Move to Earn / 歩いて稼ぐ Sweatcoin 2/2
前回記事(ラフなサマリー)はこちら。この記事は詳細版です。
実は古株のSweatcoin
Move to Earnが広く注目されはじめたのは今年になってからと思いますが、Sweacoinは少なくとも2017年には既に始まっていて、2018年1月にはメディアでも紹介されています。
2018年1月時点で、「過去1年でユーザーが累積500万人になった」とされてるので、好調なアプリですね。
2022年5月時点のユーザー数は7,600万人以上とされています(公式HP)。
現在もそうですが未上場なので、他の資産との交換はできず、歩くことでSweatcoinという暗号資産がもらえて、それをSweatcoinアプリのマーケットプレイス上でギフトカードやフィットネスギアなどに交換できる仕組です。
2022年のQ1(1〜3月)の3ヶ月のみで、約7,000万USD分の商品サービスが、そのマーケットプレイス上で購入されたそうです。
Sweatcoinのライトペーパーによると、2022年7月頭現在は未上場ですが、2022年Q3中(7〜9月)には取引所で購入できるようになる予定だそうです。
はじめやすさ
何より無料で開始可能、ウォレットがなくてもOK、gmailと連携してすぐに開始できる、というのは、自分も試しましたが楽です。
最初の500歩でコインが獲得できるので、通勤などで歩けばある程度すぐですし、あるいは全く歩かなくても広告視聴すれば少しだけ獲得できます。
ということでちょっとした価値を感じるまでのハードルも低いです。
稼ぐ方法と規模
ユーザーが稼ぐ方法はこちらです。
移動する(歩数でカウント)
他の人をユーザーとして紹介する
広告視聴(回数制限あり)
ユーザーのデータの販売はこれまで一切やってないものの、ユーザー個々人が自身のデータをマネタイズしたり選択できるようにする可能性があります。
例えば自分の移動データを保険会社や医療機関に提供するなどです。
未上場なので現状稼げる規模は小さいですが、上場すれば増える可能性はあります。
と言いつつ、こればっかりは逆のパターンもあるのでわかりませんが。
なおコイン獲得は、現状1000歩で1sweatcoinです。
日本の20歳以上の1日平均歩数が6000歩くらいみたいなので、6sweatcoin。
価値は、未上場なのでアプリのマーケットプレイスでどんなものと交換できるかで換算します。
1sweatcoinが0.02〜0.05USDという情報を基づくと、6000歩で6sweatcoin=1日0.12〜0.3ドル、1ヶ月で3.6〜9ドル。
無料で始められて稼げる額としては、未上場というのも考慮すると、どうでしょう。妥当かどうかは個々人の感覚次第ですかね。
将来的に自分のデータを売れるようになったら、いくらで売れるのかわかりませんがプラスにはなりそうです。
どんな人に向いていそうか/向いていなそうか
こんな人に向いていそうです。
ウォレットを持っていないけど気軽にリスク低く仮想通貨に触れてみたいという人
初期投資低く始めたい人
上場により価値が跳ね上がる可能性にかけたい人
ポイントみたいな手軽さ(モノやサービスとの交換)が欲しいが、ポイントだと価値が上がらないので物足りない人
暗号資産を持ってみたいが税金が気になって手が出せずにいる人(未上場なので今の所は売却して利益を得なければ課税対象にならない。ただしこの夏〜秋くらいには上場する可能性あり)
一方で、「ガッツリ投資目的で稼ぎたい」という人には上場済みのサービス(Stepnなど)の方がやりがいを感じられるかもしれません。
あとは「やっぱり上場したら課税が怖い」という人は、近々そうなるかもしれないので控えた方が無難かもしれません。
運営者の視点から(収益性と持続性)
マネタイズポイントとしては、広告収益が初期からメインのようです。
広告収益というとWeb2.0サービスの典型みたいですが、Web3でもうまく組み込む余地はありそうです。
今後は、計画段階のようですが、ライトペーパーによると下記のような取引からの収益多角化・価格維持効果も見込めそうです。
外部事業者がNFTをSweatユーザーに販売するために支払う費用
ユーザーがDeFi機能を用いて暗号資産売買やSWEATの他資産への交換を行う際の手数料
保険会社や医療機関等がユーザーの移動データを購入する費用(ユーザーの任意だが、ユーザーが販売許可した場合、購入時にはユーザーは報酬を獲得できる)
Validatorとしてユーザーによる移動記録を検証するためのステーキング(ただし検証行為に応じて報酬をもらえる)
また、Sweatcoinのサイトでも語られているように、健康促進、それを通じた保険料低下などの経済的便益、さらには環境問題への効果などもアピールできるので、Move to Earnはいろいろな収益モデルを描けそうな気もします。
そしてトークンエコノミーでは、利用継続を促しつつ、価値を下げない仕組みも重要です。
Sweatcoinは、利用=移動を継続してもらう設計として、移動が一定基準に満たない場合は非アクティブ料(Inactivity fee)なるものが課される仕組みが作られる可能性があります。
また移動によるトークン獲得ハードルは段々難しくなっていく模様です。
この仕組みにより、発行数の上限は決まっていないもののインフレ率の低下に貢献するそうです。
この辺り、トークンエコノミーはWeb3ならではの面白い部分で、色々な施策が既にある上、今後も生まれてくると思います。
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