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1000万人が熱中するAIとの追いかけっこ

毎日一社の勉強、続けてる。

今朝で227社目、ビズリーチだった。特に名は秘すが、某大企業キリンの事例。「機能性食品」「届出」というキィワードをビズリーチの検索窓に入れると、180万人から216人に絞り込まれた。後は一人ひとりのプロフィールをじっくり見ていく。そして「これは」と思う人へダイレクトにメッセージを送り、双方納得すれば転職。

キリンとしては、「即戦力が欲しい」とのこと。

これを見ながら、「まるでアプリを買うみたいだな」と思った。キリンの採用者の3割近くが転職者という。

いまの日本には転職希望者が957万人いるらしい。彼ら一人ひとりが「即戦力」「売れるスキル」・・・たとえば「機能性食品を消費者庁へ届けるのに一発受理されるよう届け出書類をチェックする」・・・を磨くのにやっきとなっているんだろうなあ。

戦略を成立させている要素を「コード」と呼ぶ。コードには顕在化しているものと、隠れて見えない潜在コードがある。

たとえば、「業界一安い価格」というものがあるとする。「安い価格」は戦略にはならない。時間軸を入れると、やがて競合他社が追いつくからである。これを戦略として成立させるためには、顕在化している「安い価格」の背景に、「独自の製法」「他社ではリーチできない仕入れ方法」「オリジナルな販売方法」といった、ぱっと見た目ではわからない潜在コード、この潜在コードあってこそ「安い価格」という顕在コードが戦略として成立する。

個人の場合も同じで、転職する際、「機能性食品を消費者庁へ届けるのに一発受理されるよう届け出書類をチェックする」という顕在コードがあるとしても、「その背景にどんな潜在コードがあるか」が、その人の本当の戦略的強みになる。たとえば、「商品開発者の言葉にならない言葉を引き出し、読み解く力がある」とか、「ミーティング中、周囲を和ませる笑顔がある」とか。ところが、こういう潜在コードは検索窓に入れられることはない。

「機能性食品を消費者庁へ届けるのに一発受理されるよう届け出書類をチェックする」というのは、それができるAI(人工知能)が出たらそれでお役御免である。そしてそれは時間の問題であり、つまり戦略にはなり得ないわけだ。

AIに簡単に代替されるような顕在コードのみを戦略的強みとする人たちが増えるのであれば、そしてその数が1000万人近いとすれば、日本はますます面白くない社会になっていくと思う。

そうは言っても、ぼくも彼らくらいの年齢だったら、焦るんだろうなあ。

幸いぼくは『週刊現代』ターゲットの大人だ。のんびりしますわ。

今朝の大阪・北浜

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