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新興国でスモールビジネスに挑戦!サムライカレープロジェクトは海外ビジネスの最高のチュートリアル

先週の土曜からプノンペンで、サムライカレープロジェクトに参加させてもらっています。(サムライカレープロジェクトの詳細はこちら) 


このサムライカレープロジェクト。一言で言えば「新興国でスモールビジネスを立ち上げる活動を通じて、ビジネスを起点に社会の課題を解決していくための技術や感覚を鍛える教育プログラム」と言う感じでしょうか。

売りに出すことを想定しているサツマイモチップスのプロトタイプ。何パターンか用意した厚さと揚げ具合でどれが好みかをテストしていた際の写真。


この1週間、ファウンダーのもりぞおさんにつきっきりであれこれ聞かせてもらっているんですが、サムライカレーも設立して10年が経ち、この10年で合計1500人以上が参加。今では、全国36の大学で公式プログラムに認定されるまでになっているとのことでした。

今回も、入れ替わり、立ち替わり、日本のいろいろな大学の先生がやってきていたので、会うたびにここ最近の大学の実情についても聞かせてもらっています。

今となっては本当に懐かしい思い出ですが、このプロジェクトが立ち上がった頃は、私もファウンダーのもりぞおさんもセブにおりました。

あの頃、何度か一緒に時間を過ごさせてもらっていたこともあり、もりぞおさんの様子を横目で眺めながら「いつか自分もサムライカレーに行ってみたいな」と思っていたので、今回ついにこの目で見ることができ、とても感慨深い気持ちでいます。

この数年間でのプノンペンの変化について語るもりぞおさん


先日、今回のプログラムの一環で、このプロジェクトから実際にカンボジアでサッカービジネスで起業をして順調にビジネスを大きくしている元学生、現起業家の話も聞かせてもらいました。

現在、26歳の彼曰く、コロナ明けから本格的に始めたそうなんですが、立ち上がり段階は全然うまくいかなかったとのことでした。それが、試行錯誤の末に今では順調に拡大中とのこと。

彼の話は本当に面白くて「なるほど、カンボジアだとサッカーはそういう扱いになるのか。それは全く予想がつかない、、、」みたいなエピソードの連続でした。

海外ビジネスではあるある話ではありますが、自分が売りたいと思ったものをそのまま持ってきたら全然相手にされないが、現地のニーズに合わせて調整していけると、バカあたりするって、ほんとあるんだよなーと思います。

過去を振り返れば、日本であたったプロダクトをそのまま持って行って撃沈し、帰ってくる、みたいな事例は枚挙にいとまがないでしょうから、今回、順調に展開し始めたということで、同じ日本人として嬉しく思いました。

彼は、ビジネスを展開するにあたってこのサムライカレープロジェクトでもりぞおさんに教わったことをベースに、現地の人の話をひたすら聞き続け(ショッピングモールなどで突然話かけ、これまでに100人以上の人から話を聞いていったと言っていました)、現地のニーズにチューニングしながらプロダクトを磨いていった結果、今では、現地の一部の富裕層の保護者から尊敬を勝ち取り、もはや保護者が言いなり状態のレベル感で尊敬されるようになってきているという話でした。

彼が繰り返しもりぞおさんの教えとして言っていましたが、「『サッカーを売るな、顧客の声を聞け』というのは、とてつもなく重要なメッセージで、あの時、あのままサッカーを売っていたらとてもこんな現実は生まれなかった」というのは、私も含め、みんな心に刻んだ方がいいと感じました。

現地の起業家の話をみんなで聞いている際の様子

実際、サムライカレープロジェクトからは、こういった成功事例がポコポコと生まれてきているのだそうです。

そんなサムライカレープロジェクト。コロナ前までは順調に参加者数が増えていたそうなんですが、やはりコロナの影響でいったんストップしたのだそうです。それがようやく再開でき、だんだんと学生たちも帰ってきたとのことです。

そして、面白いのが、ようやく再開できたと思いきや、この夏はすでに過去最高の参加者数が決まっているのだとのこと。

先ほども書いたように、この数日間でも日本から来ている大学の先生に何人もお会いし、このプロジェクトを導入する背景について聞かせてもらいましたが、3年後には回しきれなくなってる未来しか見えないと思いました。

今回来てみて、本当にいろいろな発見があるんですが、その中でも最大の発見は以下にまとめられるかなと思います。

【カンボジアには容易に解決できる「不」がそこら中にある】


よく新規事業開発においては「世の中の不を解消することが重要」と言われます。が、今の成熟し切っている日本社会において、見えてくる不を解消しようとすると、それがとたんに難しくなってきます。

例えば、不便の根っこを辿っていくと、政治や利権の問題に行き着いたり、競合が多すぎて採算が取れず市場の力では解決が難しかったり、解決しようとすると複数の利害を乗り越えて困難な調整をしないと不可能だったりと。ちょっとやそっとでは解消できないようなものばかりが残ってるなというように見えます。

一方で、プノンペンを歩きながら、会った人からいろいろと話を聞いていくと、そこら中にちょっとした打ち手で解消できるような「不」がすぐに見つかるなと言うことを感じます。

これは、(これ自体はとても悲しいことですが)人類史に残る悲惨な社会から知的階層が一掃されることになったこの場所の背景もあってのものだなと思います。

それも、今では、あれから40数年が経ち、あちこちに富裕層が見られるようになっていました。街を歩いていると見えてくるのは、バイクかトゥクトゥクかレクサスかレンジローバーかみたいな感じです。

ここで今から富裕層向けに、優良な顧客リストを作っていけるようなビジネスを持てたら、たしかに10年後、20年後に生み出せる影響はとんでもなく大きなものになるだろうなということを感じました。

2024年のカンボジアは、資本主義の良い側面がダイレクトに目に入ってきて、それがとても面白いです。

私は、フィリピンに住んでいたこともあり、ついついそことの対比で考えてしまうのですが、ざっとあげるとこんな違いがあるなと思いました。

【良い点】

・スモールビジネスを始める際のコストや認可が圧倒的に少なくて良い。(日本ではもちろんできないですが、フィリピンでも難しいことがこっちでは簡単にできるというのは本当だなと思いました)
・組織や社会にいる支配者、支配層がフィリピンほど強烈ではない。
・ここ数年を見ると、発展していく様が、フィリピンよりもダイナミックな印象。なぜならば、もともとが発展しなすぎているから。
・そこら中に銃を持っている人や目つきの怪しい人、狂犬病の疑いがある犬が歩いているフィリピンと比べると圧倒的に安心して過ごせる。
・爆音でカラオケをしている人が全然おらず、静かで快適。
・なんとサウナがそこら中にある。(一度入ってみましたが、5百円程度でめちゃくちゃよかったです。水風呂も7度と素晴らしく冷やされているのガンギまります)
・フィリピン人同様、日本に対する印象が良く、みんな親切。
・古い車が走っていないので、フィリピンと比べると路上の空気が綺麗
・ビジネスで得た富を、NPOなどの社会的なセクターに分配していくという流れやその価値が実感しやすい。(カンボジアの識字率90%、フィリピン97%)

現地の教育系のNPOを訪問している際の様子


といったところでしょうか。一方で残念なところで言うと以下の様子が浮かんできます。

【残念な点】

・国として小さい。人口でいうと、ざっとフィリピンの7-8分の1位、GDPで言うと13分の1程度のサイズ感。
・英語が全く通じない(one two threeも通じなくて、本当に不便。ただ、Google翻訳などで、スマホを介せば会話自体は全然普通にできる)
・日本からちょっと遠い。(フィリピン4時間半、カンボジア7時間半)

というところでしょうか。

国の規模としてはやはり大きくないですし、将来のことを考えると、この国がなんらかの産業で大きく成長していくイメージはあんまり浮かばないなというのがパッと見ての印象です。ただ、これは私がパッと見ての印象なので、全然合っていない可能性も高いです。

ここら辺は、もりぞおさんが繰り返し言っていましたが、小さい国だからこそ、ルールがゆるゆるというのが、カンボジアの最大のメリットなので、ビジネスの練習をするには、持ってこないの場所だというのは確かだなということを思いました。

スキーで言えば、上級コースで滑る前の、初心者コースのような位置付けであり、海外ビジネスのチュートリアルみたいな位置付けとしては、ドンピシャだなということを思いました。

みんな、日本での経験から、すぐに上級コースを滑ろうとしますが、私の経験から言っても、まずはここを一度かまし、ユーザーのニーズを深く聞いた上で展開していけるセンスやスキルを開発してから、次の国に展開していくというのがとてもおすすめだなということを来てみて強く感じた次第です。

無料体験のお知らせ

今回、私自身も強く実感しましたが、このプログラムはやっぱり実際、現場を見てみないことにはなかなかその価値が伝わらないということで、もりぞおさんに相談したところ、もしこのプログラムに興味がある研修、教育担当の方は、特別に無料でツアーの視察をさせてもらえるということになりました。

興味がある方はぜひコメントいただければと思います。

私もサムライカレープロジェクトに参加をさせてもらい、くる前以上に新興国のビジネスに興味が強まってきました。実際、ちょうど富裕層向けの教育ビジネスを考えていたところなので、カンボジアの富裕層にも体験してもらうのもありだなということを考えています。

自社の海外展開を考えている方には、大変におすすめのプログラムですので、ぜひぜひ前向きに参加を検討してもらえたらと思います。
今日も素晴らしい学びの機会をどうもありがとうございました。


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