あそぬまきよと|株式会社ヒナタヤ代表

北海道での酪農、被災地での教育NPOを経て24歳で慶應SFC入学。株式会社ヒナタヤ代表…

あそぬまきよと|株式会社ヒナタヤ代表

北海道での酪農、被災地での教育NPOを経て24歳で慶應SFC入学。株式会社ヒナタヤ代表。湘南のおでん屋で「寺子屋」、北海道でサマー/ウィンタースクール、沖縄で中高20校以上を対象にしたキャリア教育、1000億企業の社長室、など。1児の父。冬はスノーボード、夏は仕事。

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最近の記事

いつか読む日のために。②

葉蒔、あなたがこの世に生まれてきてくれてから、早くも100日が経ちました。お父ちゃんは明日、スノーボードをしに行こうと思っていたのですが、思ったより雪がふらなかったこともあり、結局家にいることにしました。結果ひまになったので、また記録を残しておこうと思います。 いま葉蒔はぼくの部屋で、さやかちゃんと並んで寝ています。今日は3ヶ月のワクチン接種の日で(遅いけど)、4本の注射をぶっ刺されたらしい。以前2ヶ月のワクチン接種のときは夜泣いて大変だったけど、今日はあっさり寝てくれまし

    • いつか読む日のために。

      葉蒔、あなたがこの世に生まれてきてくれてから、はやくも2週間が経ちました。いま、2時間以上の寝かしつけを経てようやくベッドで寝ている葉蒔を部屋において、キッチンでこの文章を書いています。 葉蒔が生まれてきたのは、雨の日が続いたあと(トップの画像は前日まで降り続いていた雨がやんだ朝)の、随分清々しい晴れた日でした。破水したさやかちゃんを病院に送り届けたあと、ひとり車で帰った134号線のあの青空が忘れられません。 8月19日の134号線 実はここだけの話、雨の日に生まれたら

      • ブルーハーツと哲学

        もう気づけば1年以上前だが、以前ヒナタヤの「きよとの時間」でも授業をしてくれた 根無一信 さん(大学講師/勝手にヒナタヤ哲学顧問)がめちゃくちゃおもろい論文をだされたのでこちらでもシェアする。 根無さんのヒナタヤでの授業の様子。 講義タイトル「ありのまま生きる、は正しいのか」 タイトルは「ザ・ブルーハーツと福音」 ブルーハーツとは、あのブルーハーツ、岡山出身の偉大なるロックバンドのブルーハーツである。 ぼくがここでなにを言ってもすべてを伝えられる気がしないので、早速ですが

        • 死と向き合う。

          昨日、祖父が息を引き取った。こういうことは続くというが、この春は身内も含めて、なぜだか別れが多い春だった。 祖父は99歳だった。いわゆる大往生である。 きっと「老衰」といわれる亡くなり方で、悲しいという感情も、寂しいという感情も、自分の人間性が不安になるくらいに、全く沸いてきていない。おつかれさまでした、と心から思っている。 <そろそろ危ないかも、と聞き、兄姉と会いに行った2月> 実はおつかれさまの言葉をかけたいひとはもうひとり、いる。 父である。 死への実況中継

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        • INDIA Daily Report
          4本
        • おでん塾の教育論
          2本

        記事

          INDIA Daily Vol.4

          今日は朝からアーグラを出て、デリーに戻る。 大体4時間ぐらいの道のりだけど、ほとんど寝ていた。この旅行、結構移動が多いけど、それもまたインドの大きさを感じるようで楽しい。 どうでもいい話だけど、インドには野生(?)の牛と同じぐらい、いやそれ以上に野生の猿がたくさんいる。今日止まったサービスエリアはまるで南国のような雰囲気のある場所だったんだけど、そこにも猿がたくさん。親子連れがいて思わず写真を撮った。でもドライバーのおっちゃんいわく、携帯を見ると猿が奪っていくらしく、あんま

          INDIA Daily vol.3

          こっちは朝の5時。昨日は疲れすぎて「今夜はみんなでしっかり話そうぜ!」と言っていたのに、早々に寝てしまった。なんかこっちに来て早寝だな、疲れてんのかな、と思っていたけど、単にまだ時差に対応できていないだけなのかもという気がしてきた。 インドと日本の時差は4時間。インドのほうが「遅れ」ている。(いまはインドでは日曜の朝5時、日本では朝9時、という感じ)昨日寝たのは多分21時過ぎだったけど、日本時間にすれば1時ごろ。まあそんなもんか。 昨日はホテルで朝食を食べた後、みんなでアー

          INDIA Daily vol.2

          今日は昼にホテルを出て、ニューデリーに向かう。ニューデリーはインドの首都のようなもので、人口は2000万人超。インドの中では北に位置するため、今日の最高気温は17度ほど。湘南エリアの天気とさほど変わらない寒さだったりする。 空港までは今日もホテルの車が送ってくれた。 前日にコルカタについたのが深夜2時だったため、道路は真っ暗であまり状況がわからなかったけど、昼間の今日はものすごい車とバイクの量。常にクラクションが鳴っている状態。彼らにとっての「クラクション」は危険を知らせる

          INDIA Daily vol.1

          日本時間の12日10時に自宅を出て、成田に向かった。目的地はインド。 向かう途中の電車の中で、パートナーのe-visaが取れたとのメールが届く。ぼくたちはいつもぎりぎりだ。 空港について、wi-fiを借り、e-visaをプリントアウトしてのんきにお昼ごはんを食べていたら、あっという間に飛行機の時間に。いつも国内線は保安検査場を限界の時間に通り過ぎていたけど、国際線は割と早い時間に締め切られてしまうので要注意。 今回はLCCで向かうため、機内持ち込みの荷物が最大7kgまでと

          頭と、手を動かす。

          嬉しいことに最近高校生からの質問のレベルが高まってきたので、改めて勉強しようと昔使っていた参考書を引っ張り出した。 「この参考書がぼくにとってどういう存在か」を説明するのは、少し、むずかしい。つらい浪人時代に出会い、たくさん、それはもう本当にたくさんお世話になった。アリストテレスやケプラー、ガリレイ、デカルトなどの科学における役割だって、最初に学んだのはこの本からだった。 でも、肝心の受験には、失敗した。(笑) ぼくの「学び」の記憶の多くはここ(と実際に予備校で物理を教えて

          白熱ヤンキー教室

          2日連続で東大の学祭に行ってきたんですが、昨日も今日もめっちゃよかったです。 昨日はこじらせ東大生のための恋愛相談室、みたいなやつで、今日は #白熱ヤンキー教室 。ヤンキーインターンで有名なハッシャダイのイベントだったんですが、ラッパーの晋平太さんも登壇。非大卒の就職活動という文脈でなかなかにおもろーでした。昨日のもよかったんだけど、一応今日のことについて備忘録的に。 もっとも印象的だったのはキーワードとして「移動」をあげていたこと。ハッシャダイは明確に「移動=教育と定義

          おでん屋で「教育」について考えた①

          神奈川県辻堂にあるおでん屋ひなたで運営している寺子屋「陽向舎 (ヒナタヤ)」では、毎月1回、誰でも参加できる公開授業を行っている。ぼく(きよと)が話したいこと、興味のあることを、ぼくやぼくの友人に来てもらい「深ぼる」時間であるということから「きよとの時間」と呼ばれている。(そろそろ改名したい) 「3Dプリンター」や「VR」「グラフィックレコーディング」などを題材に実際の機材を用いてワークショップのような時間になることもあれば、「選挙」や「お金」「農業」などコアなテーマでがっ

          おでん屋で「教育」について考えた①

          変わりゆく。

          先日、ある地方に呼ばれて授業をした。テーマは『キャリア教育』。授業を手伝ってくれた、現地で教育者として働く、とある休学中の大学生と話していてふと思ったことがある。備忘録的に書いておきたい。 高校を卒業してから大学に入学するまで、ぼくは6年の年月を使った。 最初の数年は「浪人」という名のニート(これは単にぼくが勉強をしていなかっただけだ)を、その後は北海道の牧場で牛を飼ったり、東日本大震災の被災地で小中学生に勉強を教えたり。そんなことをしていた。 浪人していたあの数年、ぼ

          『万引き家族』と「見捨てられない病」

          映画を見終わって、ぼくは強い疲労感のようなものを感じて、もちろんつい最近起きた悲しい事件も思い出してしまって、しばらく席に座っていた。 平日の昼間の映画館は、9割以上が高齢者と思えるほどの平均年齢の高さだった。ぼくの隣に座っていたご老人の一行は、エンドロールが終わった途端に「日本の映画はエンドロールが短くていいね」「まあでも終わり方がちょっとねえ・・」と言って帰っていった。 ふと耳に入ったことばに過ぎないし、感想は人それぞれなのだけど、あの映画のテーマのようなものに「手触り

          『万引き家族』と「見捨てられない病」

          普通がリスクになる。

          数日前、ネットサーフィンをしていたらこんな記事に出会った。 ぼくがこういう記事を引用をするときは、なにか新しい考えに出会えたときではない。「ね、ほら。言ってるじゃん」、そういう「虎の威を借る狐」的発想が邪に働いているときだ。 === かつては、「普通」が安心材料だった。みんなと同じようなものを見て、同じようなものを聴いて、同じようなものを買って。同じような場所に通い、同じように勉強し、同じような選択を重ねる。それが(大抵の場合親にとってだけど)安心だったし、安全だった。

          ブルーノ・マーズから考えたこと。

          知っている人は知っているだろうけど、先週末の4日間、埼玉でブルーノ・マーズのライブがあった。ヒナタヤに通う小学校5年生のソウイチローもライブに参戦したらしい。ライブ前の授業では「ずっとゲームができる!!」と喜んでいて「そんなこと言うなら俺にチケットくれ!」というやり取りをしていたのだけど、お母さんのFBを見ると、ライブ中に彼なりに楽しみ方を覚え、いろんなものを受け取って帰ってきたらしかった。中でも衝撃的だったのは彼が「ブルーノ・マーズの小さい頃の夢はなんだったの?」という問い

          ブルーノ・マーズから考えたこと。

          「気付いたら、なんか」

          登校拒否、とか、不登校って字面を見るとなんだか大層なことのように思うけど、健太(仮名)をみていると、なんだ、別に大したことじゃないな、って思えるほどに、彼は社交的で、普通の中3生っぽくて、前日に会ったばかりのぼくとも、いたって普通の会話をしてくれた。 彼が学校に行っていないことは聞いていたから、なんでこんなイベント(とある教育系のイベント。同じ学校の友だちも来てる)に来てんだろ、と思いながら色々話していた。で、しれっと「てかさ、なんで学校行ってないの?」って聞いて返ってきた