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【フレディ命日】クイーン「オペラ座の夜」のすすめ

母親がQueen好きで、俺が生まれた頃にはもうフレディはこの世にいなかったが、小さい頃からPVを見させられ、「フレディ気持ち悪くて面白いなあ」くらいに思っていた。またいい声だなあと思って好きだった。

中学に入るくらいからロックなどにも興味が出てきて色々聴いたが、Queenはロックの文脈で捉えてもかなり異色の存在だと気づいた。プログレのような、グラムのような、ハードロックのような、80'sポップのような、でもそのどれでもない。

特にボーカルのフレディの作る曲はもうフレディとしか言いようのない曲ばかりで、その特徴がよりよく出ているのは初期のアルバムだと個人的に思う。

初期の5thくらいまでのアルバムはとにかくフレディの優雅さ、貴族趣味が表れており、当時の日本女子がハマったのも何となくわかる。その分主流だったハードロック勢よりナヨナヨしているような曲調なので、当時マッチョが正義だったロック界での評判はイマイチだったが、多額の予算をかけた4枚目のアルバム「オペラ座の夜」でフレディの世界観が爆発し、世界的に大ヒットした。

「オペラ座の夜」はコンセプトアルバムである。
コンセプトアルバムとは、ビートルズのサージェントペパーズとか、ピンクフロイドのザ・ウォールのような、アルバムを通してテーマが与えられているアルバムのことである。「オペラ座の夜」もコンセプトアルバムであるため、アルバムを通して統一感があり、さらに曲も粒揃いである。

例えば話題になったのはテープが擦り切れる一歩手前まで、多重録音に多重録音をかさねて作り上げられた「Bohemian Rhapsody」で、「オペラ座の夜」の最後の曲として収録されている。
ロックとオペラを融合させた6分の大曲。オペラパートやロックパートをフレディに言われるがままにバラバラに録音し、フレディ以外のメンバーも最終的にどのような曲になるのか完成間際まで分からなかったそうだ。

(正確には最後の曲ではなく、ボヘミアンラプソディの後にはギターで奏でられる英国歌God Save the Queenでオペラ座が閉幕する。クイーンのライブの最後には必ずこの曲が流れる)

もちろん「オペラ座の夜」においてボヘミアンラプソディだけが名曲だということではなく、例えばベースのジョンの「You're My Best Friend」は有名だし、それ以外の曲も、例えばスキッフル調の「'39」、美しいバラードの「Love of My Life」はQueenファンの中で隠れ名曲として人気だし、「Lazing on a Sunday Afternoon」や「Seaside Rendezvous」などフレディらしい優雅な曲もよいし、ギタリストのブライアンの「Good Company」もぴったりオペラ座の世界観にハマっているし、「預言者の歌」も神秘的なプログレ曲としていいところに収まっている。要するに全部の曲の完成度がとても高い。

なお、ジャケットの裏側には「No Synthesizer!」と誇らしげに書いてあるところもポイント。先ほど紹介した「Seaside Rendezvous」にはブラスっぽい音が入っているが、正体はドラマーであるロジャーの高音ボイスである。

Queenそしてフレディといえば子供の頃は、すぐ裸になる、面白くてちょっとすごいおじさんのイメージで、懐メロの人、で終わらせていた。聴いていたのは割とポップなヒット曲ばかりだった。そんな人も多いのではないだろうか。

しかし成長して「オペラ座の夜」を聴いてからは、フレディはすごい芸術家であり表現者だということがわかった。

ロックバンドのフォーマットをとっているだけでロックではない。だから「ロック」として評価はされなかった。でもフレディは別にロック曲を作ろうと思っていたわけではないだろう。フレディの中にある音をロックの形を借りて表現したのみ。だから普遍性を持った曲たちが今に至るまで皆に愛されているのだと思う。

Queenといえばウィーアーザチャンピオンとかウィーウィルロックユーなどしか知らない人には、

そんなフレディの世界観が結実したコンセプトアルバム「オペラ座の夜」を、フレディの命日である今日、ぜひ最初から最後まで一回通して聴いてみてほしい。

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