信州以外にはあまり知られていない建御名方神の痕跡④塩田平
【塩田平】
松代に拠点を置いてしばらくとどまった建御名方神の勢力は、千曲川を遡上したのか、地蔵峠を越えて南下したのか、上田・塩田平の方面へとその足跡を伸ばしている。上田市真田町にも出早雄命を祀る神社が所在しているので、松代から上田一帯の防衛を任されたのが、出早雄命ということであったかもしれない。
北信濃を抑える勢力にとっては、地蔵峠はとても重要な位置を占めることだろう。地蔵峠へと向かう道が通っているのは、砥石城と真田本城とのあいだであったから、戦国時代には、砥石城周辺が争奪戦