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1次試験でも2次試験でも役立つ経営戦略・事業戦略の基礎理論について【完全競争市場と独占市場】【中小企業診断士資格試験】

中小企業診断士の学習にあたって、〇〇戦略、〇〇戦略等々多くの理論が出てきて混乱することはないでしょうか。大半の理論の根底には、基礎的な理論【完全競争市場と独占市場】が流れています。
その基礎的な理論をベースに、時にはそのまま発展させ、時には一部を批判しながら、現在の多くの理論=〇〇戦略が成り立っています。
つまりは、その基礎的な理論を理解することが各種理論の応用力強化につながります。

私はこんな人

完全独学にて、1次試験543点(得点率78%かつ全科目60%超)2次試験285点(得点率71%かつ全科目60%超)と運良く高得点合格しました。学習時間は350時間(1次試験200時間2次試験150時間)でした。

完全競争市場と独占市場のおさらい

経済学を学習した際に出てきた言葉「完全競争市場」「独占市場」を覚えていますでしょうか。現実社会には存在しないであろう極端な2つの市場です。

完全競争市場とは

完全競争の重要な帰結は、「企業の超過利潤がゼロになる」ということだ。「超過利潤」というのは、「企業が何とか事業を続けていける『必要ギリギリの儲け』を上回る部分」のことである。すなわち、超過利潤がゼロとは「企業が何とかギリギリやっていけるだけの利益しか上げられていない」状態だ。

世界標準の経営より抜粋

独占市場とは

独占企業は生産量も価格も自分でコントロールできる。したがって、独占企業が合理的なら、自社の超過利潤を最大にする生産量と価格を設定するはずだ。直感的には「合理的な企業は、『収入と費用の差(=利潤)』が最大になるところで生産する」と考えていただければよい。

世界標準の経営より抜粋

結論への導入

「完全競争市場」から離れれば離れるほど、「独占市場」に近づけば近づくほど市場から得られる利益は増加します。
細かな説明は省きますが、これは「自動車市場」という大きな括りだけでなく、「大阪府大阪市の軽自動販売市場」というような小さな括りでも有効であるということが重要です。(地理的、バリューチェーン上の販売分野のみといった制約が可能)

つまりは、「独占市場=高利益」に近づくことを目的に、
○経営戦略では、多くの市場を独占に近づけるため、
自社の経営資源を活かして多角化戦略を築きシナジー効果を生み出す
金のなる木で生み出した資金を問題児に投入する
○事業戦略では、1つの市場を独占に近づけるために、
5フォースで参入する市場を検討する
差別化戦略をとり市場からの視点で独自のポジショニングを築く
VRIO分析で自社の経営資源を基に差別化の継続性を検討する
リーダーとしてフルライン戦略を取る
○顧客視点では、顧客内シェアを独占に近づけるため、
ニーズを調査し、ニーズを満たす製品を提供し、LTVを最大化する
という行動を実行します。

主な視点

独占という言葉には悪いイメージがあると思いますが、少し具体化すると、主に5つの視点/切り口から競争優位を目指します。
①無数の企業が存在
 →競合を減らせないか、少ない市場に参入できないか
  診断士2次試験でも大手企業との競争を避けます
②参入障壁、撤退障壁がない
 →参入障壁を築けないか
  診断士2次試験でも顧客を囲い込みます

③品質が同質
 →技術力やマーケティングで品質を差別化できないか
  診断士2次試験でも強みの技術力を活かして品質を高めます

④経営資源の移動制限がない
 →自社独自の経営資源を築けるか
  診断士2次試験でも人材確保は大きなテーマです

⑤全てのプレーヤーが完全な情報を持つ
 →自社のみ情報の非対称性を活用できないか
  診断士2次試験ではあまり出題されません

結論

多くの理論は、高利益率な独占市場に近づくために、「戦略」や「さまざまな切り口・視点」を提供しています。
この独占市場を目指すということが根底にあることを理解しておくと、さまざまな理論も理解でき応用力が身に付きます。
資格試験において、試験当日に理論をど忘れした場合や、解答に活用する理論がわからなかった場合には、この基本に立ち返って解答すれば、大きくは外れない解答が可能です

【本記事の参考とした書籍】

下記の書籍を読んだ上で記事をまとめています。同様の趣旨を記載している部分が多くあります。


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