舌骨 と その周囲筋群の役割

顎の下、頸椎の間に、U字型の骨=舌骨が浮かんでいる。

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他の骨と関節は持たず、筋肉と靭帯によって繋がっているだけ。
ゆえに"浮かんでいる"。

舌骨を挟んで上の筋肉(オトガイ舌骨筋、顎舌骨筋、顎二腹筋、茎突舌骨筋)を舌骨上筋群、下の筋肉(胸骨舌骨筋、胸骨甲状筋、甲状舌骨筋)を舌骨下筋群とくくる。

上下の舌骨筋群が互いに力を発揮することで、舌骨が下顎骨・喉頭と距離を保ち、舌骨のmobilityが保たれる。そこから、咽頭部の機能=呼吸・開口・咀嚼・嚥下・会話、表情・歌唱などと、これらの連続性が実現されている。

舌骨筋群がタイミングよく、適切に機能するためには、単に舌骨筋群の筋力を高めればいいというわけではない。
舌骨の位置が非常に重要になる

どちらかの筋が過剰に、あるいは緊張すれば、舌骨をそちらの方へ引き過ぎてしまい、相手の筋は力が発揮できない。結果、どちらの筋も動作せず、例えば嚥下において誤嚥を引き起こす要因にもなり得る。

舌骨筋群は、姿勢によって、簡単に緊張し得る。
例えば、頭を前に突き出すと、下顎が前、もしくは後ろに滑り、顎~喉の下の筋肉=舌骨筋群を緊張させる

舌骨筋群は側頭骨(茎突舌骨筋)や、肩甲骨にも繋がる(肩甲舌骨筋)為、その緊張が、後頭部・肩凝りの一因になるとも考えられる。
また、機能弱化すれば、嚥下機能だけでなく
・頸周囲の皮膚のたるみ
・二重アゴ
・舌が落ちることによる呼吸不全(いびき)
・発声不全

の原因ともなり得る。

当然、噛み合わせにも関わるため、頭部の位置覚=姿勢にも影響することになる

自分で出来る舌骨筋群の運動として、以下。

・舌骨と甲状軟骨を指でつまんで左右に10~15回ほど動かす
・頭・頸部は固定し、顎のみを前後左右に動かす・回す
・舌を口腔内で大きく回す(歯の前を舐めるように、右回り・左回り10周ずつ)
・喉の根元/鎖骨の間を軽く圧迫してほぐしつつ、斜め情報を向いて頸部ストレッチ
・舌を上顎に付けたままブクブクうがい100回 etc...

咽頭が拡がり、舌が持ち上がり、呼吸もしやすくなる。
※頭部の位置が前に落ちていない事、正面を向いて実施すること(上を向き易い)で、さらに効果を上げられる。

(参考)
http://www.pt-pilates.info/?p=4752#i-3
https://biyokyousei-school.com/blog/1322/

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