早朝へのタイムシフト
予約していたテイクアウト、久しぶりに北新地へ行った。妻の実家があったこと、旭化成入居のビル(新ダイビル)がど真ん中にあったこともあり、この40年、見てる。義父が自営業で、羽振り良かったから、馴染みの店へよく連れて行ってもらった。大人の店での酒の飲み方、会話の仕方、マナーを教えてもらった。何しろ、祖母の葬儀の後も新地へ親族一同繰り出したくらい。歩いていたらあちこちから声かけられた。夕方。営業から会社へ戻る途中。「けーちゃん、帰り寄ってって!」(笑)
妻はいまも、「新地はふるさと」と言う。
さて。昨日。
日曜とはいえ、この寂れようは。
ほぼ100%、店の外に貼り紙。時短営業あるいは2月7日まで休業のお知らせ。緊急事態宣言が延長でもされたら、休業はもっと長引くだろう。コロナ直撃。
ただ、コロナの前から、「北新地」という場所の社会的役割は大きく変わっていたと思う。それは感じてた。新地が寂しくなってきたな、という感触。あった。
商いで大事なのは「お客さんのお金の出どころ」だ。以前は経理部のあるような「ちゃんとした会社」でも北新地の店の領収書は交際接待費として落とせた。また、「接待効果」もそれなりにあったのだろう。しかしぶっちゃけ、いま、「新地で飲む」ことが受注につながることはあるのだろうか。
経理部のある「ちゃんとした会社」ではもう、北新地の領収書は落ちないだろう。だとすると、社長が自分で経費処理する中小企業しか領収書は効果がないことになる。でも、いま、基本、「商いの関係作りと耕し」はSNSが主流であり、仮に食事したりちょっと一杯飲むとしても、コミュニティ内の「知り合いの店」でやってしまう。わざわざ「新地へ繰り出そか」は、考えにくい。
時間軸をずらすしかない。そして、お金の出どころをto B(法人)からtoC(個人)へ。
早朝から飲めるようにしたらどうだろう。朝からディナーも出す。シャンパンも出す。きれいなおねえさんがお酌してくれる。
営業時間を朝5時から夕方5時までとする。ランチタイムもディナー出す。
あるいは、食事が売りの店は、近隣にたくさんあるタワーマンションへのデリバリーやテイクアウトにシフトする。いまUberEatsなどデリバリーサービスは店にも大人気のため、簡単には新規に取引開始ができないようだから、店のおねえさんが配達すればいい。そうすればおねえさんも仕事になる。きれいな衣装や化粧品を買う必要なくなる。その予算でスポーティな服やスニーカーを揃えたら、運動にもなるし、健康にいい。
タワーマンションだけではなく、オフィスへもデリバリー需要はあるはずだ。そういえば、すぐ近くにWeWorkのビルがある。
新地に保育園を作って、おねえさんの子どもたちはそこに預ける。後片付けしたとしても夕方に仕事は終わるのでお迎えに行ける。途中子どもが急な発熱で園から呼び出しがあっても近くに店があるから対応できる。
北新地エリアを、「夜」から「朝」へタイムシフトさせる。
これ、とても楽しいアイデアだと思う。
そんなことを考えながら北浜を歩いていたら、早朝から開いてる店があった。焼き立てパンを売ってる。これ、ナイス。早朝から開いてるパン屋って、オフィス街になかなかない。住宅地ならあるのかもしれないけど。どこがやってるのかと見たら、どっかの道の駅の派出所みたいな感じだった。
コロナ時代の店の戦略は、早朝へのタイムシフトだと思います。
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