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スタートアップに大切な4つ

かつて(昭和の時代)、芸能界は輝いていた。

ところがいまこれを見ると、「作り物」感が強い。ハンパなく作られている。でも確実に夢があった。いまの視点から見ると「作り物」だとわかるが、当時のみんなにはわからなかった。日本経済が成長しつづけており、その上昇を華やかに加速させるスパイスとしての芸能界。うまくいっているとき、欠点は見えないものである。上り坂は、七難隠す。

コカ・コーラのコマーシャルを見ていると、「未来にはいいことしかない」と思えた。もちろんそんなわけないってわかっていたけど、でも、思えた。

90年代以降、日本は長いながい下り坂を降りている。下り坂では、「作り物」は嫌われる。隠すだけの「勢い」がないから。「余裕」、と言い換えてもいい。本物、嘘の混じらないものが好まれる。昨年のNiziUの大人気ぶりは、彼女たちがオーディションに挑戦する素顔、汗、涙にウソがないから。みんなが応援した。ところがデビュー以降、マーケティングやっちゃった。マーケティングというのは後付けのウソである(笑)。「アイドルとしてのNiziU」という虚像を大人たちが作った。彼女たちには全く非はない。大人たちがヘンテコやってしまったのだ。人気失速の原因は、「作ってしまった」ことにある。

スタートアップのみんなにぼくが言いたいのは、シード(種となるアイデア)を「作ってはいけない」。自分の中に、あるいは時代の中にある、そのままあるもの。それを掘り起こす。漱石『夢十夜』(第六夜)運慶が仁王を刻む様子を見ながら「あれは眉や鼻を鑿(のみ)と槌で作るんじゃない。あの通りの眉や鼻が木の中に埋(うま)っているのを、鑿と槌の力で掘り出すまでだ。まるで土の中から石を掘り出すようなものだからけっして間違うはずはない」というのがあるがまさにこんな感じ。時代の中に埋もれているものをシード(種)として「削り出す」。発見する。

ところが、ビジネスのあり方は、依然、昭和のままである。その典型的なものが、「組織内にしか焦点が当たってない」。会議の議題や職場の話題で、「外」の話がどれだけあるだろう。ところが、成果は、組織の「外」にしかない。自分の脳の「外」にしかない。にも関わらず、ビジネスアイデアを自分のアタマ、脳で考えようとする。無意味なのだ。

自転車関連の仕事していたら、どうしても自転車から発想する。しかし、一つの業界を生み出した起源となるテクノロジーが変わらない時代ではなくなった。車はもはやガソリンでは動かない。電気で動く。かつ、エンジンやシリンダなどの工学が鍵になってない。むしろプログラミングの勝負になる。自律自動運転では、プログラムの精度が乗り心地や安全性能を決める。弱いプログラムだとゴーストばかりで、誰もいないのに急停止してしまう。車産業は、今やAIテクノロジー&電池性能が成否を決める。

ガソリンから電気へ、そしてプログラミングへと動いたように、競争の原因が動く。動くときこそ、何度も言うように、動かない文法に力を入れる必要がある。

ドラッカーは文法を教えてくれる。動く時代だからこそ、ドラッカー。ぼくはつい昨日から、ドラッカーの講義を翻訳し始めた。文法を整理し、学ぶためである。

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文法といえば、スタートアップにとって最も重要なのはシード(源泉になるアイデア)と同時に、バーンレートだ。手持ち資金が何ヶ月保つか。スタートしたばかりの段階では、売上はゼロが続くと覚悟したほうがいい(もちろん、売上が上がるようにはするけれど)。出ていくお金ばかりである。その出ていくお金をしっかりつかんでおく。固定費というやつだ。固定費って、何だかわからないかもしれないけれど、簡単に言うと、「気絶していても、全員昼寝していても出ていくお金って、何?」の答え。家賃とか、光熱費とか、人件費とか。月にかかるこれらを合計し、手持ち資金を割る。すると「何ヶ月持ちこたえられるか」がわかる。わかると、人は、安心する。バーンレートのバーンは「燃える」。手元資金が何ヶ月で燃え尽きるか、というのがバーンレート。知っておこう。

整理します。スタートアップに大切な4つ。

第一に「作らない」、第二に「成果は外にしかない」、第三に「考えてもわからない」、第四に「文法をしっかり整理する(特にバーンレイト)」。

あ。そして最後は、笑顔だね。JOY+WOW+LOVE and FUN、喜び、ワクワク、愛、そして楽しさを忘れずに、楽しみましょう!!

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