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【第4回:リクエスト記事】番組MC"Wユウト"誕生秘話

皆さん、お久しぶりです。クローバルPDです。前回の記事からだいぶ間が空いてしまってごめんなさい…
前回のコラムは読者の方からのご要望にお応えして"ONF"さんについて書かせていただきましたが、note公式さんにも取り上げていただいたりと、嬉しい反響がたくさんありました。ありがとうございます!

そして第4回となる今回も、読者の方からのリクエスト記事。テレビ東京「THE KLOBAL STAGE(ザ クローバル ステージ)」のMCがどのようにして決まったのか、番組MCキャスティング秘話を書いていこうと思います。

「THE KLOBAL STAGE」の始まり

日本人K-POPアーティスト

「THE KLOBAL STAGE」の始まりは、2021年の春にまで遡ります。

「K-POPの番組を作りたい」という、昔からK-POPが大好きなプロデューサーの思いから静かに構想が練り始められた本企画。実は最初の企画は音楽番組ではなく、日本人K-POPアーティストにフォーカスした番組内容でした。

いちK-POPファンとして、年々増えていく日本人K-POPアーティストの活躍を見ている中、彼ら彼女らの母国である日本で何かできないだろうか、海外の地で頑張る日本の若者を応援したい!そう思って考え始めた企画でした。

そうして2021年秋、上司に「この企画だけはどうしてもやらせて欲しいんです」と懇願して、最初の企画書を提出します。

K-POPアーティストによるK-POPのための歌番組

ただ、最初の企画は諸般の事情からなかなか上手く進まず、残念ながら2022年の初夏に頓挫。私も他の仕事に追われ、企画は自然消滅してしまいました。

一方で、世の中ではどんどんK-POP第4世代が人気になっていて、日本の民放テレビ局にもK-POPアーティストが続々と出演し始めていた時期。先を越されているような悔しい思いと、焦りの気持ちでいっぱいでした。そんな中、前々から感じていた「こんな番組があったらなぁ」という思いが「THE KLOBAL STAGE」誕生のきっかけになりました。

それは、
K-POPアーティストのパフォーマンスを多くの人に届けたい。
韓国のバラエティ番組で見るようなK-POPアーティストのリラックスした自然な姿を見せたい。
まだ日本で広く知られていないK-POPアーティストも取り上げたい。
という思い。

楽曲パフォーマンスを見せるなら番組の形態は音楽番組が良いし、K-POPアーティストが1番リラックスできるのは母国語で話す時だから―
《韓国語で進行するトーク》と《楽曲ステージ》を組み合わせた、K-POPアーティストに特化したK-POPのための音楽番組を立ち上げよう。毎週ゲストとして1組のK-POPアーティストを迎えれば、たくさんのアーティストを深く取り上げられる。

こうして前述の自然消滅してしまった企画を、K-POPという軸を残して大幅ブラッシュアップする形で書き上げた新しい番組企画ができあがりました。

ちなみに、なぜボーイズグループ限定番組になったのかについては、第2回のコラムの中で取り上げています。

ただ、ゲストトークは韓国語で進行するとはいえ、番組自体は日本で放送する日本の視聴者向けのものなので、視聴者に向けた主となる進行部分は日本語で行う必要がありました。韓国語と日本語を自在に扱えて、かつK-POPファンが納得するくらいK-POPに造詣が深い人が望ましい…

そこで、元の企画でフォーカスしようとしていた日本人K-POPアーティストに再び光をあてました。彼らがMCであれば語学面での心配はないし、ゲストも同業者ゆえ共通認識やバックボーンをお互い理解していて、リラックスしてスムーズに話しやすいんじゃないか。こうして日本人K-POPアーティストを番組MCに迎えることに決めました。

これが、K-POPアーティストによるK-POPのための音楽番組「THE KLOBAL STAGE」の誕生です。

番組MCを"Wユウト"にお願いした理由

具体的に「THE KLOBAL STAGE」の番組MCをどなたにするか決めていくにあたって、前項の理由から、MCは日本人K-POPアーティストに絞って考えました。

特に大きな理由はなかったのですが、MCは2人にしようと思っていたので、下記の3条件をもとにMC候補を出していきました。

①番組MCとしての話力
どんな番組でも、番組をスムーズに進行していけそうな人物かどうかがMCキャスティングの第1条件になります。制作サイドの設計図に沿って進行できるだけでなく、番組を進行するにあたって必要になりそうな事柄やエピソードトークをゲストから自然に引き出せて、時には番組がより盛り上がりそうな自身のエピソードトークまで盛り込めそうな人物だと、我々制作陣はとても喜びます。オファー時点でMC経験が豊富でなくても、出演コンテンツを見て可能性を感じて抜擢させていただくこともあります。

②番組を仲良く進めていけそうな2人
これは個人的モットーなのですが、出演者&制作陣を含めた制作チームの仲が良く、楽しい撮影現場であればあるほど、その雰囲気がカメラを通じて視聴者にも伝わって、より楽しく愛される番組になると思っています。なので番組MCの2人も、2人の仲はもちろん、制作陣とも仲良くやっていけそうな人物だといいなと思っていました。

③会話のキャッチボールの相性がよさそうな2人
ゲストヒントロケや番組のオープニング、番組の随所で出てくるMC2人の会話のキャッチボールがテンポよく面白いと、MC2人がしっかりと番組の顔としてたつし、より番組独自のカラーが出るのではないか、と考えていました。

ここからは読者の皆様が1番気になってらっしゃるであろう、なぜYUTOくんとUくんの2人にMCとしてお声がけさせていただいたのかに触れていきます。確か本人たちにも話したことがないので、完全な初出し情報です!

YUTOくん

YUTOくんのことは、もちろんデビュー時から存じ上げていました。
まだまだ日本人K-POPアーティストが少ない中でデビューされていたので注目していて、当初は寡黙な低音ラッパーという印象でした。

そんな中、MCキャスティングの決定打になったのは、YUTOくんのVlive(現Weverse Live)でした。
ある日、旧Twitter(現X)だったかと思うのですが、恐らくファンの方による「PENTAGONのYUTOくんのVliveが面白い」という投稿を偶然目にして、「寡黙なイメージのYUTOくんのVlive?!」と気になって見に行ったのがきっかけです。のちに、"安達節"と呼ばれていると分かった独特な話し方に「これは…!!!」と衝撃を受けました。
YUTOくんの"安達節"は、他の人が真似しようと思っても絶対に出来ない、YUTOくんだけの魅力。見ている人を虜にする才能だと思います。YUTOくんがMCなら「また見たい」と思うコンテンツになるんじゃないかと感じました。

日本のイベントなどでMCをしている姿も拝見して、安達節を生かしつつも、見ている人が安心してコンテンツを楽しめるような安定した進行をされる姿に、MCキャスティングオファーを決めさせていただきました。

Uくん

Uくんも、もちろんデビュー時から拝見していました。当時もまだ日本人K-POPアーティストは少なくて、YUTOくんと並んで日本人K-POPアーティストの先駆け的存在でしたよね。

Uくんは類まれなダンスの実力を持つ印象に加えて、ONFのお兄さんメンバーたちの話によく笑っている底抜けに明るいイメージがあって、そのイメージはMCオファーをする大きな理由の1つになりました。
MCは番組の顔となるポジション。ゲストとの対話の中で表情豊かにリアクションができるMCは、視聴者の方たちの気持ちも自然と楽しい気持ちしてくれて、番組全体を明るくする存在になると思っています。
Uくんの屈託のない笑顔と誰からも好かれるキャラクターは、視聴者に愛されるMC像にピッタリでした。

また、お兄さんメンバーたちが入隊してから1人で活動される姿も拝見していました。それ以前、MCの経験が決して多かったわけではないのに、お話の進め方に迷いがなくスムーズで頼もしいなというのと、大阪出身ということが影響しているのか?は分からないですが、相手の話を丁寧に聞いて丁寧に応える姿には、天性のMCセンスを感じました。

"Wユウト"のケミ(相性)

MC候補がひと通り出てからは、候補を組み合わせてMC2人の相性を考えていきました。

候補の中でも、元々同じ事務所で練習生生活をしていたというYUTOくんとUくんの2人はMC有力候補でした。
既に2人が顔馴染みで、本名が2人とも"ユウト"という点も魅力的でしたし、K-POP特化型音楽番組として、K-POP日本人メンバーの先駆け的存在をMCとして迎えられたら嬉しいなという思いもありました。

加えて当初から個人的に特に期待していたのは、2人の会話のキャッチボールの相性。
2人がそれぞれ活動する姿を見ていて、もしかすると2人の会話は自然にYUTOくんがボケ、Uくんがツッコミの役割になって、とても面白いやり取りになるのでは…?と想定していました。
皆さん、2人のやり取りはどうでしたか?

MCが"Wユウト"に決まってからは、特にゲストヒントロケはMC2人の魅力が最大限伝わるように、制作陣一同でこだわって制作していました。普通の番組だと編集で切ってしまうような部分も敢えてそのままにして、"Wユウト"だけの色が出るように意識していました。

余談ですが、ゲストヒントロケはヒント部分などの決まったセリフ以外は特に台本はなし。2人がロケを楽しむ様子をそのままお届けすべく、2人には「とにかく楽しめば大丈夫!」とだけ伝えていました。
ビジュアル撮影時から、その場にいた各社スタッフや取材陣から「ケミが良すぎる」と言われていた2人。ゲストヒントロケは、そんな"Wユウト"ならではの魅力が満載のコンテンツになったのではないかなと思います。

ゲストヒントロケが気になる方は、是非「THE KLOBAL STAGE【YouTubeコンテンツ集】」をチェックしてみてくださいね!(唐突の宣伝)

"Wユウト"だから成功した「THE KLOBAL STAGE」

テレビ東京が初めてK-POPに本格的に取り組んだコンテンツ「THE KLOBAL STAGE」。初の試みにも関わらず番組が成功したのは、MCを立派に務めてあげてくれたYUTOくんとUくんの存在がとても大きいです。

日本語で番組進行をするだけでも難しいのに、外国語である韓国語も織り交ぜながら番組を進めなくてはいけなくて、さらに時にはロケ、時にはエピソードトーク、そしてダンスチャレンジまで…並大抵の回しではありません。
2人にはたくさんのことをお願いしてしまって申し訳なかったという気持ちと、いつも制作陣の意図を汲んでパーフェクトに応えてくれて、感謝の気持ちでいっぱいです。

素直で真っ直ぐなYUTOくんとUくんが、毎回全力で楽しんでくれて、番組をより良くしようとしてくれて、みんなが幸せな撮影現場でした。制作陣の見えないところでも、2人で話し合ったり、事前に進行のための下準備をしたり、たくさん努力してくれたんじゃないかなと思います。回を重ねるごとに磨かれていく2人のMC力に、人知れず感動していました。
YUTOくんとUくんの2人が番組MCで心から良かったと思っています。

ゲストヒントロケ、番組を含め、出演者と制作チーム、事務所の方々まで、関わる全員が一生懸命に作りあげた「THE KLOBAL STAGE」。
実は「THE KLOBAL STAGE」が始まってから、テレビ東京社内でもYUTOくんとUくん2人のファンが増えたり、会社のお偉いさんが褒めてくださったり。
大人の都合もあって、残念ながら「THE KLOBAL STAGE」は一旦は幕を閉じましたが、いつか2人と、そして視聴者の皆様と、また番組という形で再会できたらいいなと制作チーム一同が願っています。

また、他のコンテンツやイベント、ライブでYUTOくんとUくんがMCをしている様子を目にすることも、日を追うごとに多くなっている気がしています。止まることを知らない2人のMC力と、お互いに第2幕を切り拓いて活躍する姿。自慢の番組MCだなぁと誇らしくもあり、嬉しい気持ちでいつも2人の姿を遠くから見守っています。

「THE KLOBAL STAGE」スタッフ一同、YUTOくんとUくんの今後の活躍も心から応援しています!!


次回の「KLOBAL通信」は、日本と韓国の番組収録の違いについて書いてみます。
似ているようで実は違いも多い日韓の番組収録方法。私自身、「THE KLOBAL STAGE」を収録しながら新しい発見の連続に驚きでした。

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