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60日後にタクシー運転手を辞める男の話1日目 タクシー運転手の求人票には気を付けろ

今、私はとある東北の街で公務員をやっている。

すこし、特殊な公務員だ。

年がら年中通して、デフォルトで忙しい。朝7時には来て(勤務時間外)、夜20時か21時には帰る毎日。たまに休日出勤(無給)もする。それでいて手取りは、まあ、20万円と少々…?当時は新卒だったから、たかが知れている。歳を重ねれば給料も増えるんだろうけど、この不景気の日本で、この働き方ではそのうち身体か精神を壊すのがオチだ。

よし、辞めよう。
そう思ったのは、ある特殊な催し事の準備に際し、朝5時に出勤をした時のことである。そこで、「え?そんぐらいやるのが当たり前じゃん。代休?無いよそんなモン」と上司や同僚(!?)に突き放されたのがきっかけだった。

米ナビ就職というサイトで、色んな求人を見た。
しかし、本人は低スぺであったうえ、日々のアホ労働のせいで疲弊していた。
「なんか簡単そうにできて、稼げそうなヤツがいいな…」
「週休3日とかないかな」

そんな時に目に飛び込んできたのは、「タクシー運転手」。
曰く、「簡単に手取り30万円以上!」「2種免許費用会社負担!」「格安な家電つき寮あり!」「予約注文が非常に多いから、初心者でも稼ぎやすい!」「ほとんど他府県の初心者です!教育体制ばっちり!」という美辞麗句。後にわかることだが、、これらの文言は「まあ、嘘はついてない」程度である。詳しくは後日に譲ろう。

「テキトーに人のせて、車走らせるだけやろ?ヨユーヨユー」
「道なんてすぐ覚えらあな。研修しっかりしてるんやったらいけるやろ。事故とか違反とかしたことないし気を付けてればええんやろ。」

そう思い、応募ボタンを押した。
すぐに書類選考は通り、1回だけの面接に簡単にこぎつけられた。

「え?俺が優秀だから?イヤー転職って簡単やね」なんて思い上がっていたが、そうではない。

タクシーの会社にとって、一番のお客さんは誰か?
お金を落としてくれるお客さん?まあ、そうだろう。
だがそれよりもなによりも、会社に金を持って帰ってくる「運転手」がそうだといえる。
会社から見れば、働きアリは何匹居てもよいのだ。何でもかんでもどんどんハンドルを握らせる。その分、儲けが増えるからだ。クズが来たら簡単にクビを切っちまえばいい。

だから、タクシー会社に内定なんてもらったって、別に優秀でもなんでもないのである。


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