見出し画像

社会を知りたい⑥2030 SDGsカードゲーム体験会

先日、イマココラボ公認ファシリテーターの方が行っている、SDGs(エスディージーズ)を知るためのセミナーへ行ってきました。SDGsをニュースで聞いたり、ロゴを見たりするけど実際なんなんだろう?が、参加者全員で行うカードゲームから感覚的に、そして楽しみながら(←超重要)理解できました。

画像1

※ このカラフルなSDGsのロゴ(達成目標)。よくニュースで見る。

今回は、そのSDGsについてざっくりまとめたり、カードゲームの体験を書いていきます。自分のアウトプットと、誰かの知るきっかけになればいいなーと思います。

SDGs(エスディージーズ)ってなに?

まず、SDGsとはなんだろう?ってところから。これは、
「Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)」
の略称。2015年9月の国連サミットで採択されたもので、今後15年間で世界的にこんなこと達成しましょう!という目標です。

内容には、上に載せたロゴにある貧困、飢餓、健康、教育、ジェンダーなどの17個の目標が軸となって、169個のターゲット(どこを焦点に解決するか)が設定されています。

貧困であれば、
「1.1 2030年までに、現在1日1.25ドル未満で生活する人々と定義されている極度の貧困をあらゆる場所で終わらせる。」
というようなターゲットが7個設定されています。ちなみに極度の貧困状態の人については、世界で約10人に1人がいまだその状態で暮らしています。

国連サミットで採択されたこの目標は世界経済フォーラム(ダボス会議)でも取り上げられ、達成すると12兆ドル(日本円だと約1300兆円)の経済価値と、最大3憶8000万人の雇用が創出されるとしています。

そしてこの目標においては、発展途上国だけではなく、先進国の日本にも低い達成度の箇所がいくつもあります。例えば日本でのジェンダー平等は、世界経済フォーラムで発表された数字によると149カ国のうち110位。取り組む必要があるかもしれません。

そんな背景のもと、SDGs推進本部が日本にも設置され、取り組みの方向性が示されています。興味のある方は、下記のリンクを見てみて下さい。

SDGsアクションプラン

出典:「拡大版SDGsアクションプラン2019」首相官邸ホームページ(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/sdgs/

SDGsカードゲーム説明

さてさて、セミナーではSDGsのかんたんな説明や近くの人との自己紹介、ゲームのルール説明をしてから、カードゲーム開始という流れで進みました。自己紹介は名前と最近楽しかったことを話し、硬い空気ではなく、色んなことが話せそうなちょっとほぐれた雰囲気に。

そして今回使うカードゲームの名前は「2030 SDGs(ニイゼロサンゼロ エスディージーズ)」。ゲームの目的は「自分が国の代表としてゴール目標を達成する」ことです。

画像3

上から
・お金カードを一定以上集める
・時間カードを一定以上集める
・「経済」の意思というカードを10以上集める
・「環境」の意思というカードを10以上集める
・「社会」の意思というカードを10以上集める
というゲーム内目標。うーん、多様な価値観の目標があります。

そして、各々カードが配布。

画像4

※ これは自分に配られたカード
・お金500M
・時間10枚(12枚だったかも?)
・プロジェクトカード3枚(80枚中ランダムに3枚)
・ゴールカード

基本的にはプロジェクトを進め、お金や時間、意志を手に入れて自分のゴール目標を達成するゲームです。

画像5

ただ、プロジェクトには常に世界の状況が関わります。上の画像のカードは世界の経済状況がある程度発展していないと使えず、経済を発展させ、逆に環境を破壊します。

画像6

このゲーム世界には経済、環境、社会という状況が常に見える化されていて、それぞれ3からはじまりプロジェクトによって変動していきます。自分の行動が世界に影響を与えるので、それも考えて進めていきます。

そして最後にこの説明。

画像7

『プレイヤー同士でのやりとりは何をしてもok』

こういった説明でわくわくしちゃってる中、ゲームが開始されました。

実際のゲーム経過

※ ここから先はネタバレありです。このゲームを今後やろうと思っている方は、見ない方が楽しめるかもしれません。よくわからない状態でやる方が多分ワクワクしながらできます。



まず、自分に配られたゴール目標は「大いなる富」。4人のグループが3つあり、自分たちのグループ4人の内訳は「大いなる富」が3人、「悠々自適」が1人という目標でした。資本主義者が多い。

ということでゲーム開始直後から、お金になるプロジェクトをゴリゴリ進める3人。お金というわかりやすい目標は、私たちを行動的にします。

そして順調にお金を集め、前半戦終了。
自分はゴール目標のお金をすでに持ち、テーブルにはもうひとりゴール目標の富を得ている方がいました。

中間発表はこんな感じ。見てみると、

画像8

経済が爆発的に成長した世界は、人の心と引き換えでした。

そして私たちのテーブルにいる、富を得た資本主義超大国アメリカ、ロシア、日本は少し考えます。このままでは蓄えた富を使う場所がなくなると。まずい、どうしよう。

そして後半戦スタート。

とりあえず、世界の現状を知ることからはじめます。何が人の社会を奪っているのか。他のテーブルに行って情報収集。

実際に知らない人と話すのは気が進まない人が多いと思いますが、ファシリテーターの方が自己紹介のときに作ってくれた雰囲気が生きます。なんか楽しく話せてしまう。

すると社会のメーターが足りないためにどうにも進まない人や、プロジェクトを進めるためのお金が足りない人がいるとわかりました。

そこで残ったお金と時間を投資し、社会のメーターを進めるためのプロジェクトを募って、世界状況をみんなで少し動かしました。このときの感覚は、いまだに楽しかったなあ、と残っています。

その後はゴールできていない人の達成を集まって考え、どうすればいいんだ、時間がない、時間カードもない…となっているところで終了。

そして最終結果。

画像9

結果は12人中11人の目標達成。時間カードを集める目標を持ったひとりが未達成のほかは、達成していました。

世界の動きとしては、途中発表で社会に危機感を持った多くの人が伸ばそうとしたことで、経済は後退しましたが人の尊厳は守られたようです。

カードゲームの感想

まず、声出しながら夢中になってやっていたこと。「プロジェクト見せてー!」とか「青の意志余ってるよー!」とか。振り返ると、なんかみんな楽しんでやっていたなと思います。

それと特に感じたのは、コミュニケーションが色んなことを進めてくれたこと。お金、時間、意志はひとりで得られる量が限られており、自分ひとりでプロジェクトを進めていてもよほど運が良くないと達成できない。だから、ちょっとゲームが進んだところで、交渉を思いつく。

そこで進め方がうまいなあと思った事なんですが、ファシリテーターの方が事前に促していた自己紹介によって、最初の自己紹介をした4人ほどの方とは交渉や協力がスムーズにできました。お互いをちょっとでも知っていると、なんと話しやすいことか。

そこからコミュニケーションが普通のものとなり、一度も話したことが無い別テーブルの人とも自然と交渉ができるようになっていきました。

これって、実際の企業や法人間のやりとりでも同じで、自分の組織だけで達成できないことは、外の人たちとコミュニケーションするしかない。だけど実際は、お互いを知らずなかなか交渉や協力のための会話にすらならない。

だからこういった現実世界でのファシリテーターがいると、もう少し世界を良くする動きができるようになるんだろうな、というのが一番の感想でした。現代の坂本竜馬的な存在(組織)みたいな。

SDGsの本質

カードゲームを通じて伝えたかった大きなことが2つある、とゲーム後に聞きました。まず1つ「様々なものはつながっている」ということ。

例えば、実際にセミナーで聞いたことなのですが、私たちが日ごろ消費しているものに「パーム油」があります。これは、チョコ、アイス、マーガリン、シャンプーなどに使われる安価な油です。

パーム油をとるために途上国が森林を伐採してやし農園にし、貧困層が家族総出(子供も労働)で働き、伐採からの環境破壊、気候変動で農業ができなくなり、貧国から抜け出せないループ…という現状があるといいます。

実際にカードゲームでも、経済と引き換えに環境や社会を犠牲にするプロジェクトをみんなが使いました。

画像10

様々なものはつながっていて、負の側面ではこのような例があります。

ただ逆に、自分たちが起点となって、例えば貧困への取り組みを進めたら?教育を受けられる子供が増え(4:教育)、日々食事ができる(2:貧困)かもしれません。

つながっているがゆえに、どこか一箇所からでも自分たちができることから取り組むことで少しづつ世界は変わっていくよ、というのが1つ目でした。


もうひとつは「見える化する」ということ。私たちが前半戦終了時に気付いたことは、経済は良くなっているけど、社会という人の権利や心を犠牲にしていたこと。これはメーターとしてみんなが見える位置にあったから気づけました。

現実でも、情報が見える場所にあったり、誰かがまとめて見える形にしてあれば、関心を持つ人が増えます。見えるようにすることで、行動も変わっていくよ、というのが2つ目でした。


というわけで長くなりましたが、ここまで読んでくださってありがとうございます。体験会の内容を要点だけまとめましたが、正直3時間のセミナー中に体感したものすべては伝えきれません。

人の感想は千差万別です。実際に体験すると、自分とは違った感想や、文字では表せない気持ちの動きが出てくると思います。なので、興味を持った方は是非是非体験してみてください。


参考
・「持続可能な開発目標(SDGs)推進本部」首相官邸ホームページ(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/sdgs/
・イマココラボHP(https://imacocollabo.or.jp/

価値を感じていただけたら、サポートして下さると嬉しいです!