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観点が私を作っている

「ありのままの私」なんて、存在しない。

観点がある。point of view、viewpoint。

会社やお店、ブランドにも観点がある。

だから正確には、「ありのままではなく、私独自の観点が私を作っている」だ。

どこの誰であろうが、世界をあるがままの姿で見るなどということはできない。したがって、私たちは観点へと戻らざるを得ない。(マルティン・ブーバー)

BOSEのミニスピーカーが充電できなくなった。

赤いランプが点滅するだけ。ネットで調べてみると、どうやらバッテリーがアウトみたい。買ってまだ半年だから購買証明書と一緒に修理に出せば(ただし、送料は自分持ちらしい)、直してくれる。めんどくさいので放置していたのだが、昨日たまたま時間ができた。段ボール用意して、Amazon購入履歴から領収書プリントアウト。

もう一度念の為、なんとかならないのかとネット検索したら、ウェブサイトに接続し、スピーカー本体のソフトウェアをアップデートすれば直るらしい(Bose Updator)。早速やってみた。
めでたくアップデート終了。
昨日はその後用事があって、会社出た。

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今朝、早速充電開始。
何ヶ月もほったらかしだったので、腹が減ってるだろう。

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・・・2時間やってるけど、まだ満腹にならない。ひょっとして、直ってないのか?

BOSEは好きなブランドで、スピーカーはこの他にもオフィス、自宅で愛用してる。

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低音がいい。しかし、直接相談できる拠点としての販売店はない。
ぼくの近所だと阪急うめだ店にあったのだが、今年1月、「実店舗、直営店の119店舗を数ヶ月以内に全て閉鎖」という報道があった通り、なくなってしまった。

これがBOSEのブランドとしての観点であり、Brand viewpointだ。

つまり、製品主導で行く。顧客との関係性の耕しやブランドの思いを届けるのはネットへ移行させる。

これは現代のブランドの「望ましいあり方」とは逆光する観点であり、きっとうまくいかない。

スピーカーがこのまま充電されない場合、ぼくはあっさりと捨てるつもりだ。そして、今後二度とBOSEは買わない。周囲にも報告する。コミュニティで。これがどんなにブランド価値を損傷するだろう。

商いは観点だ。

うまくいっている商いの経営者はみんな、独自の観点を持っている。

人は、見たいものを見る。見たものが、その人の世界になる。

問いが中心の世界になり、どんな問いを立てるかが大事な環境になった。

観点がJOY(喜び)+WOW(感動)+LOVE(愛) and FUN(楽しさ)に満ちているのとそうではないのとでは、業績に雲泥の差が出るのは明らかだ。

いまだに多くの商いの観点は「どれだけ数を増やすか」でできている。

市場を日本に限定しただけでも、少子高齢化、人口減で、これが論理的に破綻していることは明らかなのに。

観点を「JOY+WOW+LOVE and FUNで満たす」へと転換したとき、世界は変わる。

悲観はいらない。

楽観もいらない。

ただ、自分の観点をチェックし、「JOY+WOW+LOVE and FUNで満たされているかどうか」だけでいい。


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