見出し画像

ジョディ・マック『The Grand Bizarre』世界中の布地を使ったコズモポリタニズムへの賛美歌

世界中の様々な模様の布が集められて等価に扱われた上で地図や地球儀、文字表やタトゥーなど示唆的なアイテムで溢れるコズモポリタニズムへの賛美歌。映画の多くの部分で基本的に屋外に布を広げて一枚一コマでコマ撮りを行っているんだが、コマとコマの間の時間を適切に保つことで外世界の変化を圧縮して描いているのが面白い。船や車の進行、太陽や影の移動、人や鳥の往来などなど。ロケーションも多種多様だが、場所がどこであるかは特定できない場合がほとんどなので映されている布とロケーションに関係があるかは分からなかった。残りの時間は自作のポップなサウンドトラックに合わせて模様や文字表やタトゥーなどが目まぐるしく入れ替わる映像や地球儀や本がまるで生き物のように徘徊する映像、世界中の生地屋や機織り工場を来訪する映像などが挿し込まれている。一番好きなのは車のサイドミラーなどに一枚ずつ映し出されるコマ撮り映像。中盤でこれが流れる裏でSkypeの発信音のリミックスバージョンが流れて笑ってしまった。あと、航空券を紙飛行機にして紙地図の上を移動させるアイデアも好き。

画像1

・作品データ

原題:The Grand Bizzarre
上映時間:61分
監督:Jodi Mack
製作:2018年(アメリカ)

・評価:80点

よろしければサポートお願いします!新しく海外版DVDを買う資金にさせていただきます!