをするまで知らなかったのですが、この町にはユダヤ人がたくさん住んでいる。ユダヤ教の教会のようなところもあるし、おそらくユダヤ教の伝統的な服装であろうもので歩き回っている男性、男子がたくさんいる。

ユダヤ教といえば現在イスラエルをめぐる情勢が非常にホットな話題である一方で、自分はこれまでユダヤ教という宗教がどういうものなのか、旧約聖書に基づいていることやクリスマスの代わりにハヌカという何日も続くお祝いをしていること、そしてナチスドイツに弾圧されて何万人もが亡くなったことなど断片的なことしか知らない。というか、中東情勢のニュースを見ている際にはなんとなく知っている気になっていたけれど実際には何も知らないということをこの町で実際に行き来する人を見て感じた。ユダヤ教がどういう宗教なのか、というのは遠大なテーマなので時間をかけてしっかり学びたい。今回はまずユダヤ教がどういう宗教なのかということをもう少しミクロな視点から学んでみたい。

ユダヤ教とはどういう宗教なのか?

ユダヤ教の概要というのは調べればすぐ出てくるし、知っている人も多いだろうと思う。旧約聖書に基づいていること、エルサレムが聖地であること、世界最古の宗教のひとつであること、など。

では、実際にユダヤ教の人たちはどのようにお祈りをしてどのような生活をしているのだろうか?調べてみるとユダヤ教と一言で言っても多くの宗派がありそれぞれで多少の違いがあることがわかり、そのためなのかユダヤ教の特徴のようなものをわかりやすくまとめたサイトは日本語では見つけることが難しかった。その中でバラクラバに住んでいる人たちに関係ありそうなものを少しずつ拾っていく。
(よく考えたら仏教も日本とそれ以外では全然違うし日本の仏教も何十種類もあるし当たり前なのだが、こういうことに考えを至らせることがとにかく難しい)

安息日は土曜日

オーストラリアだけでなく海外に行くと日曜日ほとんどのお店が休みで途方に暮れてしまうことが多々あるが、これは単に週に一度は休みましょうとか日曜は休みの日だから、ということだけではなく、キリスト教における安息日が日曜であり、日曜は働いてはならないとされているからである。

一方でユダヤ教の安息日は金曜の日没から土曜の日没まで。
そう言われてみればバラクラバでも金曜と土曜が休みのお店が多くあり、なんでだろう変わっているなと思っていたがちゃんと理由があった。

皿みたいな帽子と真っ黒なスーツ

バラクラバの町を歩いていると皿みたいな帽子をかぶっている男性や少年をたくさん見かける。

http://m-mikio.world.coocan.jp/hukusou.htm

これはキッパと呼ばれるもので、頭を隠すことで神様に対する謙虚さを示すためのもの帽子らしい(参考

このような人たちと合わせて、真っ黒なスーツを着込んで真っ黒な帽子を被り、そしてスーツの下から紐をタラタラ垂らして歩いている男性も多く見かける。

まさにこんな感じの服装。男性の向かって左側のあたりから紐が垂れているのが見える
(https://www.tv-tokyo.co.jp/announcer/entry/post_191)

これはユダヤ教の中でも「超正統派」と呼ばれる宗派に属する人に多い服装で、垂れている紐はタリートと呼ばれる服の下に羽織っている布の端から垂れているものらしい(参考

いやでも目立つ男性の服装に比べて女性に関してはこれと行って目立つ人がおらず、大きな決まりはないのかなと思っていたが足を見せない、髪の毛を覆うなどの決まりはあるらしい。今度町でもう少し観察してみようと思う。

食事に関する戒律といつも行列のできているベーカリー

食事についてもコシェル/カシュルートという戒律が定められており、豚肉やイカ、タコ、貝類などの食事が禁止されているほか、チーズなどの乳製品と肉を一緒に食べない、などの細かい決まりもあるらしい。

バラクラバの町にはベーカリーが多くどこも毎日のように行列ができている時間帯がある。流行っているんだな、コミュニティに根付いてるのかな、程度に思っていたのだが、どうやらユダヤ教の戒律の中にパンはユダヤ人が焼いたものでないと食べてはいけないというものがあるらしい。行列ができているベーカリーはユダヤ系のベーカリーで、ユダヤ人の人が焼いたパンを求めてユダヤ教の人たちが行列をしているのだろうと思う。こういう決まりは宗教を軸に経済を回す仕組みの元祖のように思えてとても興味深い。

ユダヤ系の食事を出すお店が見つけられていないのでまだ細かいところはわかっておらずそのあたりについてはもう少し勉強したい。

まとめ

こうしてみると、引っ越してきてからなんとなく不思議に思っていたことや目についていたことひとつひとつにユダヤ教にまつわる理由があったりしてとても面白いし、あらためて自分はわかったつもりでいても何もわかったことを実感した。

宗教というは日本だとどうしてもとっつきにくいイメージが先行してしまうけれど、人の生活や生き方そして世界をどうみるかということの基盤になるもので、それ自体は素晴らしいものだと思う。知らないものを知ることで自分とは関係がないと思っていたことや異物のように思っていたものが身近になり少しずつ他の人との距離が縮まっていくものだと思う。イスラエルの残虐な行為に反対の意を示すこととユダヤ人について知り友好を深めることは矛盾していない。もっと知りたい。

参考にしたサイト

今週の写真「Balaclava/St. Kilda Beach その2」

今週の写真はBalaclava/St. Kilda Beach その2です!
先週に引き続き新しい家からビーチにかけて散歩しながら撮った写真です。今週はストリートアート/グラフィティを中心にピックアップしました。

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