見出し画像

厚生労働省「改正育児・介護休業法に関するQ&A(令和4年7月25日版)」から見えてくるもの

10月1日に、いわゆる男性育休の施行が迫っている改正育児・介護休業法ですが、この取扱についてのQ&Aが、厚生労働省から更新されました。

こちらに掲載されています「令和3年改正育児・介護休業法に関するQ&A(令和年4年7月25日更新)」になります。

この新しいQ&Aから見えてくるものを、解説します。

厚生労働省「改正育児・介護休業法に関するQ&A」改訂版から見えてくるもの


厚生労働省のQ&A集は、各地のハローワーク等から労働局を通して、厚生労働省に上がってくる問合せを基にして作られます(これを疑義照会といいます)。

ということは、今回追加された内容は、会社からの問い合わせが多かったものと、推測できます。


今回追加された主な内容

今回の追加では、制度の周知に関するルール、あるいはフレックスタイム制や裁量労働制・事業場外労働のみなし労働時間制など、「柔軟な・多様な働き方」との関係の整理が、主となっているようです。

制度周知については既に義務化、実際の取扱に問合せが集中

個別の従業員への制度周知・意向確認については、既に今年4月1日から義務化されています。これは会社で実際に行われる中で、具体的な取扱に関する問い合わせが増えたと思われます。

今一度、皆様の会社での取り扱いを、確認してみるとよろしいかと思います。


育児介護法改正と「多様な働き方」の相乗効果で、独自に「両立しやすい会社」をつくる動きがみられる

今回の追加Q&Aでは、フレックスタイム制など「多様な・柔軟な働き方」の制度との関係に、質疑が集中しています。

ここからは、コロナ禍で進んだ「柔軟な働き方」をうまく取り入れつつ、男性育休(出生時育児休業、産後パパ育休)など法律で新たに義務付けられた制度との両立を、図る動きが見えてきます。

これは、法律の最低限にとどまらず、制度の組み合わせで、より両立できる環境を実現しようという動きです。

これは自社の取組を、メタ的に俯瞰して見るといいです。
自社で当たり前にやっていることが、実は他社に比べて、働き方の自由度が高い、あるいは家庭と仕事の両立がしやすいものになっている。
このことに会社自身が気づいていないことは、社労士として関わると、意外とよくあります。

自社の既にある取り組みと、法律で新たに設けられた制度を組み合わせて、独自の制度を設計すれば、他社との差別化が図れ、採用もしやすくなる。そのような効果もあり得ます。


地方から見える動き

私は地方・熊本の中小企業を主に対応していますので、育児・介護休業法の改正対応は、法律の基準に合わせるご要望が多いです。

一方で、独自の制度で「仕事と家庭の両立」を行う動きが、自分の想定以上に多いのではないかと思ってます。

これは地方が遅れてる、とか法律の最低基準通りの対応は時代遅れ、ということを言いたいのではありません。それぞれに事情があります。

ただ、会社あるいは社長の方針が、どこにあるかを知ることは大事です。ここを踏まえて男性育休や両立支援の制度を組み立てると、社長・会社の理念や「思い」が制度とつながり、より人の定着につながるかもしれません。


育児・介護休業の対応には、個別の会社ごとの制度設計が必要

こうなると、対応のあり方は、会社ごとにオーダーメイドとなってきます。
専門知識も要しますので、よろしければ専門家にご相談ください。


サポートは要らないので、スキやいいねお待ちしてます。X(Twitter)やFacebookなどで感想いただけると嬉しいです!