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「フルリモート×時短勤務で年収1000万」を捨てたい理由
私は現在外資系コンサルティング企業でサラリーマンをしていますが、ありがたいことにフルリモート×時短勤務で年収は1000万超えです。
他人にそう言うと、今まで「羨ましい!」としか言われたことがありません。
しかし私は今、一般的にかなり好条件と思われるこの仕事を辞めようと考えています。
今日はその理由を書きたいと思います。
①高年収:逆走不可のエスカレーターから降りたい
「頑張っているのにお給料が低すぎる」と不満を抱える人は多くいますが、逆に「頑張っていないのにお給料が高すぎる」と悩んでいるのが私です。
こんなこと言うと贅沢な悩みだな嫌味かコノヤロウ!と思われそうですが、結構辛いのです。
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私はマネージャー(管理職)ですが、時短勤務であることから上司が気を使ってくれて本来であればやらなければいけない仕事を一部省略していただいています。
それゆえ育休から復帰当初「ポジションを下げてくれないか」と上司に打診しましたが、断られました。
理由は、①ポジションを下げると悪評がたつことと、②本来の役割が果たせていなくともそこに「いるだけ」で発生する価値があるためです。
①については、外資系企業といえど中身は7割以上が日本人の集まりです。
日本では基本的にキャリアは上がる(出世する)か留まる(出世しない)かの2方向しかなく、下がる(降格する)ことはありません。
「降格」=ヤバイこと(パワハラ、セクハラ、汚職等々)をした罰というイメージが強く、自己希望の降格であっても周りからの見え方は「あいつどんなヤバいことしたの?」となるそうです。
②については、いわゆる「女性枠」のお話です。
私の部署では女性の管理職は私しかおらず、女性管理職が1人いるかゼロかでは特に女性の採用成功率が大きく変わります。
なので、「ただそこにいるだけ」で価値があるということです。ただし、それは私でなく女性なら誰でも良いのですが。
私はファーストキャリアで女性管理職ゼロの「ガラスの天井」が張り巡らされた日系建設業の企業に勤め、そこに嫌気がさして現在の外資系コンサル業界に飛び込みました。
そこは前職とは比べ物にならないくらい男女差が無くフラットで、階段どころかエスカレーターに乗るがごとくのスピードでトントン拍子で出世できました。
しかし、一度乗った出世のエスカレーターは残念ながら逆走不可だったのです。
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自己評価と社会的評価が釣り合わないとき、自己評価>社会的評価のときはもちろん不満が起こりますが、自己評価<社会的評価のときはひたすら不安になります。
私はいま、周りへの申し訳ない気持ちや、周りからどう思われているんだろうという不安で、安心して働くことが難しく感じています。
②フルリモート:無駄な時間はないが「余白」もない
月に一度あるかないかのクライアント訪問を除けば、毎日自宅の寝室からフルリモートで勤務しています。
通勤時間はゼロ。
オフィスビルのエレベーターでの待ち時間もゼロ。
同僚との世間話に付き合う時間もゼロ。
育児と家事と仕事に追われ1分1秒が惜しいワーキングペアレンツにとってはこの上なく恵まれた環境だと思います。
しかし、無駄な時間がない分「余白」の時間もありません。
スケジュールは会議や部下へのレビューの予定でテトリス的に埋まります。
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自宅の寝室でヒイヒイ言いながら働く私の様子はもちろん誰にも見えないので、パソコンにログインしてる限りはあちこちから同時多発的にチャットが飛んできてあっという間に聖徳太子モードへ。
出勤する際に発生するあらゆる待ち時間は確かに無駄ではあるのですが、強制的に仕事や家庭から離れる時間としては貴重だったのだなと思っています。
③時短勤務:リバープールの中でひとり立ち尽くす
リバープールって、ご存知でしょうか?
「流れるプール」のことで、水が自動的に一方向に流れるつくりになっており、浮き輪で浮いてると自動的にみんなその方向にぐるぐる回ることのできるプールです。
私は現在、勤務先でたった1人の時短勤務制度利用者として働いていますが、それはリバープールの中でひとり無理やり立ち尽くすようなものです。
周りの同僚は、朝早くから夜遅くまで働いています。
クライアントも、スタートアップ関係者が多いこともあり24時間稼働の方が多めです。
自分は9-16時の勤務になってるとは言え、メールやチャットは夜も元気に飛び交います。
もちろん時短勤務なのでそれらを無視することもできるのですが、自分がストッパーになり他の人達の流れの邪魔になってしまうこともあるのでそうはいきません。
(ですので時短勤務といいつつ結局8-16時&20-22時は普通に働いています。つまりは実質はただのフレックスタイム制になっている)
時短勤務が成り立つためには、速く泳ぐ人とゆっくり泳ぐ人とでレーンがちゃんと分かれてる状態でないと結局はうまく泳げないのだと実感しています。
本当に仕事ができるひとは、1人だけリバープールで立ち尽くしていても流れを読んで人とぶつかるのをうまく避けられるのかもしれません。
しかし私はまだその域には達しておりません……。
人間の心の「デフォルト不幸設定」に気をつけよう
以上3点が、私が現在の恵まれた労働環境を捨てたいと思っている理由です。
この記事を書くにあたって色んなワーママのnoteを拝見しましたが、どんな働き方・生き方をしている方でも不満に溢れていることに驚きました。
どうやら人間はもともと、幸せなときに“わざと”不幸を感じるようにできているようです。
自分はいま幸せで、このままずっとやっていけるとなったら、私たちは努力も注意もしなくなります。
だから、幸せを感じると、それに水を差す心理が働くのではないかということです。
これからは理想的な働き方を模索する一方で、自分の心がデフォルトで不幸設定になってることを意識して幸せ設定に切り替えていかなければ。
そうしないと、多分、どんな働き方をしても不幸なままだと思うのです。
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こんな働き方の人もいるのだという、皆さまのサンプルのひとつになれば幸いです。
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