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燻ぶる若手に手を差し伸べてくれた会社

 モチベーションも低く、たまに体調不良で休むような3年目の営業若手社員の僕に対して、会社側は決して放置していた事はなく、色々な手を差し伸べてくれていました。そもそも休職から復職した時も、大阪転勤と受入れ部署を用意してくれましたし、営業に移る前にも既存顧客対応の部署でお客さん先を回らせてもらったり、僕の意向を汲んでくれていたと思います。

 大阪に転勤してから、本社ということもあって1年目の研修でお世話になった先輩方から声をかけてもらう事がたくさんありました。部署は違えど、気にかけて飲みに行ったり、ランチへ行ったりして近況話や仕事の悩みを相談したりする事も。

 営業チームのマネージャーには、めちゃくちゃお世話になっていました。案件相談はもちろん、僕に業務負荷がかかり過ぎるといけないと、重ための提案資料を作る際は一緒に手を動かしてもらったり、困難な交渉時は矢面に立ってもらったりと、助け続けてもらいました。

 成長を期待して色々な仕事をさせてくれていた一方で、休職した経験から無理はさせられないし、僕は現状に満足できずこじらせている、という手間のかかる若手の教育に真っ向から付き合っていただいてたなと…。

 今でも憶えているのが、面談時に会議室で話したことです。本来であれば案件進捗の共有や予算達成に向けた計画を相談する場でしたが、「そもそも井上はどんな事がやりたいの?」と、僕の根源的な部分を理解しようとしてくれました。めちゃくちゃ忙しかったマネージャーが、僕の為に色んな本を読んでその場に臨んでくれたようで、自己を深堀りする為にできることや数年後のありたい姿を考える手法を提示してくれました。

 営業成績からすれば怒られるような働き方しか出来ていなかったのに、優しく僕が自然と動き出せるようなアプローチをあの手この手で考え、尽力してくれたマネージャー。それに応えきれる程の力は当時の僕になく、苦労ばかりかけてしまっていたのが申し訳ないと今でも思います。

 他にも会社として、大阪だけでなく九州エリアの営業担当として福岡での経験も積ませてもらいました。おそらく僕の性格的に東京大阪とは少し異なるローカルエリアの方が営業として開花するのではないか?と考えてくれたのだと思います。グループ会社の方と一緒に動く事が多く、博多の優しいおっちゃん達にはめちゃくちゃお世話になりました。

 気にかけてくれる先輩やポジション変更、あの手この手で僕の成長にアプローチしてもらっていましたが、一瞬モチベーションは上がっても長続きしない。そんな事を繰り返していくうちに、どうしようもない自分が色濃くなっていくのが嫌で、いい加減変わらないといけないと思い始めたのでした。

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