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私は女性タクシードライバー

ライター 木下ジャパン
※事実を基にした妄想です。ひっくり返って藻掻いているセミのことをセミファイナルといいます。


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2位 モデル・歌手
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1位 とび職
2位 戦隊ヒーロー
3位 マネージャー

昔から「女の子なんだから」とか「女の子なのに」とか、自分を女の子として扱われることに違和感がありました。
それは別に自分が男の子になりたいからとか、女の子を好きになるからとかではなく
確かに女だし、女であることに違和感はないけれど、なぜか自分を女の子に分類されると心の中の侍が「やめよ…」とそっと刀を抜くのです。

これはたぶん自己肯定感の問題で、
幼少期に培う自己肯定感というものは人生のこじらせ度を決める重要な要素だと思うんです。
自我を確立する前から親に「かわいいね」と言われながら育てられた女の子は、「自信」という初期装備を持った状態で学生になっていくので、多少の困難は笑顔と自信で乗り越えられる朝ドラの主人公のようにポジティブ全開な人生を送れるのです。

一方、背中で語るタイプの親に育てられた女の子たちは、最低限犯罪を犯さないための教育くらいしか受けていないため、両親から「かわいいね」の言葉のみならず、友達の作り方やどんなことを言ったら嫌われるのか、など全てを教わらないままに学生になってしまうので、生きる術をすべて現地調達しなければならないのです。
毎日が生きるか死ぬかのデッドオアアライブ。まるで荒野に放たれたライオンの子ども。レベル1の主人公、初期装備「ぬののふく」「木の棒」のみ。

言わずもがな私は後者の家庭環境で育っているため、いきなり集団生活を強いられ、急に女の子としての扱いを受けたら、そりゃ脳も混乱しますよ。
だって自分のことライオンだと思ってますからね。

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もちろん「かわいい」と言ってくれることは素直にうれしいし、その言葉に悪意なんてこれっぽっちもないことは分かってはいるのですが、自分自身をかわいいと認めることに慣れていないだけなんです。

恋バナなんて一生できないとすら思っていました。
だって恋する女の子って一番かわいいじゃないですか。
その世界の住人に自分がなるなんて恥ずかしさを燃料にロケットが打ち上がるほど私にとっては無理なものだったんです。
恋は人並みにしてきたけど誰に打ち明けるわけでもなく、心の中でひそかに思い続け、気づけば好きな人に彼女ができて終わり。
自己肯定感の低い者の恋愛って儚いんですよ。

そんな思春期を過ごした私ですが、小中高大と社会経験を積むうちに対人関係のいろはも徐々に分かるようになり、それなりに恋愛も経験し、人並みの自己肯定感を補填することに成功しました。ありがとうございます。
あの頃とても苦痛だった恋バナも、今ではお手の物です。

そしてここからが本題です。導入が自己啓発本すぎて忘れかけていましたが、これ女性タクシードライバーのお話なんですよ。びっくりですよね。

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私は今、どういうわけかタクシードライバーとして働く日々を送っています。タクシードライバー=おっちゃんというイメージが強いと思いますが、(まあ実際おっちゃん多いんですけど)昨今は女性ドライバーも増えているんです。

タクシードライバーは車が運転できれば誰にでも目指せる職業ですが、車内(接客中)でのホスピタリティは重要なお仕事の一つです。
「道わかんないの?女の子だから特別に教えてあげるよ」なんて女の子特典をいただくこともありますが、深夜の酔客対応などでは男性のほうが頼りになります。

「男性ならではの気遣い」「女性ならではの気遣い」はありますが、「男性だから得」「女性だから得」とは簡単に分けられないのがタクシーの面白いところ。人間同士のコミュニケーションですから、得手不得手があって当たり前なんです。

私は幼少期、女の子であることにコンプレックスを持って過ごしてきましたが、この年になって思うのは性差なんて取るに足らない違いでしかないということ。性別で人間の価値は決まらないし、職業だって性別で決めなきゃいけないなんてルールはないし。タラタラと思うがままに綴ってきましたが、結局何が言いたいかというと

タクシーめっちゃ稼げるんで超おすすめっすよ。

女性だからってタクシードライバーになるなんて選択肢にすらなかったあなたに届いていたらいいな。

この妄想はこの記事を参考に書かせていただいております。
→新卒女性タクシードライバーに質問「女性だから得することはありますか?」
https://www.km-recruit.jp/drivers/drivers-graduate/25096

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