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赤い花

赤いハイビスカスの夏は

沢山思い出すことがある

冬のとても寒い日の夜は

とても震えるほどの愛が言葉としてよみがえる

私が口にしたもの

お兄が手にしたもの

私がこの目で あの目を通し伝わってきた心

2人で乗った車が向かった先は

私が意識をなくしぶっ倒れたジムの下にある

2人の再会は

赤いハイビスカスの夏か

夏の終わる頃の

少しさみしさのつのる頃か


それとも、2人のすき間がほんとは

ぐっと縮まった あの頃のような

冬の寒い日の夜だろうか

あの2人の間に立ったドアは

私の記憶では、もう美しい花が咲いている

去りぎわに 逃げ去るあのときの

お兄の心配そうな 不安そうな目を

私は、赤いハイビスカスの香りとして残してゆきたい

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