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きた北海道協力隊ネットワーク(KKN)主催 地域おこし協力隊研修会 in 北海道天塩町

きた北海道協力隊ネットワーク(KKN)主催の地域おこし協力隊研修会「ソトモノ・ワカモノ・ジモトモノ〜若い世代と共に、町の未来を考える〜」が、8月30日から9月1日までの2泊3日で、北海道北部の日本海沿岸の町、天塩町(てしおちょう)で開催されました。今回の研修会では、これまで天塩町と筑波大学(都市計測実験室)が連携し実施してきた「中高大連携」ワークショップに協力隊が参加し、地元中学生や筑波大学の学生、天塩町役場の職員の方々と共に、天塩町を事例とした若者による「まちづくり」について検討しました。

きた北海道協力隊ネットワークとは?

きた北海道協力隊ネットワーク(略称:KKN)は、北海道、特に北海道の北部地域で活動する現役の地域おこし協力隊が、自身の活動や任期終了後の未来をより良いものにすることを目指し活動する組織です。

現役の協力隊のみならず、協力隊OB・OGや自治体職員、民間企業の社員等、さまざまなバックグラウンドを持つ人々が交流する機会をつくり、互いの活動内容やそこでの経験、課題、自身の考え等を共有できるような機会をつくっています。
KKNでは、こうした機会を創出するための一つの方法として、地域おこし協力隊向けの研修会を定期的に開催しています。

2017年5月1日に組織が発足してから、現在に至るまで、北海道内各地で計10回の研修会を企画・開催してきました。

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北海道の左上、天塩町

11回目の開催となる今回の研修会の舞台は、北海道の左上、天塩町(てしおちょう)。これまでの研修開催地の中で、最北の開催地となりました。

天塩町は、北海道の北部、日本海沿岸に位置する人口約3,000人の小さなまちです。北海道最北のまち稚内市から、海岸沿いを車で1時間ほど南下したところにあります。酪農業と漁業が盛んな町で、美味しい乳製品や魚介類を堪能することができます。

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まちづくりに若者の力を!

天塩町では2018年より、地方創生事業の一環として筑波大学(都市計測実験室)と地元天塩町の中高生が共にまちづくりについて考える、「中高大連携」ワークショップを実施してきました。

今後のまちの未来を考えるうえで、若者を巻き込んだまちづくりは重要です。
しかしながら、地域おこし協力隊は、なかなか自身の任地において中高生や大学生といった若者と触れ合う機会が少ないのが現状。

今回はこの「中高大連携」ワークショップに協力隊も参加し、中学生や大学生、また天塩町役場の職員の方々と一緒に、天塩町を事例とした若者による「まちづくり」について一緒に考えました。

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天塩町を知る

まちづくりのプランを考えるうえで、まずはその地域の概要を知る必要があります。8月31日から2日間かけて行うワークショップに向けて、前日の30日に天塩町を学ぶための事前勉強会を行いました。

事前勉強会では、天塩町で活躍する一次生産者の方や、まちづくりに取り組む天塩町民の方から話を伺いつつ、まちづくりへの活用が期待される施設などを視察し、天塩町の課題や現状について学びました。

また同日夜には、翌日からのワークショップに向けて筑波大学の学生や天塩町役場の方々と一緒に交流会を行いました。
普段なかなか交流する機会のない大学生や、自身の任地外の自治体の方々との交流は、新しい視点などを取り入れるうえでとても貴重な機会となりました。

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ワークショップ開始!「デザイン思考」を体感する

8月31日から9月1日にかけて、今回の研修会のメインイベントである、まちづくりプランを考えるワークショップが行われました。

ワークショップでは、協力隊は、天塩町のまちづくりにおいて重要な「水産業」、「交通」、「畜産業」の3つのテーマでグループに分かれ、「天塩町で自分たちがアクションを起こすとしたら?」をテーマに、協力隊の「ソトモノ」「ワカモノ」目線からプランを検討しました。
中学生のグループは、「温泉保養施設の活用」と「道の駅の活用」をテーマに、それぞれグループワークを行いました。
また筑波大学の学生や役場職員、民間企業の社員などによる連合グループも結成され、中学生や協力隊のグループと共にワークショップに参加しました。

中学生は、雑多なデータやアイディアを統合し新たな発想を生み出すためのKJ法という思考フレームを用い、課題を整理し解決方法を検討しました。
協力隊は、アメリカのシリコンバレーで事業の立ち上げや商品開発を行う際に用いる「デザイン思考」によるフレームワークを使い、まちづくりプランを検討しました。

「デザイン思考」は、利益や売上などのビジネス視点ではなく、設定した対象者(ユーザー)の視点でプロセスを進めるもので、ユーザーの深層ニーズを見極め、その理由をより明確に把握し、それに対する解決策を検討するものです。
早い段階でプロトタイプを作成しテストを行い、ブラッシュアップを重ねることで、よりユーザーの深層ニーズに合致したものを生成するという特徴があります。

各グループには、筑波大学の学生の方々にTA(ティーチング・アシスタント)として付いて頂き、デザイン思考の考え方についての指導やグループワークの合意形成と進行を担当して頂きました。
またワークショップの中では、実際に町に出て現場を見たり、関係者の方々にインタビューを行うなどのフィールド調査も行われました。

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天塩町の皆さんにご提案!

ワークショップで作り上げたまちづくりプランは、ワークショップに参加した中学生や大学生、一般観覧でお越し頂いた町民の方々に向けて発表しました。

「水産業」グループは、IT・AI技術を活用した漁師の担い手不足解消のためのプランを提案。「交通」グループは、東京・天塩間の交換ホームステイを通じた人材交流と地元の魅力を再発見するためのプランを提案しました。「畜産業」グループは、子供向けの職業(酪農業)体験やドローンによる牧場見学チケット付きの羊肉販売システムなどを通じた、酪農や食への興味・関心の向上を目指すプランを提案しました。

中学生のグループは、温泉施設内のスペースを家族や中高生(若者)、高齢者などが利用しやすくし、多くの世代が交流できる場所にすることで賑わいを創出するプランや、道の駅で若者が好きなスイーツ(タピオカドリンク)を天塩町オリジナルで開発・販売することによる交流人口の増加・経済効果を高めるプランを提案しました。

学生・社会人の連合グループは自由テーマということで、KJ法とデザイン思考を組み合わせたオリジナルのフレームワークを使い、漁業や歴史文化等の体験プログラムや毎年開催される祭りの統合、複合施設の建設などのプランを提案しました。

発表終了後は、一般観覧のお客様に事前に配布した投票用紙に、各グループの評価を記入して頂き、投票して頂きました。

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研修会を終えて

今回のワークショップは、地域おこし協力隊や天塩町の地元中学生、関東圏の大学生、天塩町の役場職員等、さまざまな立場やバックグラウンドを持った人たちが一堂に会しました。
協力隊にとって、普段なかなか接する機会のない中学生や大学生と時間を共有し一つの目標に向かって協働できたことは、とても貴重な機会になったのではないかと思います。

中学生の視点やアイディア、大学生のファシリテーション方法を学ぶことを通じて、自身のまちでの若者の巻き込み方、働きかけ方などを考えるきっかけにもなったのではないかと感じています。

また、「デザイン思考」という、プロジェクトや事業立ち上げにおいて役立つ新しい視点や考え方を得たうえで、データを収集したり天塩町内でフィールド調査を行うことを通じて、客観的に見て説得力のあるプランを作る訓練になったのではないかと思います。

今回の経験を活かして、参加された方々の今後の活動がさらに充実したものになれば嬉しいです。
また、今回のワークショップに各地の地域おこし協力隊が参加したことで、中学生や大学生、役場職員、天塩町の方々の中で、何か素敵な化学反応が起こっていたら嬉しいです。

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きた北海道協力隊ネットワーク事務局
(北海道天塩町地域おこし協力隊)
久保 綾香

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今回、以下の3市8町から18人の協力隊、協力隊OB、民間企業の方々などにご参加頂きました(順不同)。
新十津川町、士別市、月形町、天塩町、鷹栖町、紋別市、羽幌町、砂川市、小平町、沼田町、中標津町
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