レインレイン・ボウ/加納朋子

1人でも欠けると9人を割ってしまう高校時代の弱小ソフトボール部。卒業から7年が経った今、当時から心臓が弱かった知寿子が逝った。

通夜の席で再会した、キャプテンの片桐陶子を始めとするかつてのチームメイト達は何を思うのか? 愛すべき女性、知寿子と関わりを持つチームメイト8人の今と、その胸の内。
7編を収録。

………………………………………

いつもながら、背筋の伸びた小説を書く人だと思う。
迷いや弱さがあっても、自分の進む方向を姿勢を正して見ることが出来る女性たちは、本当に魅力的だと惚れ惚れする。

主人公や、登場する人物が一貫した短編集…過去、私はそれを「連作」短編というのだと思っていた。しかし、加納作品に出合った頃から、単にそれだけではないことを認識した。

1話ずつが単独で成り立ちながらも、最終話でそれまで根底に流れていた一つの謎が完結する。
「連作短編」とは言わば、「長編の短編集」なのだ。

※2007年9月9日読了


この記事が参加している募集

#推薦図書

42,508件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?