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観劇感想 シーラカンス アピアランス

人生初(だと思う)新宿での観劇、でした。新宿3丁目の駅で降りて、ファスト定食チェーン店(?)で昼ごはん食べて、シアターの場所を確認して、周辺を軽く散歩して、時間まだあるなとコーヒーチェーン店でコーヒー飲んで、と開場までの時間がまずワクワクでした。
拝見したのは、朝倉薫演劇団ビートワードミュージカル『シーラカンスアピアランス』<<2022年9月27日(火)〜10月2日(日)新宿シアターブラッツ>>です。

【ひとこと程度感想】

見に行ってよかった。知人俳優さんの晴れ舞台、視線、振る舞い、衣装含めた全体の雰囲気、全て輝いてました。舞台は長い暗から明への道のり、音と光がいざなっていってくれました。

【きっかけは出演俳優さんの配信】

この舞台観るきっかけは、出演される俳優さんとライブ配信で交流があったからでした。ライブ配信サービスの新人スクール(オンライン)の同期という関わりです。この舞台出演が決まったこともあるのだと拝察しますが、ライブ配信を卒業される頃にこの舞台のことを教えていただき、チケット発売を待って購入した次第です。

【題名からの余計な事前連想】

シーラカンスはインド洋やインドネシアでの発見例があるようで、真っ先に頭に浮かんだのはインドネシアの海の風景でした。でも、海と言っても表層ではなくて、深層にシーラカンスは居るみたいです。

※インド洋 ジャワ島西側 ここにはシーラカンスはいないようです
※スラウェシ島北部の港、この北西の海の奥深くでシーラカンスが見られたそうです

【シーラカンスという魚】

インド洋などで捕獲例があるようで、食べ過ぎるとお腹を壊す例があるのだとか。。。ワックスエステルが含まれるのが原因とのことで、その他の含有魚介類はバラムツ、アブラソコムツなどだそうです。シーラカンスはあまりおいしくないようですが、捕獲されると調査用で高く買ってもらえるようになっているので、捕獲地域の漁師さんには喜ばれているかもしれません。

【お芝居に登場する魚といえば】

脱線続きます。お芝居を観ることが少ないのですが、舞台に登場する魚で思い出すのは、近年では唐組の演題「ビンローの封印」に出てきた「グジ」です。余計な情報で混線、スミマセン。


スマトラ島で時々見かけた、檳榔(びんろう)の屋台、メダン近辺の観光ガイドのネルソンさんが言うには、
「檳榔や、似たような椰子(?)は嗜好品で
 このあたりの多くの人が
 噛んでは赤いのをペッと出すのが
 どうも嫌いでなぁ」と。。。嗜好品らしい、とわかりました

そういうとジャカルタの北部の通りに並んだ屋台でも檳榔 の文字を見かけたような気が。。。
===中略===
お芝居の冒頭、製造(登場人物です)の肩にとまったグジ(登場魚です)、製造がつく杖、をみたとき、あれ、和製ジョン・シルバーかな?、と懐かしい感じの登場です。
グジが言葉を発するとき、オウムが、そして、人形が、じつは。。。というような展開も期待しながら、カラオケ指導員と主人公?製造の掛け合いが楽しく、笑わせられました。
knasada 感想文

【ビートワード】

朝倉薫演劇団ビートワードミュージカルと謳われている公演、拝見するまで、ビートワードとは何かわからないままでした。拝見してみて、セリフともラップとも違うことが体感できました。特に言葉の発し始めに、今から何が語られるかのゾクゾク感が強く、リズムと言葉がからみあうほどに登場人物の苦しみや楽しかった情景など浮かんでくるような気がしました。

ビートワードとは
日本語のセリフをビートに乗せる演技手法のこと。セリフの構成はラップよりも口語演劇に近く、役柄によってもビートの捉え方の違いが現れる。
朝倉薫演劇団公式ホームページ 公演案内より

ビートワード、ベースとなるトラックに合わせたリズムでもあり、日本語が醸し出す自然の拍子でもあり、河竹黙阿弥の戯作や歌舞伎の科白に仕込まれた余計な情報?のうまさ、など思い起こした次第です。そういうと歌舞伎の流れるような科白の調子は、もとは連歌など七音節と五音節の組み合わせにも似ているのかもしれません。漢詩の五言や七言も、現在の中国でのスピーチなどにも取り入れられているようで、仕事で使うスピーチというのもリズムを考えてつくっていってたのを思い出しました。また余計な情報で混線スミマセン。>>>こんな言葉遊び。。。

久经风浪有作为 ジウジンフォンラン ヨウズオウィ
感觉成就里程碑 ガンジュエチョンジウリーチョンベイ
相信成功从心里 シャンシンチョンゴンツォンシンリ
炉火映得通红美 ルフオインドゥトンホンメイ

名牌发展到大湖 ミンパイファジャンダオタイフゥ
定位高峰排幸福 ディンウェイガオフォンパイシンフゥ
启开未来好合作 チーカイウェイライハオフズオ
捷报千里跑老虎 ジエバオチュエンリーパオラオフゥ
https://note.com/knasada/n/nf7789afc721e

【どうせいだけ】

舞台に出演される方々、女優と書かず俳優と書く配慮が定着してきてるように感じられますが、この舞台に登場される方は全員女性でした。なぜかな?と公演情報、公演チラシを見て思いました。
実際、このお話にビートとともに触れてみると、あ、そういう場面を映しているのか、とわかりました。公演情報にはある程度触れられているのでネタバレにはならないと思いますが、あえてここでは申しません。

【ミュージカルと知って驚く】

事前に公演情報が少しずつわかってきました。ミュージカルだと知って驚きました。想像するステージの大きさに対して出演される俳優さんの数が多く見えたからです。
さらに現場にうかがってみて、限られた舞台の大きさに おそらくあるであろう躍動がどうおさまるか、が気になりました。舞台には音響、照明などが配置されているので、その中を躍動する役者さまたち さぞ大変なことだろうと推察したからでした。
始まってみると、登場人物の動き、交差、会話の重なり合いが、科白、ビートにのった詩的な言葉、そして歌によって表現されており、難しい場所、難しい人物背景ながら引き込まれてしまいました。
場面が変わるたび 照明や暗転にドキドキさせられます。
登場人物のほとんどは生き方や性癖にカゲがあるのですが、唯一救いをもたらすかのような役を演じていたのが知人である役者さんです。衣装の色、役柄が醸し出す前向きさ、最後まで貫かれる純粋さ、に救われました。救いの幕が下りた感のある観賞後の余韻でした。

【またまた余計な想起】

同じような複雑な背景があるミュージカルで思い出すのは The WHO の怪作 ロックオペラ トミー、同意いただける方もおられるのではないでしょうか? トミーがオペラを名乗るのは、サウンドトラックを聴いてみるとよくわかります(知らんけど)。繰り返される主題、救われてるのかどうかわからない進行と終結、悲劇にコミカルな要素が割り込み、楽曲の秀逸さが耳にココロにしみるのです。登場人物というか、登場ミュージシャンというか、どぎつく、しかも著名過ぎ、ようこんな人ら集めたなぁ、ですわ。
また、おひとりおひとりの物語にスポットが当たるミュージカルというとコーラスラインも思い当たりました。このお話は省略!

また、機会がありましたら、この作者さん、劇団さまの作品に触れてみたいと思いました。そして、この駄感想をあらためて尊敬を感じた同期ライバーさんに捧げ(捧げられても困ると思うけど^_^)ます。