信州に匿われた三人目の遺児・足利成氏、そして大井氏 その②
大井氏が居城としていたのは、安養寺にほど近い、湯川のほとりにあった。
大井城の周辺は、今では宅地開発されてしまっているため、興味もなにもなければ、たださらりと通り過ぎるだけの、児童公園の雰囲気である。
ここは城だと意気込んで訪れてみたとしても、郭の上を歩くだけでは、なんの変哲もない平城に、ほんのちょっぴり毛の生えたもののように思えてしまう。
城の面影を期待して訪れれば、まず目に飛び込むのは児童用の遊具の存在で、少し高いところにあるだけの児童公園の様相に、がっかりすること請け合