Selling the Invisible
歩いていて、ふと目についたお菓子屋さんの貼り紙。
「夏の送料サービスキャンペーン」
さて、これのどこにひっかかったでしょうか。
「サービス」。
意味は
「夏の送料無料キャンペーン」
「無料」を「サービス」という用語で表現しているところに、この会社のマーケティングIQの低さを感じます。全国的にチェーン展開している、大きな会社なんですが、マーケティングIQは低いと見た。
「もうちょっとおまけしてよ」という時に「もうちょっとサービスしてよ」と言うような、昭和の商店街でよくあった「サービス」の使い方。
サービスとは、見えないもの(invisible)です。
でも、モノが溢れ、断捨離しなきゃね、という豊かな社会において、ビジネスはみんな「見えないものを売っている」。
Selling the Invisibleなんです。
1998年、ワイキキのボーダーズ書店で偶然出会い、衝撃を受けた一冊。
以来、愛読書です。
著者ハリー・ベックウィスの本は2冊翻訳しました。
マーケティングの鉄則があって、
見えるものを売っている人は見えないものに
見えないものを売っている人は見えるものに
エネルギーを注ごう。
たとえば、あなたがお菓子を売っているとします。見えるものを売ってます。そうすると、見えないもの、つまり、そのお菓子に込めた思い、誰の笑顔を生み出したくて作ったお菓子なのか、歴史などの物語を添える。
ぼくのように、コンサルティングという見えないものを売っている人は、こうして毎日せっせとnote書いたり、本書いたり、勉強会でお話したりします。見えるものを添える。
そして、商品が見えるものであれ、見えないものであれ、一番エネルギー注いで耕すべきは
関係性(Relationship)
です。これが最大の「見えないもの」(invisible)。
関係によって紡ぎ出されたネットワーク。このネットワークの価値を高めることが、自社の価値を高めることより優先されるし、結果、ネットワークの価値の向上が自社の価値を高めることになります。
実際、経済を形成しているあらゆる商材が「関係」のネットワーク中に浮かんでいます。
車はいまやスマホと同じであり、どこを走っているか、GPSで瞬時にわかります。自動運転のテクノロジーは「他の車を始めとする自車の周囲の物体」との関係で成立しています。だから衝突したくてもできないようにプログラムされている。
カフェを始めた。
メニュー開発より先にやらねばならないのは
「関係の耕し」「ネットワーク作り」
です。
ここを何度言っても理解しない人がいるんだけど(笑)
フリーランス成功の秘訣はたった1つ。
関係の耕しのためのネットワークを充実させる。
Selling the Invisible(見えないものを売る)ためには、「ネットワーク」です。
8月5日 7:37am追記;満員のため締め切りました→このあたりのお話を8月17日オンライン・トークライブでやります。
詳細はこちらをご覧ください。
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