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初めて物流倉庫に派遣された時の衝撃

 新卒で入った会社を退職し、移住するまで約3ヶ月の時間があります。やりたい仕事をやろうと決めて、大好きだった日本酒の酒蔵での勤務は10月~12月末までの3ヶ月間と決まりました。退職が9月上旬だったので、酒蔵勤務スタートまで少し時間があり、とりあえず派遣会社に登録をしてその日ある仕事をしに行くことにしました。

 移住してから農業をするということもあり、出来る限り身体を動かす系の仕事が多い派遣会社に登録をして、色々な現場で経験値を積めたらな、という感じで空いてる予定をどんどん登録していきます。工場での勤務が多かったのですが、業務内容は仕分けからライン作業、工具を触る仕事まで多種多様。好奇心強めの僕からすれば、毎日どんな現場に行くのか分からないのが楽しみでした。

 派遣初日。数日前に届いたメールに、集合場所と時間、業務内容が記載されているので、それに従って勤務地へ行きます。行き先は港の近くにある運送会社の物流倉庫。工業地帯独特の雰囲気を感じながら、駅から歩いて向かいました。集合場所に到着すると同じ様な派遣で来た人たちが集まっています。

 時間になると派遣会社のスタッフさんが出てきて、荷物置き場兼休憩スペースを案内されます。休憩スペースといっても、敷地内にある集合住宅の狭い一室で、そこは物流倉庫で常勤している人たちののよう。向かう途中、ちょうど夜勤を終えたメンバーがゾロゾロと集合住宅へと押し寄せていたな。。

 狭い休憩スペースへぎゅうぎゅう詰めになって、荷物を置きます。「貴重品は持った方がいいよね?」と思いましたが、派遣会社スタッフが居なかったので近くの人に確認したところ、「持っていった方がいいよ。盗られるぞ。」と言われます。その瞬間からこの敷地内に漂う不穏な空気を掴みきったような気がしました。

 仕事はラインで流れてくる段ボールの仕分けと運搬です。ざっくり機械で選別された荷物を輸送するトラックの前に運んでいくシンプルな作業。それぞれ担当場所を決められて動くので自分のペースで仕事ができますが、時にめちゃくちゃ重たい荷物があったり、良かれと思ったやった事で怒られたりと、今まで経験したことがない働き方。機嫌の悪い社員さん、キレて段ボール蹴っ飛ばしてたな。。

 他にも突然「キミたち3人来て!」と呼ばれて重たい荷物を運んで終わると突然放置されたり、働いた証明の書類にサインをしている最中ずっと隣でタバコを吸っているスタッフがいたり、何だか異世界に入ってきたような気分でした。自分には知らない世界がまだまだあるんだな。と実感した派遣労働初日だったのでした。

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