見出し画像

続・中古ECサイトの撮影フロー構築を任されている話【数々の失敗~そして伝説へ~】

みなさんこんにちは。株式会社KLD取締役のいとうです。

去年の年末、KLDでおこなっていたアドベントカレンダーというイベントの際に「商品化の撮影フローを作ってるけどほぼ行き詰ったよ!どうしよう!誰か助けて!」という旨の記事を書きました。

こちらの記事で最後に、「色々やったけどやっぱ行き詰ったかも!誰か!」と呼びかけたのですが、当然誰からも声はかかりませんでした…(人望がないので)

ではもうやっぱり一人でやるしかない!と一念発起し、クリスマス後~1月いっぱいくらいまで様々な撮影方法を試行し、現在なんとかこのフローなら回せるのではないか…というところまで持ってくる事が出来ました。

今回は、その苦労の軌跡をここに記したいと思います。
私個人は、元々カメラにはほぼ興味が無く、知識も無い本当に死ぬほど素人の者なので、こんな文章を書いてみても役に立つかは自信が無いですが、苦労している様をみて、中古EC事業者のみなさまに「わかる~」って感じで読んでいただけたら最高に嬉しいです。

中古EC事業における商品撮影で大切なこと

まず、このKLDというリサイクル衣料を主に取り扱う事業において、商品の撮影をする際に私が何を重視してフローの組み立てを行ったかをこちらにあげようと思います。

1.習得が簡単であること

会社の中で商品の撮影、採寸などを行うのは主にアルバイトの方です。
入社してある程度すぐに戦力になれること、人数を増やしていっても教育が容易であることが必要となるので、出来る限り簡単に、複雑な修正や撮影方法など、行うスタッフに熟練度が必要になるような部分は出来るだけ排除して、単純で習得が容易なフローにする必要があります。

2.ある程度誰がやっても再現できること

これがなかなか難しいところなんですが、同じ商品を撮影したとしても撮影時の明るさの設定、商品の色味が正しく写真で再現されているかどうかなどの出来上がった画像に対する判断は、個々人で結構ばらつきが出る部分だったりします。
したがって、出来るだけカメラなどの機材の設定を決めておく、撮影機材を置く場所などもしっかり決める、撮影画像の完成系を明確に示す、など、担当する者の解釈の違いによってばらつきが出る可能性のある部分を出来るだけ排除する必要があります。

3.以上をクリアして、ある程度のクオリティで数をこなせること

主に気を付けていたことは以上の2つで、あとはとにかくある程度のクオリティで、数をこなせることが何より必要です。
ある程度のクオリティとは、

・商品が汚く見えないしっかりとした明るさで、商品の色味を正確に伝えられる写真になっていること。(ホワイトバランスのズレ?によってオリーブ色が茶色っぽく…などはよくあるトラブルだったりします。)
・被写体が切れる事なく真ん中に捉えられていること(これ意外と難しいんですよ!)
・商品の状態(汚れ、ダメージなど)や魅力をしっかり伝えられるように、必要個所の写真がしっかり漏れなく撮影されていること。

とりあえず以上をクリアすることが大切かなと思っています。
無限にリソースがあって、1枚1枚の画像に無限に時間をかけていいよ!という状況であれば、いくらでも綺麗な写真を作る事は出来ると思います。

しかし、我々は悲しきリユース業者なので、「商品が常に1点もの」という強大な敵と戦っているのです。
1点の商品の写真にいくら時間をかけてもその商品が売れてしまえばその写真はもう使わない…
そうなると、1点の商品にそこまで時間はかけられないのです。悲しいですね。
したがって、ある程度のクオリティを保てる良いバランスの方法を見つけ、とにかくたくさん撮影する!という状態でスタッフのみなさんには突っ走ってもらう必要があるのです。

試行錯誤の日々

以上のことを踏まえ、色々な撮影方法、編集方法などを探す長い旅が始まったのでした…結構辛かったですね…

前回の記事では「ライティングを一応組んで、スマホで撮影してみる」という所にチャレンジし、コントラストがいまいち足りない…ということに悩んでいるところで止まっていました。
そこからの挑戦になります。

画像3

このセッティング+iPhoneで撮影していました。

以下に試した方法と実際の撮影画像をご紹介したいと思います。
これを見ればみなさん同じ轍を踏まなくて済みます!どうぞお役立てくださいね…

1.背景を光らせてみる(未遂)

みなさん、商品撮影をする際に「後ろから光を当てる事が出来る撮影ブース」というスペシャルアイテムがあるのをご存じですか?

前回の記事でご紹介した「ZenFotomatic」を開発、運営されているグラムス株式会社様がZenFotomaticをより最適に使えるぞ!というコンセプトで販売されている魔法の機材です。

どういうものかというと、光るんですよ、背景が。
背景用の乳白色の板に、後ろからLEDの光を透過させて背景を光らせるという代物です。
それによって背景の影が薄くなり、ZenFotomaticでの自動切り抜きがより確実に出来る!というコンセプトのものですね。
これを見た私は、「ZenFotomaticを使うにしても使わないにしても、これは白いアイテムなども明るく綺麗に撮影できて、撮影に革命がおこるのでは…!?」と考えました。

光る板


実際、他社様の出品商品などを拝見した際に「これは後ろから光、当ててるね…!」というものがあったりします。
結構大手の所などでも使われている様子があったので、これは良いんじゃないか?と。

しかし、こちらの商品はお値段約7万円。
上手くいくかわからない(私の思いつきの)施策のための投資としてはなかなか安くはない金額です。

そこで、事務所に偶然あった乳白色の板(たしか店舗用什器の残骸でした…)に、後ろから光を当てて試しに撮影をしてみる!ということをしてみました。

結果、

画像1

画像2

うーん…よくわからないね。

ちなみに撮影はスマホです。
この時はスマホでの撮影を諦めておらず、ライト4つのセットに+αでミラクルが起きるんじゃないかと思っていたので…

確かに後ろから光っている様子は写っていますね。
しかし、これで当時のスマホ撮影で抱えていた問題が解決されるかどうかはわからない…
ここで若干心折れたので、この案は頓挫したのでした。

頓挫

2.スマホ撮影で背景切り抜きが出来ればいいのでは…?

次に思いついたのは、「スマホで撮影した時に、コントラストが弱くて背景とアイテムの色のバランスが取れなかったから、背景の色は捨ててそこを切り抜いてしまえばいいのでは?」という案でした。

コントラストが弱いというのが具体的にどういう事かというと、スマホで撮影した画像は、明るさを確保しようとすると色褪せたような感じになり、アイテムの色を現物に近づけようとすると背景が暗くなっていたのです。

画像4

↑ ①商品の色を正確に出そうとした場合。背景が暗い…

画像5

↑ ②必要な明るさを確保した場合。商品の色が色褪せる…

画像6

↑ ①の画像の背景を除去すれば、暗い印象が無くなりこんなステキ画像に!

もちろん、これらの写真の明るさを編集していけば必要な条件を満たした写真を作る事は出来るのですが、それを1点ずつやっていてはスタッフが行った時の再現性が確保できない&作業に時間がかかるので、この時は編集を極力無くすというミッションのもと、フローを作っていました。

そこで、上記の1枚めの写真のように、アイテムの色を正確に表現することを優先した写真を撮り、自動で切り抜けるような仕組みを作ればいいのでは?という事になったのでした。

そこで、色々なツールを考案した結果、remove.bgというツールが何やらすごいぞと言う事になりました。これは弊社の敏腕エンジニア、犬のアイコンの人が教えてくれたものでした。

こちらが神様のごとき背景除去を可能にした、remove.bg様です。

これはちょっと本当に訳が分からないくらい精度が良かったです。しかも基本的には無料!
他にも色々教えてもらったのですが、このツールだけずば抜けて切り抜きのミスが少なかったです。(どうしても白い服の端っこや色の薄い部分をAIが背景と認識して切り抜いてしまったり…ということは多々あるのです。)

「これで背景を自動選択して切り抜いていけばいいじゃん!」

そう思ったのですが、これを1つ1つに適用していたのでは時間がいくらあっても足りません。

そこで、こちらのアプリに課金することでPhotoshopの中で動かせるようになるっぽい→この切り抜き処理をバッチ処理(Photoshopの超便利な自動処理の名称)に組み込んで写真をぶち込めば解決じゃん!
となったのですが…

様々な方法を試したんですが、どーーーしてもremove.bgの切り抜きが自動処理に組み込まれてくれないのです。
普通にアクションを録画するやつ、スクリプトを作って登録するやつ…などやってはみたけどだめでした。

これはもう私にはこれ以上厳しいかも…と思い、この案はここで頓挫したのでした。

頓挫 (1)

3.グリーンバックってどうなの?

次に、Photoshopでの切り抜きをそもそも使ったらどうやねん、という話になり、「そういえばグリーンの背景で写真撮るやつってどうなんだろうね?」という事を思いついたのです。

グリーン背景で撮影→そのグリーンの部分を除去してね!という自動処理の指示をPhotoshopにさせてみてはどうかという目論みです。

そこで早速、グリーンの背景で撮影してみるべく、アマゾンでグリーンの背景用の布を購入。(たしか2,000円しないくらいでした!安い!)
それを試してみる事になったのでした。

結果は…失敗しました。

グリーンの背景で撮影、その写真からグリーンの部分を切り抜く、という指示を出してPhotoshopに切り抜いてもらう事自体は、一応は出来たのです。

画像12

↑グリーンバックで切り抜いた成功例。一応切り抜けてはいます。

しかし、自動処理に組み込んで複数枚の写真を一気に処理できるフローにならなければ意味がないのに、撮る写真によって背景のグリーンの色が変わってしまうのです。

その状態で複数枚の写真に「このグリーン色を切り抜いてね!」という指示を出しても「このグリーン」という基準がブレてしまうため、Photoshop君が混乱して上手く切り抜くべきグリーンを認識できないという事が起こりました。

画像10

画像11

↑明るさの違いや、撮影する商品の色の違いによるホワイトバランスのブレで、同じ背景布を使っていても、違ったグリーンに写ってしまいました。こうなるとPhotoshopで「このグリーンを除去してね」という指示が一括で出来なくなります。

しかも、グリーンバックで撮影した写真は、微妙に緑色が服に反射するんです…
背景のグリーンを切り抜きで除去できても、服にあるはずのない謎の緑色が写り込んでしまい、本来の服の色を邪魔してしまっているいまいちイケてない写真が出来上がってしまうのです…。

画像9

↑肩~腕のあたりに商品のカーキ色とは違うグリーンが映っているのがわかるでしょうか…ちょっと違和感…。

(正直、他社様の商品写真でグリーン背景で撮影したであろう商品写真はこれが理由ですぐにわかります。あまり多くは無いですが…)

こりゃ実用は厳しいねー…となり、この案はここで終わりました。

頓挫 (2)

4.スマホとの決別

ここまでスマホで色々試してきて、私は思いました。

「もう…スマホはいいや…」と。

そもそも今までずっと一眼レフでの撮影をしていたのに、なぜスマホでの撮影を試みていたのかというと、

・最初から正方形(アスペクト比1:1)で撮影が出来る!(ヤフオクなどに出品する際に、通常の長い写真だとサムネイル表示された時に商品が切れてしまい、全体像が伝えられないという事態を避けるため正方形の画像に加工して出品していたのです…)
・なんか使ってた一眼レフよりスマホの方がホワイトバランスちゃんとしてくれんじゃね?という期待(非常に曖昧な期待…。その時使用していた一眼レフが10年くらい前のモデルだったという事もあります。)

以上の2つの事から、スマホでの撮影を色々試みていたのでした。
しかし、ここに来て「もうスマホはあかん…」となり、これらの条件を満たせる一眼レフがあれば何かが解決するのでは…そんな淡い期待を抱いて私は中古カメラ屋さんに向かったのでした。

そして中古屋さんのお兄さんに欲しい条件、予算を伝えたうえで、導かれるままに購入した新しい一眼レフがこちら…キャノン EOS Kiss X8iちゃんです!!(デデーン)

画像14

ちなみに、以前使っていた一眼レフはアスペクト比1:1での撮影が出来ず、それが一眼レフでは普通なのかな?と思っていました。

そこでお店に行く前に知識を付けておこうと、私がいつも困った時に質問しにいく心のオアシス・ヤフー知恵袋に「アスペクト比1:1で撮影が出来る一眼レフの機種を教えてください!」という質問を掲載したら、「え…普通だいたい出来ますけど…?笑」というような回答を複数いただきまして、正直若干イラっとしつつも得心していたのです…。

しかし、カメラ屋さんで伺ったところ、意外とどれにでも付いてくるような機能では無いようです…ヤフー知恵袋の皆さん、プロがそう仰ってましたよ?見てますか?

そんな形で、KLDに新しいカメラがやってきたのです。

5.新しい一眼レフ+Photoshopでのバッチ処理

そんなわけで、新しい一眼レフで撮影をすることになりました。
これまでの一眼レフでの撮影の際には、

・ソフトボックスのストロボ×1(天井に照射して光に偏りが生まれないようになんとか工夫)
・その他の照明は無し

という状態で撮影をしていました。
その先入観があり、新しいカメラを導入してからもストロボを使う形でセッティングを組んで撮影していました。

ストロボを発光させて撮る際に、ひとつ問題になることがあります。
しつこいようですが、我々中古EC事業者の撮影対象は様々な色、素材、形の1点ものの商品の数々…そんな商品達を出来るだけ効率よく撮影していくために、カメラの設定を1つに決め、設定などをいちいちいじらなくても連続でどんどん撮影が出来るようにしたいのです。

そこをかなり強く意識してフローを構築していたため、白い商品から黒い商品まで、1つの設定で撮影が出来るようにという事で、白い商品がギリギリ白飛びしない明るさを軸にして撮影していくというセッティングを組んでいました。
(同じ明るさで白いものと黒いものを撮影すると、白い商品は背景が暗めに、黒い商品は背景が明るめに物は暗めに写ります。)

そうすると、白い商品に合わせた設定なので白い商品の写真はそのままで良いのですが、黒い商品はちょっと暗い感じの写りになるので、修整をする必要が出てきます。

しかし、1枚ずつ修正するのでは手間が増えて本末転倒…。
そこで、Photoshopの自動処理の力を借りる事にしたのでした。

具体的な施策としては、それぞれ白い服、黒い服、中間色の服というカテゴリに分けて、それに応じた明るさ調整の自動処理をほどこせば良いのでは…?と思い、Photoshopのドロップレットという機能を使う事にしました。

このドロップレットは、自動処理を仕込んだアイコンを任意の場所に置いておき、そこに加工したい画像をドラッグアンドドロップするだけでバッチ処理が勝手に行われるよ!という、夢のようなシステムなのです…!
これにより、Photoshopを使う事が出来ない人でもPhotoshopの恩恵を受ける事が出来るのです…!すごい!

画像15

↑○の付いている矢印アイコンがドロップレットです。

とりあえず、

・切抜き
・暗い色

・普通の色
・白

という感じで、それぞれの商品の色に応じた明るさの変更や切り抜きを仕込んだドロップレットを作って「Photoshop使う用」のPCを用意し、そこでスタッフの皆さんに画像処理を行ってもらう…というようなフローにしてみました。

それを実践してもらった結果、良い点と悪い点が浮かび上がってきたのでした…

良い点
・画像編集のスキルが無いスタッフでも、元の商品の色から判断して自動編集にかける事が出来る!
・今まで使っていた一括切り抜きソフトよりもお金がかからない!あとちょっと作業が早い!

微妙な点
・スタッフが自分で「これは暗めの色」「これは中間の色」…というのを判断しなくてはいけなくて個人差が出る
・一括の自動編集なので、プレビューを見ながら編集を行う事が出来ず、出来上がってから仕上がりを確認しないといけない
・切抜きコマンドを使った編集をする時に、どうしても切り抜いちゃいけない所を切り抜いてしまう

これで自動的に編集できる!とは思ったものの、やはり「どの明るさ、色の物にどのドロップレットで対応するか」という判断をスタッフにゆだねる事になってしまい、ここに熟練度が必要になってしまったのが一番のダメな点でした…。
こればかりはスタッフの皆さんが悪いのではなく、「個人の目で見て判断する」という曖昧な基準で、フローの中の一番大きな決定をするという仕組みの問題で、それが結果的にかなりの弱点となってしまいました。

また、一括で編集できるという事の悪い点として「一気に編集したものを後から一気に確認する」というのが実際にやってみるとなかなか大変でミスが多く、結果的にちょっとまずい仕上がりの写真がそのまま商品情報として世に出てしまうという事になったのでした…。

画像21

画像22

↑切り抜いちゃいけない部分を切り抜いちゃう場合の一例。上は元画像、下は切り抜き後です。白い商品などでは結構頻繁に起こるやつです。

こういった様々ないまいちな出来事が重なり、スタッフさんの事も無駄に疲弊させてしまうというダメな結果となってしまったのでした…。

頓挫4

6.新しい一眼レフのみでほぼ編集なし

それから数日…アイデアが枯渇し、全てに疲れ果てていた私は、ドロップレット案が頓挫しているにも関わらず、パジャマから着替える事もなく、カップラーメンを自宅で食べながら、惰性でスタッフさんにそのちょっとまずいフローで撮影を続けてもらうという日々をだらだらと過ごしていました…(多分2日くらい)

そんなある日、普段は撮影を担当しないスタッフのSさんが、イレギュラーで急ぎの撮影をする事になり、複数点写真を撮ってくれたのです。

そして撮影をし終わった画像を受け取り、気付いたのです。

「これ…ストロボ発光させるの忘れとるやんけ…」

ストロボを発光させた写真は一瞬で強い光を当てるので、微妙な影などのニュアンスが飛んで無くなるという点があります。(ちょっとのっぺりした感じになる)
しかし、この時の写真には生地に落ちる微妙な影などが写っており、なんかとにかく良い感じに写っていた事で気付いたのです。

そして、ストロボを発光させていないのに、明るさ、ピントなどがある程度良い感じだったのです…!

私は今まで、一眼レフで撮影する時にはストロボ必須でしょと考えていて、その先入観にとらわれていました。

しかし、機材が最新のものになった事で、今までイマイチだったストロボ無しの撮影が出来る事に偶然気付いたのです…!(本当に自分はカメラの事に疎いなと思います…)
Sさん、偶然とはいえまじでありがとうございます。

そこからは、何も無しだとちょっと足りない部分を、元々スマホ撮影の時に使っていたボックスライト×2と、下から照らすリングライト×2で照らして、ストロボ無しのマニュアルモードでの撮影をしてみる事にしたのでした。

画像16

↑この環境+一眼レフという布陣になりました。

すると…めちゃくちゃ綺麗に写るではありませんか…!まじで「え、今まで私がやってきた事って一体…」ってなって膝が震えましたね。

画像17

画像18

↑ストロボ無し+未加工の写真たち。まじ許容範囲…全然きれい…何これ…

しかしどうしても、一つの設定で真っ白い服から真っ黒な服までを撮影する事は難しかったので、その部分だけ、撮影者にISO感度(撮影時に明るさを決める何かアレ)を操作してもらうという事は必要になりました。

「黒い服撮影する時はISO3200を基準でお願いします!」
「真っ白い服だったらISO800でまず撮ってみてください!」

というように、大体の商品の色とそれに対応するISO感度の設定を決めておいて、撮影スタッフに操作してもらう形にしました。
それで常に撮影しながら仕上がりを確認してもらい、まずそうならISO感度を一つ上、もしくは下に調整して再度撮る…というようなやり方です。

今のところ弊社では撮影担当者が2人のみの体制なんですが、「このくらいの状態が美しい写真です!」という基準をはっきり示す事で、この操作はクリアする事が出来ました。

そして、この方法をもって、現在のフローが一応、完成という形になりました。長い旅でした…

ただどうしても撮影者のセンスや熟練度に依存する個所は無くなってはいないので、ここもまだ一つの課題かな…という風には感じています。
スタッフが増えた時に、より効率よく教育する体制を作る必要があるかもしれません。

また、ISO感度だけを操作して撮影すると、概ね大半の写真は綺麗に撮る事が出来るのですが、どうしてもそこから漏れる(どのISO感度で撮ってもどうしてもしっくりこないやつ)物も稀に出てくる…というのはあったので、そういった物は画像編集ツールで簡単に明るさを微調整するという事だけはしてもらっています。

ここも当初の目的であった「編集無しでいけるフローに!」というのを今一歩実現出来ていない部分になってしまっているんですが、当初イメージしていた「編集する」という作業よりもはるかに少ない労力で抑えられているのでひとまず良しとしました。

さいごに

現在はこのフローで撮影を行い、今のところ大きな問題は出ていません。
それどころか撮影、編集に使っていた時間がかなり圧縮され、1日に消化できる撮影商品の数をかなり増やす事が出来ました。
しかもツールなどに使う費用も0円になりました。(これが結構地味に嬉しいところです)

色々やって終わった結果、「新しい機材、最高!」という話でしか無いような気がして悲しいのですが、色々と試みて学べた事があったのと、「ここまで苦労したのに、これで終わるのまじで悲しいからnoteにでも書こうかな!」と思えるきっかけが出来たのでこれはこれで良かったかなと思います。

長々と書いてしまいましたが、ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。
書いていくうちにどんどん長くなっていってちゃんと終わらせられるのか…?と不安だったのですが一応最後まで書き上げられて良かったです。

新しい機材は最高です。もし古めの機材で苦労されてるEC業者の方、いらっしゃいましたら新しいカメラの購入をお勧めします。

おわり


この記事が参加している募集

#最近の学び

181,034件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?