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フィルムカメラと旅をする:非日常空間で撮りたいカメラ

非日常な空間で持ち歩くカメラがある。

愛用しているフィルムカメラの1つである一眼レフカメラのNikon FM10。購入したのは2019年頃だった。私にとって初めて購入した一眼レフのフィルムカメラだ。

マニュアルカメラなので、1枚1枚シャッターを切るためにF値、シャッタースピードを調整するといった準備が要るが、フィルムカメラ独特な暖かみのある質感を持ちながら、美しい描写ができる。

私はこのカメラで記録する旅の景色が大好きだ。


Nikon FM10という一眼レフカメラ

1995年に発売したこのフィルムカメラは、Nikonのマニュアルフォーカスの一眼レフカメラだ。ファインダーを覗きながら、被写体にピントを合わせて撮影する。

撮影環境や撮りたいイメージに合わせて絞りやシャッタースピードを自分で調整しなければならない。ひと手間はかかるがさまざまな写真表現が可能だ。

ボディにはレンズを装着するので、ズームレンズや単焦点レンズなど自分好みのレンズを用いることができる。私は写りが気に入っている50mmの単焦点レンズを使っている。

フィルムカメラは現代のカメラと比較すると制約が多い。「さまざまな写真表現が可能」というのは、裏を返せば、自分が撮りたい写真を具体的にイメージする必要がある。

iPhoneなどのカメラはどんな環境で撮っても綺麗に撮れるが、フィルムカメラは光の強さや向きなど、その場の環境を生かす必要がある。

デジタルカメラなどのカメラは撮影イメージをモニタで見ることができるので仕上がりを想像しやすいが、フィルムカメラはファインダーに見えるものが全てだ。

初めてこのカメラで撮影した時は、現像した36枚の写真がほとんどまともに撮影できておらず悲しい思いをした。

しかし、こればっかりは「習うより慣れろ」で、どれだけ説明を聞くよりも失敗を重ねる方が早くフィルムカメラのクセと仲良くなれる気がする。

決してラクのできるカメラではないけれど、慣れればこの手間のかかる写真たちが愛おしく感じるのだ。

非日常空間で撮る写真たち

この手間のかかるカメラを日常のカメラとするのは少しハードルが高い。だから私は非日常なシーン、例えば、旅行などで使うと決めている。

旅行先で、ファインダーを通して目に映る景色や光から、頭の中で写真をイメージしてシャッターをきる。

頭の中で写真をイメージすると、何を残すかを考えるようになる。自分の感情なのか記憶なのか、今生きる世の中なのか遭遇した自然そのものなのか。

決して上手とは言えない写真も、“私にとって意味がある”ことが重要だと思っている。

私は私のために写真を撮る。その時見たり感じたりした“体験”が残っている写真が良い写真だし、撮影した人にとって意味のある写真こそが美しいと考えているからだ。

私というフィルターを通して生まれる“作品”

私はFM10で撮った写真を、自分が経験した非日常体験から生み出された“作品”と捉えている。

“作品”というと大袈裟過ぎるが、写真という手段を使って可視化できない自分の内面を表現したいだけだし、私の心許ない語彙力では表現しきれない魅力を写真に頼って発しているだけである。

これからも自分が出会う景色、体験、食事などからインスピレーションを受けて写真に残したい。


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