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【第十一話】もうすぐ一時保護解除されるけど、子育てに自信がない…という話

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児童相談所に、子供を一時保護してもらった話

一時保護中の長男は、面会後帰ってくることになった。

その件で、児相からも電話をもらい「再来週に関係者で話し合い、その次の週に面会してもらった、翌日帰宅という感じになる」と言われた。

1月某日、精神疾患になった妻を入院させるため、長男を警察経由で一時保護してもらった。※詳しい経緯は「児相に、子供を一時保護してもらった日の話」をご覧ください。

一時保護の翌週、妻は精神科に医療保護入院⇒28日間の入院を経て劇的に回復して帰ってきてくれた。今は順調で元気いっぱい!という感じではないが、希望を持って日々過ごしている。

いよいよ長男が帰ってくる。
うれしい気持ちがある反面、じつは僕も妻も不安だ。

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▲一時保護解除されても、子育てできるか不安…

一時保護前は、自分で言うのもアレだが子育てをしっかりやっていたと思う。平日は毎朝保育園に連れて行き、夕方になったらお迎え、ごはんを作って食べさせ、遊んで、お風呂に入れ、寝かしつける。

休日は一緒にYouTubeを見たり、絵本を読んだり、公園で遊んだり、一緒に買い物に行ったり、ドライブしたり、といった感じで人並みの育児はできていたと思う。

でも、今はちゃんと子育てできるか…不安。
僕も妻も、長男が帰ってきて、ちゃんと子育てできるのだろうか…

子育ての何が不安なのかはわからない。漠然とした不安がある。以前のようにできるだろうか、また一時保護になるような事態は絶対に避けたい…など色んな考えがよぎる。モヤモヤ不安の坩堝(るつぼ)。

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▲妻の精神状態は入院させないとヤバい状態だった

別記事「産褥期精神病と診断された、妻の症状まとめ」でも書いている通り、妻の精神状態は入院させないとヤバい状態だったから、一時保護は必要だった。

育児もしながら妻の入院生活を支えるのは不可能だったと思う。

だけど、離れ離れは辛い。
何度も「やっぱり預けなくても良かったんじゃないか…」と思った。

自信をなくしたのはある種の防衛反応なのかもしれない。大事に育てていた子供がいなくなったことに対して、どこか「自分たちは子供を育てなくていいんだ…自信もないし…」みたいに考えて、子供がいない状態を受け入れる、慣れるための防衛反応。

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▲自信がなくなるのは、ある種の防衛反応…?

児相の人にも「自信ないっす」と言ってみた。
できれば児相の人に「いやいや、大丈夫っしょー」的なことを言ってほしかったのだ。児相の人からは「あなたたちの子供は本当によく育っている、自信を持っていい」と温かい言葉をかけてもらえた。

しかし、同時に「どうしても無理…となったら児相でまた預かることも可能ですよ?」とも言われた。

子供と離れ離れにはなるのはもう嫌なので、反射的に断ったが、同時に「預けたいワケじゃないけど、何かしらセーフティネットがあると思っていいのかも…」とも思えた。

子育ては楽しいことだけじゃない。
親だってたまには自分の時間も欲しいし、羽を休めたい。時にデーンと休んでしまっていいと思うし、そういう時間があるから子育ても楽しめると思う。

だから使う・使わないに関係なく、『児童相談所を頼る』という選択肢はカードとして持っていてもいいのかもしれない。

子育てのセーフティネットとして、こんなカードがあるかな。

■子育てのセーフティーネットとして使えそうなカード
・児童相談所
 ⇒子育てについて相談したり、時に一時保護や社会的養護制度を使えば、安全な環境で子供の成育を見てもらえる。

 ・子供家庭支援センター
 ⇒子育て相談、家族仲相談にのってもらえる。地域にもよるが、子供の遊び場がある。ショートステイなどを使って子供の面倒を見てもらえる。

・保育園
 ⇒月~土で預かってもらえる。

 ・実家
 ⇒人によって事情は異なるが、頼れるなら頼った方がいい。

・ベビーシッターサービス
  ⇒1時間1,000円前後~で見てもらえる。市区町村によっては補助金が出るので安く使える場合もある。

知らない人も多いのが、保育園の土曜保育。父母の仕事の都合で土曜日面倒見られない…という場合は土曜日も保育してもらえる。

平日なら仕事で預けられるけど、土日は休みだし、うちは無理かな」という人は、自営業届を出すのがオススメ。自営業は紙1枚で開業できるし、届けを出しておけば土曜も見てもらえる。じつは保育園代も変わらない。

副業をやりつつ、土曜はゆっくりする。
別に売り上げがなくてもいいし、たまには取材と言う名の外出(旦那さんや奥さんとデート?とか)も良いんじゃないだろうか。充電できたら、もっと子供に愛情を注いだらいいじゃないだろうか。

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▲土曜保育を利用すれば、時間も作りやすい

こんな感じに、使えるカードはある。

子育てに対する世間の理解はイマイチだなぁと感じることもある。子育てしたことない人の「子育てなんて楽勝だろ」とか、なんか歪んじゃった人の「私も苦労したんだからお前も苦労しろ」的なやつとか、心無い人からの「自分の子供でしょ、好きで作ったんでしょ」とか。

制度的にも子育てには優しくない。
こちとら未来の納税者様を育ててるんだから、優しくしろー!」と言いたい笑。まぁ、今の制度に色々救われてもいるんだけども。

ぐだぐだな愚痴になってしまったけど、使えるカードが何か…を知っておけば、自分や家族が辛くなった、なりそうな時、なりたくない時に使える。

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▲自分が使えるカードを把握しておくのは、重要だと思う

今の僕と妻は、子育てできる自信がない。僕らはちゃんとできるだろうか…漠然とした不安を抱えている。

もっとも、子育てを自信満々にやってる人はいないのかもしれない(もしいたらちょっとバランス崩してるかな)とも思うから、あまり気張らない方がいいのかな。僕らの手元には、子育てを助けてくれるカードがあるのもわかってるし。

長男との面会はもう少し先だが、会えるのが楽しみだ。

温かく、彼を迎え入れたい。

つづく。

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