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ドラム式洗濯機購入をパートナーから反対されているあなたへ

まんまるツヤツヤに見える月の裏側が、実は凸凹でとても汚いというのは有名な話です。
自分が見えるものが全てではありません。それは家事についても同じこと。
その家事には、「担当じゃない方」からは見えない隠れた作業が山程あるのです。

本日は、時短のためにドラム式洗濯機を購入したいのに、パートナーから「でもそれって洗濯物を干すのが省略されるだけでしょ?」等と言われ賛同を得られない方が一矢報いる材料を提供できればと思います。


はじめに

ロボット掃除機や食洗機と並んで、ドラム式洗濯機が忙しいワーキングペアレンツを助ける時短家電の代名詞となって久しいです。
にも関わらず、ドラム式洗濯機購入を躊躇する層がまだ一定数いるのは、その初期費用の高さが一因と思われます。
実は我が家でも、激務ワーママ時代に睡眠時間を1日5時間は確保したいとあれこれ奔走していたにも関わらず、ドラム式洗濯機を購入したのは2024年に入ってからでした(この決断の遅さ、めちゃくちゃ後悔)。

洗濯以外の時短術は、こちらにも書いています。

ドラム式洗濯機は標準的な機能を備えたものだと概ね20万円は超えてきます。この記事では、果たしてこの20万円の初期費用はちゃんとペイできる(元が取れる)のか?いつごろできるのか?に絞って考えてみました。

我が家の洗濯事情について

【洗濯方法】
Before:縦型洗濯機(6kg)を使用。基本は外干し、雨の日は浴室乾燥を使用
After:ドラム式洗濯機(日立ビッグドラム BD-SV120J、洗濯乾燥6kg/洗濯12kg、購入価格20万円)を使用。乾燥まで実施
【洗濯頻度】1日1回
【洗濯内容】大人2人分(おしゃれ着無し)+3歳長女分(保育園児のため平日は着替えは2セット分)+0歳次女分+バスタオル4枚
【洗濯時刻】朝

結論:年間80時間節約でき初期費用は2年でペイできる

我が家の洗濯事情の場合、ドラム式洗濯機導入により年間で80時間節約でき、20万円の初期費用は2年でペイできるという計算になりました。
以下で詳しく書いていきます。

節約できる毎日の作業

①天気予報を確認する(1分/日→6時間/年)

さっそく、洗濯「担当じゃない方」の皆様にとっては月の裏側を見るようなお話かもしれません。
外干しする場合、その日の天候を確認する必要があります。
朝晴れていても昼以降は天気は崩れないか、洗濯物が飛ばされるような強風はないか、気温はどうか(低すぎると乾きが悪い)…
お天気アプリやテレビの天気予報、もしくはそれらを複数見た上で外干しGo/Not Goを判断するのです。
1日の内で貴重な朝の時間と朝イチのスッキリした思考力のいくばくかがここで消費されます。
ドラム式洗濯機で乾燥まで実施すると、この時間と思考力が節約できます。

②洗剤・柔軟剤を投入する(30秒/日→3時間/年)

液体や粉洗剤の場合は、小さいカップに刻まれた小さい目盛りに従って適正量を投入します。朝、寝ぼけているとよくこぼします。キューブ型洗剤の場合はもう少し楽になります。
多くのドラム式洗濯機では洗剤・柔軟剤の自動投入機能があるため、この時間とこぼした際のタメ息が節約できます。

③洗濯物を干す(10分/日→61時間/年)

我が家では洗濯は私が担当しています。
「担当じゃないほう」の夫に、洗濯物干しってどれくらい時間がかかると思う?と聞いたところ、「3分くらい?」と返ってきました(そんな訳ないだろ)。
実際には、10分弱かかります。
洗濯物を干すというひとつの行程にも、たくさんの月の裏側があります。例えば以下のような作業です。

  • シワになりそうなものはパンパンとはたいて伸ばしてからハンガーにかける

  • まくったままになった袖をもとに戻す(そのままだと袖だけ乾かない)

  • 乾きづらいものは陽のあたりやすい場所にポジショニングする

これら全ての面倒くさい作業にかける時間と、特に冬場は外が寒くて止まらない震えを、ドラム式洗濯機で乾燥することにより節約できます。

④ドライヤーで髪を乾かす(2分/日→12時間/年)

ドラム式洗濯機を導入してまず感動したのが、バスタオルの仕上がりでした。
丸一年間毎日使ってガッシガシになったバスタオルを年始に初めてドラム式で洗濯乾燥したあと、私は彼らに土下座しました。
君たちのポテンシャル、見くびってました。
ふわふわかつ、吸水性もばっちりになりました。
その恩恵として、剛毛・多毛・ミディアムの長さの私と長女の風呂上がりのドライヤー時間がそれぞれ1分ずつ短縮できました。
家事の時短ではありませんが、これは嬉しいサプライズでした。

節約できる毎月の作業

⑤洗濯槽のゴミ取り(2分/月→0.4時間/年)

縦型洗濯機のネットに溜まったゴミを取り出す作業は不要になります。
しかしドラム式洗濯機の場合、これに代わる新たな作業が必要になりますので、後述します。

節約できるその他の作業

⑥予期せぬ雨での洗濯やり直し(11分半/回→1.9時間/年)

予期せぬ雨に降られる確率って、どれくらいだと思いますか?
気象庁のデータによると、降水の有無の予報の的中率は83%だそうです。
ちなみに、年間の降水日数(1mm以上/日の降水がある日数)の全国平均は116日。
つまり1年のうち、116日×(100%-83%)=約20日は朝に外干しした洗濯物が予期せぬ雨に降られて濡れているかもしれません。
ここではこのうち約半分の日で、上記の①②③の毎日の作業をやり直すと仮定します。

増える毎日の作業

ドラム式洗濯機購入をパートナーに持ちかけた際に、「時短っていうけど、ドラム式って結構メンテめんどくさいらしいよ」と反論された方も多いのではないでしょうか。
実際にはどれくらい新しい作業が増えるのかを書いていきます。

⑦蓋の周りのほこり取り(30秒/日→3時間/年)

洗濯乾燥が終わるたびに、蓋の周りに結構なほこりがつきます。
しかし、ティッシュで蓋の周りをすーっと一周すると概ねキレイに取れてくれます。所要時間は30秒ほどです。

蓋の周りのほこり、こんな感じです。ドラム内にはほとんどほこりは入っていません。

増える毎月の作業

⑧フィルター、排水ホースの掃除(4分半/月→0.9時間)

我が家の購入したドラム式洗濯機は、従来は洗濯機上部にあった乾燥フィルターが無くなり、本体左下にある糸くずフィルターにほこりや糸くずが集約されます。
お手入れは1ヶ月に一回程度でオッケーとのこと。

1週間分でこのくらい溜まるので、確かに1ヶ月は持ちそう。水洗い可なので、すぐにキレイになります。

また、メーカーのWebサイトによると排水ホース内や排水口の中に残っている糸くずなどは1ヶ月に一回は取り除く必要があります。

⑨洗剤・柔軟剤の補充(30秒/月→0.1時間/年)

洗剤の種類によりますが、使用量を「少」にしていると大体30回ほど持つようです。
1ヶ月に一回の頻度で、タンクに補充します。

増えるその他の作業

⑩洗剤・柔軟剤の自動投入口の掃除(5分/回→0.3時間/年)

こちらもメーカーのWebサイトによると3ヶ月に一回程度、取り外して掃除をする必要があります。

ランニングコスト(光熱費)の比較

1回あたりの洗濯・乾燥(縦型は洗濯のみ)にかかる光熱費は以下の通りです。
・我が家の購入した日立製品の場合:約65円
・縦型洗濯機の場合:約30円
つまりドラム式洗濯機利用時は差額の35円/回×365日=12,775円/年増加します。

ただし我が家では、縦型洗濯機を使用の場合、雨の日は浴室乾燥を利用します。浴室乾燥は1回あたり約45円/時間×3時間=約135円かかります。
年間の降水日数(1mm以上/日の降水がある日数)の全国平均は116日で、そのうち2/3である77日は洗濯を外干しする時間帯の朝・昼が雨である日とします。
ドラム式洗濯機利用時は浴室乾燥を使わないので、135円/回×77日=10,395円/年が節約できます。

つまり、浴室乾燥をそこそこの頻度で使用していると、ドラム式洗濯機を導入した場合もあまり光熱費は変わらないという結果になりました。

結果

ドラム式洗濯機導入により節約できる時間:80時間/年(①②③④⑤⑥−⑦⑧⑨⑩)
節約時間の金銭的価値:80時間×1,470円/時※=117,600円/年
※家事労働を時給換算すると1,470円というデータがありましたので、そちらを使って節約時間を金銭的価値に直しました。

ドラム式洗濯機導入で増加する光熱費:1,605円/年
(縦型と比較した光熱費増加分12,775円−浴室乾燥不使用による削減分10,395円)

つまり、節約時間の金銭的価値117,600円−増加する光熱費1,605円=115,995円/年が金銭的価値として発生します。

ゆえに、ドラム式洗濯機を20万円で購入した場合はおよそ2年でその初期費用はペイできると言えそうです。

ドラム式洗濯機導入により変わる家族の未来

私は家電導入により救われるのは、家計以上に家族時間確保だと考えています。
節約できる年間80時間、1日あたりになおすとおよそ13分。
大した事ない時間に思えますが、この時間で例えば家庭内にこんな変化が起こります。

夕飯のチャーハンが、パエリアになる。
基本のチャーハン | レシピ動画のクラシル(調理時間20分)

↓↓↓
お家で作る!イワシとトマトのパエリア | レシピ動画のクラシル(調理時間30分) 

子どもと一緒に、ダイオウイカを大空に飛ばせる。

夫婦で、家族の未来についてコーヒー片手にディスカッションできる。 

たった13分、されど13分。この時間の使い方で家族の未来が変わるかもしれません。

まとめ

ドラム式洗濯機導入の初期費用はペイできるのか?どのくらいでできるのか?について、洗濯「担当じゃないほう」の方にもわかるようにお伝えしてみました。
各ご家庭の洗濯事情によって結果は多少変わってくるかと思います。我が家でも数年経つと思っても見なかった追加作業時間やコストが発生するかもしれませんので、その際には本記事をアップデートします。

パートナーからドラム式洗濯機購入を反対されている方や、購入にふんぎりのつかない方の背中を押す一助になれば幸いです。


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