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無職ホームレスか、喜代多旅館。

二択の、コイントスでした。

ギリギリでいつも生きていたらしい自分は、大学の卒業式二日前に進路が決まりました。

そして、身ひとつで初めての北陸・富山へやってきたのです。

ちょうど前の家の契約期間が切れたタイミングだったので、もう来週には引っ越してきて働けますよ、という無鉄砲さで。


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さて。
初めて喜代多旅館に来たときの、率直な印象は?

「旅館だけど、旅館ではないみたいだ……」


落ち着いた和風旅館であり、築70年もの歴史ある建造物をリノベーションしたのだけど。

それだけではないんだよなあ。

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不思議と、ドイツの建築を思い出しました。(ドイツに留学していたので。)

ドイツも似てるんですよね。
古い建物をボロボロになっても大事にして、創意工夫して現代に生かしていくところが。

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後から知ったのですが、環境に気をつけているところも似ています。
省エネで一次エネルギー削減50%を達している建物として、ZEB(Net Zero Energy Building)化されていることも喜代多旅館の特徴の一つです。


以前ドイツの授業では、「選挙で投票するならどの党にするか?」という議論をドイツ語でおこないました。

すると各国から集まった留学生の過半数が、Die Grünen【緑の党】を支持したのです。緑の党は「脱原発・風力発電・二酸化炭素の削減」などの環境政策を進展させていますが、

そんな環境を大切にする姿勢も似ているなぁと思ったのでした。


そうした建設時の努力がみのり、自分が訪れたときにはすでに立派な建物が出来上がっていました。

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和の趣はそのままに、リノベーションを経て現代の旅人にもピッタリな旅館へと生まれ変わったのです。

広々としたフロント、開放的なキッチン、和洋折衷のラウンジといった、共有スペースが確保されています。

シャワー室とコインランドリーは24時間利用可能です。

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仮眠室』は海外のホステルをそのまま再現したみたいで、まさか旅館にこんな設備があるなんて。

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確かに夜行バスで朝早く富山駅に到着して、寒いなか居場所に困る人はいるはずですよね。自分もその一人でした。

そんなとき富山駅から徒歩圏内に休憩できる旅館があったら、助かること間違いなしです。従来の「和風旅館」にとどまらない運用です。

暗めのアイアンテイストな壁に最初はビックリしたものですが、ランプやイスなどのインテリアが加わることで、温かみのある空間へ見事な調和が成されました。ホントに絶妙なバランスですよ。

見たことがないし、なにに惹きつけられるのかわからない......けれど、言語を越えたところで感覚に響くものがあるのです。

そういった言語化するのがむずかしい魅力を、なけなしの言葉で綴っていけたらなあと思う次第です。

喜代多旅館は、まるで繁華街に位置する公園のよう。
だからふらりと訪れたくなるのです。


皆さまにお会いできることを楽しみにしております。
最年少スタッフJ

休んでかれ。