うつ病体験記15:メンタルが低空飛行でき始めた
4月に職場復帰する目標であったが、医師からのOKがでなかったため、もう1ヶ月休職することにした。
この頃世間はピリピリしていた。
新型コロナウイルスの影響で緊急事態宣言が発令されたのだ。
2月・3月は実家と一人暮らしの家を行き来していたが、自分が感染して親にうつしたら嫌なので、4月は1人で過ごした。
極力塞ぎ込まないよう、散歩をしたり読書をしたり、溜まっていた週刊少年ジャンプを読んだり、映画やテレビを見て、淡々と過ぎていく時間を横目にやり過ごした。
緊急事態宣言中であったこともあり、本当に何もしなかった。
朝は絶望的な気分だが、昼から夜にかけては元気なことが多くなった。
メンタルダウンしないようコントロールする努力した成果だ。
今思えば自分の気持ちを取り繕っていただけな気もするが、元気なときには「もう職場復帰できるんじゃないか?」と思い始めた。
「そうでありたい」という願望が生み出しただけなのだが・・・。
とにかく、心の底を這いつくばってブレーキをかけながらも無理やり進んでいたメンタルは、徐々に低空を飛行し始めたのだ。
やる気がなくても、生への執着がなくても、とにかく生きているんだから仕方ないと、いい意味で諦めながら。
ちなみに、コロナに対する不安はとても強かった。
でも自分が感染するのが怖いのではない。
家族が感染するのがすごく怖いと思った。
親を失いたくない。
もしも感染して重症者になり、ちゃんとお別れもできないまま火葬されたら・・・
こう考えると本当に怖かった。
このような考えが自分の思考を埋め尽くした時、とてもうつになった。
家族が感染しませんように。
家族が感染するなら自分に。
そう祈らずにはいられなかった。
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