満たす
会議室の冷房がきつ過ぎて寒い。
どうやら全館冷房のようでこの部屋をいじっても変わらないようだ。
係の人もあれこれやってくれるが、それでも寒い。
窓から見える外の陽気がうらやましい。
午後、もうがまんの限界、というところまできた。
休憩時間とし、メンバーはそれぞれ部屋の外へ出たりいろいろ。
ぼくは窓枠を使って腕立て伏せやった。
手前のところに手のひら当てて。
20回やったら、ポカポカしてきた。
会議の成果を上げるための快適な室内空気の提供
という意味では、エアコンは無力とわかる。
ぼくの場合は、腕立て伏せ(笑)
昭和の昔、エアコンあるだけで快適だった。
いまは「寒すぎ」「暑すぎ」「乾燥が気になる」
と、「快適な室内環境」はOKライン上がってる。
会議の成果を上げるための快適な室内空気の提供
を言い換えると、
満たす
ビジネスは
ただ、
「商品(製品・サービス)とお金の交換」
すればいいってもんじゃない。
モノがない時代はそれで良かった。
いまは昨日書いたように、6万円の寿司屋が7月末まで予約でいっぱいになるような購買行動の社会だ。
また、「お金の使いみち」が物体に限らなくなっている。
エコノミストの記事「アップストアはめっちゃ儲かる・・・けれど攻撃対象になったね」によると
いまやモバイル端末は世界のウェブ流通の2/3を占める。
先進国民は一日5時間アプリを使ってる。これは起きている時間のおよそ1/3にあたる。
アップルやアルファベット社はゲームアプリ内課金(アバターの衣装や武器)から30%コミッションとして召し上げている。おかげで昨年、アップルは270億ドル、アルファベットは130億ドルの収入を得た。
つまりこの購買行動は、「ひまつぶし」(笑)
ひまつぶしに、270億ドル+130億ドル=400億ドルが消えてる。
昨日まで名古屋にいたのでこれ、「ひつまぶし」と空目した(笑)
ひつまぶしなら、物体だが、そうじゃない。
非物質に対してこれだけの購買が起きているということは、要するに「満たす」ためなんだ。自分を。
昨日いつも行くカフェでランチいただいた。
お店のスタッフがお水を継ぎ足すため、重い水差し持って席まで来てくれた。
ここは店の習慣として、「お客さんが自分で水差しある場所まで行って、自分でコップを満たすシステム」だったのが、わざわざ席まで来てくれた。
それだけで、ぼくたちは「満たされた」。
おととい夜宴会で行った韓国料理屋さん。
フロアスタッフの女性が本当にいい人で、透き通っていた。
「透き通っていた」というのは「中身がいい人」の表現ね。透明人間じゃない(笑)
料理も美味しかった。お酒も良かった。
でも一番満たされたのは、彼女の透き通った接客だ。
どんな商品(製品・サービス)を提供しようか・・・となると、スペックの話になる。
スペックは、競合を産む。
コンビニカフェ。セブンイレブンが先行して「濃いめ」「うすめ」のボタンを設置した。ローソンも追随した。これ、スペックだからキャッチアップの世界。
日本人は「追いつき追い越せ」キャッチアップは大得意だ。
でもそれは、発展途上期に効果あった。昭和の高度経済成長時代ね。
いまの日本経済は、落日。
先進国から後進国へとチェンジした。
「アジアの安全な観光地。経済は後進国」
というようにブランドチェンジしている。
そんな経済で、いま最も必要なのは
満たす
こと。
商品やブランド開発時に
「誰のどんな物語を満たすのか」
という視点を、ぜひ。