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桜の想い出

お花見の季節となりました。長い冬に終わりをつげ、暖かい春らしい気候に心を躍らせています。
桜も満開を迎え、新しい季節がめくってきたことをひしひしと感じているところです。

桜とは、私たちの記憶のひきだしのようなものだと思います。お花見をしたことや、また、入学式や新学期の心弾むあの時の気持ちを、桜を通して思い起こさせてくれるのではないでしょうか。

桜といえば

私は桜を思い浮かべると、4月7日の小学校の入学式の映像が脳内に流れます。真新しいローズピンクのランドセルを背負って、大きな古い校門をくぐりぬけて行くときのドキドキしたあの気持ちまでもが、当時と変わりなく思い起こされます。実は同じ幼稚園の同級生がおらず、ほとんど全員がはじめましてでしたので余計に不安と緊張がいりまじって顔が引きつっていたかもと振り返ってみて感じております、、、(笑)

私が小学校に入学したのは2007年でした。自分でもよく覚えているなあと思っているのですが、4月7日に満開の桜とともに写真を撮っていました。
今年、2022年の桜の満開は3月28日前後くらいです。この15年の間に桜の満開時期が一週間ほどもずれています。皆さんも年々桜の開花が早まっていることを感じているのではないでしょうか。

桜の開花時期

さくらの開花日の平年差(「気候変動監視レポート2018」:気象庁ホームページより、https://www.data.jma.go.jp/cpdinfo/monitor/2018/pdf/ccmr2018_chap2.pdf

気象庁が発表した「気候変動監視レポート2018」では、桜開花日の平年差のグラフが載っています。年によってばらつきはあるものの、全体として桜の開花日は早まっているということがわかります。

では、どうして桜の開花が早まっているのでしょうか。
これは地球温暖化が大いに影響しているといわれています。

休眠打破

そもそも桜とは、「寒さ」を経験しなければ、咲くことはありません。秋に葉が枯れた後、いったん桜の木は休眠に入ります。こうしてしばらくお休みをしてから、冬の厳しい寒さによってふたたび目を覚まします。これを「休眠打破」といいます。
桜が咲かないとはどういうことと思うかもしれませんが、実際、昨年は種子島や鹿児島の一部地域では桜がまったく開花せず、九州南部や四国の一部地域、静岡などは開花しても満開にはなりませんでした。冬の寒さが足りず、休眠打破が行われなかったためであると考えられています。上記の地域は日本の中でも比較的暖かい地域であり、休眠打破がうまくいくかどうかギリギリという状況です。

休眠打破(【第一回桜開花予想】桜開花トップは東京で3/21!全国的に平年並みも、九州南部は暖冬で下位かに遅れ:weathernewsより、https://jp.weathernews.com/news/30388/


地球温暖化が進むとさらに桜が咲かなくなる、や、五分咲きで終わってしまう、また、開花から満開までの期間が長くなり、だらだら咲いていく、といったような現象が顕著に表れてくると考えられています。
さらに異常気象などで「これまでにない暑さ」や「暖冬」、「これまでにない豪雨」といったことが起こると、桜のメカニズムがくるってしまい、開花の予想ができなくなってしまいます。お花見の日にちを決めるのにも一苦労になりそうです。



お花見

日本では古来からお花見が行われてきました。もともとは1300年ほど前の奈良時代に梅を愛でながら宴を開くというスタイルで行われていました。万葉集には大伴旅人が「梅花の宴」をつづったものがあります。
平安時代には梅から桜へと愛でる対象が変化します。古今和歌集に在原業平など、多くの人々によって詠まれた桜の歌が残されています。
江戸時代になると庶民にもお花見文化が浸透し、お花見名所が整備されます。このころから「花より団子」といわれるようになったとか。
明治時代には品種改良によって「ソメイヨシノ」が全国に広がります。こうして現在、日本の様々な地域で桜を愛でることができているのです。

桜の花は私たちの記憶の引き出しとなり、たくさんの想い出を思い起こさせ、また、これからもたくさんの想い出を作ってくれることでしょう。桜が咲かなくなるなんて考えられませんが、そんな未来はすぐそこまできている、いや、九州などではもう起こってしまっています。私たちは気候変動にもう少し慎重にならなければなりません。


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