感情のスイッチへの点火活動
競合は機能で生まれる。
唯一無二のブランドは感情で生まれる。
世の中、機能ばかりになった。
iPhone、いまは15なのか14なのかわからんが、新製品発売されたとて、それが何?
やれカメラがどーの、やれなんとかがどーの、言われたところで、しょせん機能やん。要る人はいるのかもしれないけど、世の中の大半の人は気づかない「バージョンアップ」だ。
初代とiPhone4とは決定的な違いがあった。
ワクワクが大きかった。
価格差はそのワクワク・・・感情・・・を満たして十分おつりがあった。
自宅のMacBookAirは何世代前のものかわからないが、十分使える。ぼくの場合、文章書けたらそれでいいから。
でも、時々困る。OSのバージョンアップしてないと、使えないアプリがある。Slackはアウトだ(Slackって、なんか意地悪なところ、あるよね?)。
DXを始めとするデジタルはビジネス要素をすべて機能へと収束する。
オンラインミーティングも機能だ。
リアルな会議であれば、人が会議室にばらばら集まってきて
「おぅ、久しぶり。この前社食で見かけたけど遠くて声かけられなかった」
「え、いつ?」
「月曜」
などと雑談しながらタブレット準備したり、資料確認したりして、始まるのを待つ。
発言している人の「ゆれ」や「声質」で「ほんとうの気持ち」が伝わる。
「何を言っているか」より「なぜ言っているか」の底を読む。
「なぜ言っているか」
これ、感情なんだよね。
そして、人は感情で動く。
オンラインの画面では感情がぬぐいさられる。そこにあるのは論理、つまり機能のみ。このボタン押すと、赤色が点灯します。こっちのボタンだと青。
セルフレジを導入した瞬間、自社ブランドへの愛と顧客への愛を捨てることになる。レジマシンは感情持ってないから。お客さんも、「オレ、左から2番目のマシンでないと、精算した気がしねーんだわ」なんてのは、ない。
看板娘のいた頃は、そういうの、あった。
それでも「明日の笑顔を共に創る」なんて言ってるんだけど、お題目に過ぎないよね。現場はそうなってない。
話は変わる。いや、変わらない。
シングルマザー就労支援をミッションとするJW-UPで、案件を受注できるだけのスキルを獲得するためのカリキュラムがある。おかみさんプロジェクト。
世間一般の「仕事の受注」
ということでいうと、たとえば動画制作、たとえばイベント告知集客のための期間限定のインスタ投稿などがある。
でもこれらはすべて「予算ありき」であり、仮の話、ある動画制作案件が10万円とします。依頼企業からの発注金額ね。
すると、当然のことだけど、10万円以上はもらえない。これがどこかの動画会社からの下請けでの受注となると、さらに下がる。もとの10万から動画会社が取り分3万とか引いたりすると7万円だ。
これが案件受注が持っている決定的な弱さ。
「もうちょっとなんとかなりませんかね」
と言ったところで倍の20万円になることはない。
なので、先日京都でミーティングしたとき、「受ける」だけでは天井が決まってるから、自分たちで生み出していかないとあかんね。
案件受注ではなく案件創注。
機能だけを売ってると、競合が生まれる。
同じ効き目なら、安いほうでいいやん。
同じ動画制作やったら、安いほうでいいやん。
でも、感情を動かしていたら、違う。
「うちの会社にぴったりくる新人採用のために何かしたいんですが、何がいいですかね」
「インタレストや年齢、住んでいる地域で絞るならインスタが良いでしょうが、その場合、動画もあると強いですね」
・・・
といった対話があり、その結果
「じゃ、動画制作お願いできますか」
となったら「予算」ではなく「見積もり」になる。
こっちが見積もり書提出する順番になる。
そしてなぜこういう話になるかというと、
「あの人から、なんとかしてくれそう」
という期待が動くから。期待は、感情だ。
ブログの中にも書いたけれど、「すくってるときに一番興奮した」という豆腐マイスター工藤詩織さんの言葉。
機能ではなく、工藤詩織さんの感情のスイッチに点火したわけです。
そうなると、唯一無二のブランドになる。
ブランド創造は、言い換えれば、感情のスイッチへの点火活動ですね。
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