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エッセイ集

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小説以外で書いた覚書などを掲載します。
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2014年8月の記事一覧

エッセイ集 目次

エッセイ集 目次

エッセイ集マガジンに掲載した記事が増えてきたので目次を作成しました。

96.時代による感覚のずれ 2015/2/13

95.時期連載について 2015/2/10

94.地球史を眺めて改めて思うこと 2015/2/06

93.地球の成り立ち(15) 2015/2/05

92.地球の成り立ち(14) 2015/2/03

91.地球の成り立ち(13) 2015/2/02

90.地球の成り立

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透明であること(2)

透明であること(2)

 「透明であること(1)」で書いた通り、透明であるためには、可視光を吸収して透過する必要があります。どういう構造だと光が通り抜けるようになるのでしょうか?

 可視光が通り抜けられるようになるには、条件があります。それは、可視光の波長よりも、ものを構成している塊の単位が小さい必要があります。可視光の波長は、「光沢とは何を見ているのだろう?(2)」で書いたように数百nm(ナノメータと読み、1nmは、

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透明であること(1)

透明であること(1)

 私たちが目で見ているもののほとんどに色が着いています。昨日買った通勤用のバックは、紺ですし、通勤中に読むKindleのカバーは黒い色をしています。日比谷線のカラーはシルバーで、朝飯を食べるために寄った牛丼屋の看板はオレンジでした。ただし、それ自体が光っている物以外は、蛍光灯や太陽といった光源がないと色として認識することはできません。

 このように、私たちは、光源から放たれた光がものにあたって、

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広島の災害を観て改めて思うこと

 まず、行方不明の方の一刻でも速い救出と亡くなられた方へのご冥福をお祈り致します。

 グーグルマップで広島の被災地の航空写真を見て思ったことがある。

 どうして自然の造形を無視して造成を続けるのか。

 どこもかしこも山の裾野まで住宅地がひしめき合い、場所によっては斜面を削ってまで造成されているところもある。

 地球上の川は、川の全長が直線距離の3.14倍(π)になるという。つまり直線で行け

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光沢とは何を見ているのだろう?(3)

光沢とは何を見ているのだろう?(3)

 前回までで、話は終わりましたが、ちょっとおまけを書こうと思います。

 最近の自動車は、かなりカラフルになってきていると思いませんか。メタリックカラー(光沢のある色)がかなり増えているような気がします。そういえば、新型のクラウンが発売されたとき、ショッキングピンクのクラウンにプレミアがついたと聞きました。昔、赤系統それもピンクのような淡い色は耐候性が悪く実用化が難しいといわれていました。

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光沢とは何を見ているのだろう?(2)

光沢とは何を見ているのだろう?(2)

 前回の話で、「金属光沢は、光をほぼ100%反射することで輝いて見える」と書きました。そして、「自由電子の動きが金属光沢を作っている」とも書きました。今回は、この2つを結びつけます。

 まず、光です。光って、なんかつかみどころのないものですよね。目には見えているけれど実際に手に取ることができない。そう、光には質量がないので実際にそれを持つことができません。その上、すごいスピードで移動しています。

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光沢とは何を見ているのだろう?(1)

光沢とは何を見ているのだろう?(1)

 オリンピックのメダルの色として誰もが知っている金、銀、銅。材質の名前でもありますが、なんと言ってもその輝きが魅力なのでしょう。みなさんは、ゴールド色と黄色、シルバー色とねずみ色の違いはなんだと思われますか? そう光沢があるかないかの違いです。いわゆる金属光沢といわれているものが、同じ色合いなのに両者を分けています。さて、この金属光沢とはどういったものなのでしょうか?今回は、そんな金属光沢の話です

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生物のサイズはなぜ今のサイズなのか?(4)

生物のサイズはなぜ今のサイズなのか?(4)

 前回は、「気まぐれな分子の動きに影響を受けないためにはある程度の大きさが必要なのだが、どうも遺伝子のサイズはこれに当てはまらない」という話で終わりました。そして遺伝子に記録されている内容が世代を超えて継承されていくことを考えるとただ大きいサイズにすればいい、ということではないらしいことも最後に述べました。

 いままで、分子についてあまり説明してきませんでしたが、もう少し分子について説明する必要

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生物のサイズはなぜ今のサイズなのか?(3)

生物のサイズはなぜ今のサイズなのか?(3)

前回は、主に体の中にある細胞について述べましたが、この細胞たちの大きさは、約数μmから数百μmぐらいの大きさでした。細胞が元になって作られている体の器官は、当然のことながら細胞よりもサイズが大きいことになります。

細胞やそれが作り出している体の器官には、原子がふくまれています。原子の大きさは、1/10 nm ぐらいです。体の器官には、天文学的な数の原子が存在しています。

前回、体の

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生物のサイズはなぜ今のサイズなのか?(2)

生物のサイズはなぜ今のサイズなのか?(2)

初めての方は 前回の容内 からお読み下さい。 

ヒトは、受精した卵細胞が分裂、増加を繰り返し、体の各器官を作り上げ、最終的に自分の体をつくっていきます。その細胞の総数は、60兆個といわれています。一番大きな細胞は卵細胞で、その大きさは約200μmです。一番小さい細胞は精子で、約2.5μm。

※ それぞれの細胞の大きさは、こちらのホームページを参照下さい。

体の中で一番多い細胞は赤血球

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生物のサイズはなぜ今のサイズなのか?(1)

生物のサイズはなぜ今のサイズなのか?(1)

 みなさんは、普段もののサイズを測るときに何を使いますか?身長であれば身長計(この名前初めて知った)、机の寸法であればメージャーか定規っといったところでしょうか。

 このとき使う単位はおそらくメートル(mと書く)だと思います。いやいや、おれはセンチだとか、わたしはミリだという人もおられるでしょう。しかし、センチやミリは、メートルを基本にした単位の接頭辞(せっとうじ)というもので、正式には、センチ

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化合物は日常で日々作られているけど、元素は簡単には作られない。(2)

化合物は日常で日々作られているけど、元素は簡単には作られない。(2)

 前回、元素は簡単には作られないという話を書きました。今回は、元素と元素が化学反応して化合物(もの)になることについて述べたいと思います。

 化合物というと、聞き慣れないかもしれませんが、化合物とは化学反応でできたものという意味です。従って、「化合物」は「もの」の一部です。代表的な化合物は、水、酸素分子、鉄、タンパク質、でんぷん、ブドウ糖などです。

 もともと、元素の最小単位である原子は非常に

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